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  • はじめての収穫体験日記

    はじめての収穫体験日記

    目次 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 初めて手にする用具と、学んだ収穫の基本 ピノ・ノワール収穫に挑戦 想像以上の重労働!連携プレーの重要さ 収穫完了!ワインになる日を楽しみに 01 ― 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 2年前に日本ワインコラムの取材もしていますが、私自身は今回が初めての訪問です。 🍇 日本ワインコラム 【北海道・余市 安藝農園】をチェックしてみてください! 〉〉日本ワインコラム そしてこの、収穫日和!な天気には内心ほっと一安心。というのも、昔からイベント事がある日はいつも雨。楽しみにしていたお出かけの日も雨。さらには、さっきまで降っていなかったのに自分が外に出ると雨が降り出す、といった感じで雨女っぷりがどうしようもなく… 先日、日本ワインコラムの取材で岡山に行った際も、視界不良で危うく東京に引き返すところでした。しかし、今回は幸いにも雨が降らずに快晴に恵まれました! 02 ― 初めて手にする用具と、 学んだ収穫の基本 ▲ 畑に入ると看板犬のモモちゃんがお出迎え! 既に収穫作業を始めていた安藝農園のスタッフの皆さんを追うように畑の奥へと進んで行きます。畑仕事なんてやる機会が無いものだから、この日の為に用意した着慣れない服装と、初めて使う用具達になんだかソワソワ。 ▲ 収穫用のハサミ。刃で枝を切り、反対側のピンセットで傷んだ箇所などを取り除く。...

    わたし流。いまイチオシのワインたち

    はじめての収穫体験日記

    目次 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 初めて手にする用具と、学んだ収穫の基本 ピノ・ノワール収穫に挑戦 想像以上の重労働!連携プレーの重要さ 収穫完了!ワインになる日を楽しみに 01 ― 北海道・余市での初収穫体験 - 初秋の空気を感じながら 2年前に日本ワインコラムの取材もしていますが、私自身は今回が初めての訪問です。 🍇 日本ワインコラム 【北海道・余市 安藝農園】をチェックしてみてください! 〉〉日本ワインコラム そしてこの、収穫日和!な天気には内心ほっと一安心。というのも、昔からイベント事がある日はいつも雨。楽しみにしていたお出かけの日も雨。さらには、さっきまで降っていなかったのに自分が外に出ると雨が降り出す、といった感じで雨女っぷりがどうしようもなく… 先日、日本ワインコラムの取材で岡山に行った際も、視界不良で危うく東京に引き返すところでした。しかし、今回は幸いにも雨が降らずに快晴に恵まれました! 02 ― 初めて手にする用具と、 学んだ収穫の基本 ▲ 畑に入ると看板犬のモモちゃんがお出迎え! 既に収穫作業を始めていた安藝農園のスタッフの皆さんを追うように畑の奥へと進んで行きます。畑仕事なんてやる機会が無いものだから、この日の為に用意した着慣れない服装と、初めて使う用具達になんだかソワソワ。 ▲ 収穫用のハサミ。刃で枝を切り、反対側のピンセットで傷んだ箇所などを取り除く。...

    わたし流。いまイチオシのワインたち
  • 誕生日に贈るワインおすすめ9選を予算別に紹介!選び方のポイントもあわせて解説

    誕生日に贈るワインおすすめ9選を予算別に紹介!選び方のポイントもあわせて解説

      誕生日のプレゼント選びに苦労されたことのある方も多いのではないでしょうか?ぜひ今後は、プレゼント候補にワインを含めて下さい!ワインと一口にいっても、生産国や品種などを掛け合わせると選択肢は幅広く、必ず相手にマッチするものが見つかります。 そうは言っても数ある選択肢からどう選べばいいのか悩みますよね。でも大丈夫。本記事で誕生日に贈るワインの選び方や価格別のおすすめワインを紹介しますので、素敵な誕生日プレゼント選びの参考にして下さい! 目次 誕生日プレゼントにワインがおすすめの理由 誕生日に贈るワインはどれがおすすめ?選ぶポイント 【予算3,000円】誕生日プレゼントにおすすめのワイン3選 【予算5,000円】誕生日プレゼントにおすすめのワイン3選 【予算10,000円】誕生日プレゼントにおすすめのワイン3選 誕生日プレゼントのワインに差をつけるポイント 誕生日プレゼントにワインがおすすめの理由 そもそも、なぜ誕生日プレゼントにワインがおすすめなのでしょう。いくつか理由があります。   ワインの産地は世界中に広がり、同じ造り手の中に種類、スタイル、品種等が異なる様々なラインナップがあります。つまり、ワインの銘柄は無数にあるので、贈る相手に合うワインが必ず存在するのです! お祝い、食事、親しい人との楽しい時間、リラクゼーション、文化、クラフトマンシップ、洗練、高級感…等々、ワインという言葉から連想されるイメージは、特別感もしくは幸せな時間といったポジティブなもので、まさにプレゼントにぴったりです。 ドレスアップした高級感溢れる場面から、アウトドアで仲間とワイワイ楽しむカジュアルなシーンまで、幅広いシチュエーションで楽しめるのがワイン。価格帯も様々なので、プレゼントを贈る相手との関係性や贈るシーンに合わせた選び方ができます。 ワインは愛好家のためだけのプレゼントにはなりません。初心者から専門家のように詳しい方まで、あらゆる層にマッチするワインがあります。 ワインの中には長期熟成が可能なものもあるので、記念として残すという選択肢もできます。 プレゼントを選ぶ立場にも嬉しいメリットが。これから紹介するワインを選ぶポイントさえ押さえてしまえば、今後のプレゼント選びに困らなくなるのです。ワインの種類は無限大なので、銘柄を変えれば全く同じにならないですし、ワインは飲み物なので、相手が気に入った一本であれば、全く同じものを連投しても喜んでくれます。 ワインを贈りたくなってきませんか? 誕生日に贈るワインはどれがおすすめ?選ぶポイント 実際にワインを選ぶ際に必ず検討してほしいポイントが3つあります。価格帯、ワインの種類、味の好みです。予算は決められるけど、あとはさっぱり分からない…というケースもあるかと思います。そのような場合の選び方についてもアイディアを提示しますので、参考にしてみて下さい。 価格帯 まずは、予算です。3,000円、5,000円、1万円、もっと奮発する!といったように、大まかにイメージを設定するとワインの選択肢が絞られるので、選びやすくなります。 金額 想定されるシチュエーション 3,000円前後 カジュアルな関係の友人や兄弟姉妹へのちょっとした誕生日プレゼントに。 ワイン以外の誕生日プレゼントと合わせて贈る際に。 5,000円前後...

    ギフト特集

    誕生日に贈るワインおすすめ9選を予算別に紹介!選び方のポイントもあわせて解説

      誕生日のプレゼント選びに苦労されたことのある方も多いのではないでしょうか?ぜひ今後は、プレゼント候補にワインを含めて下さい!ワインと一口にいっても、生産国や品種などを掛け合わせると選択肢は幅広く、必ず相手にマッチするものが見つかります。 そうは言っても数ある選択肢からどう選べばいいのか悩みますよね。でも大丈夫。本記事で誕生日に贈るワインの選び方や価格別のおすすめワインを紹介しますので、素敵な誕生日プレゼント選びの参考にして下さい! 目次 誕生日プレゼントにワインがおすすめの理由 誕生日に贈るワインはどれがおすすめ?選ぶポイント 【予算3,000円】誕生日プレゼントにおすすめのワイン3選 【予算5,000円】誕生日プレゼントにおすすめのワイン3選 【予算10,000円】誕生日プレゼントにおすすめのワイン3選 誕生日プレゼントのワインに差をつけるポイント 誕生日プレゼントにワインがおすすめの理由 そもそも、なぜ誕生日プレゼントにワインがおすすめなのでしょう。いくつか理由があります。   ワインの産地は世界中に広がり、同じ造り手の中に種類、スタイル、品種等が異なる様々なラインナップがあります。つまり、ワインの銘柄は無数にあるので、贈る相手に合うワインが必ず存在するのです! お祝い、食事、親しい人との楽しい時間、リラクゼーション、文化、クラフトマンシップ、洗練、高級感…等々、ワインという言葉から連想されるイメージは、特別感もしくは幸せな時間といったポジティブなもので、まさにプレゼントにぴったりです。 ドレスアップした高級感溢れる場面から、アウトドアで仲間とワイワイ楽しむカジュアルなシーンまで、幅広いシチュエーションで楽しめるのがワイン。価格帯も様々なので、プレゼントを贈る相手との関係性や贈るシーンに合わせた選び方ができます。 ワインは愛好家のためだけのプレゼントにはなりません。初心者から専門家のように詳しい方まで、あらゆる層にマッチするワインがあります。 ワインの中には長期熟成が可能なものもあるので、記念として残すという選択肢もできます。 プレゼントを選ぶ立場にも嬉しいメリットが。これから紹介するワインを選ぶポイントさえ押さえてしまえば、今後のプレゼント選びに困らなくなるのです。ワインの種類は無限大なので、銘柄を変えれば全く同じにならないですし、ワインは飲み物なので、相手が気に入った一本であれば、全く同じものを連投しても喜んでくれます。 ワインを贈りたくなってきませんか? 誕生日に贈るワインはどれがおすすめ?選ぶポイント 実際にワインを選ぶ際に必ず検討してほしいポイントが3つあります。価格帯、ワインの種類、味の好みです。予算は決められるけど、あとはさっぱり分からない…というケースもあるかと思います。そのような場合の選び方についてもアイディアを提示しますので、参考にしてみて下さい。 価格帯 まずは、予算です。3,000円、5,000円、1万円、もっと奮発する!といったように、大まかにイメージを設定するとワインの選択肢が絞られるので、選びやすくなります。 金額 想定されるシチュエーション 3,000円前後 カジュアルな関係の友人や兄弟姉妹へのちょっとした誕生日プレゼントに。 ワイン以外の誕生日プレゼントと合わせて贈る際に。 5,000円前後...

    ギフト特集
  • 「ACブルゴーニュ」とは?格付けやブドウ品種の特徴、おすすめワインも紹介
    格付けやブドウ品種の特徴、おすすめワインも紹介

    「ACブルゴーニュ」とは?格付けやブドウ品種の特徴、おすすめワインも紹介

    目次 「ACブルゴーニュ」とは? 「AOC」について ブルゴーニュワインにおける「ACブルゴーニュ」の位置づけ ブルゴーニュの地区別による特徴 ブルゴーニュのブドウ品種 おすすめのACブルゴーニュのワイン3選 まとめ 1. 「ACブルゴーニュ」とは? ACブルゴーニュ (AOC Bourgogne)は、原産地がブランスのブルゴーニュ地方であることを指すワインで、ブルゴーニュ産のワインのなかでも、特別な基準を満たした確かな品質と特徴を持つワインのみが「ACブルゴーニュ (AOC Bourgogne)」を名乗れます。 ACブルゴーニュについては以下の項目ごとに詳細を解説していきます。 2. 「AOC」について フランスのワインには、産地の個性を守るために、「AOC」という「原産地統制呼称制度」が設けられているおり、AOCとは「Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)」の略称です。 AOCとはワイン醸造地の品質を保証し価値を守るための法規制で、地域外からむやみに権利を侵害できないよう配慮するためのものです。 AOCは1935年にフランスで定められた制度で、INAO(国立原産地名称研究所)の名のもとに管理されていることでAOC制度の保護のもと生産されている品質を保証されたワインこそが「(ACブルゴーニュ(AOC Bourgogne)」ということになります。 「AOC」の位置づけ 産地の個性を守る「AOC」は、フランスワインの品質を分類する3つのカテゴリの中で最上位に位置します。 下記のようにフランスワインは、以下3つに分類されており、違いが明確化されています。 最上位カテゴリ「A.O.C.」:原産地呼称が保護されたワイン 中央カテゴリ「I.G.P」:地理的表示が保護されたワイン 最下位カテゴリ「Vin...

    ワインの豆知識
    格付けやブドウ品種の特徴、おすすめワインも紹介

    「ACブルゴーニュ」とは?格付けやブドウ品種の特徴、おすすめワインも紹介

    目次 「ACブルゴーニュ」とは? 「AOC」について ブルゴーニュワインにおける「ACブルゴーニュ」の位置づけ ブルゴーニュの地区別による特徴 ブルゴーニュのブドウ品種 おすすめのACブルゴーニュのワイン3選 まとめ 1. 「ACブルゴーニュ」とは? ACブルゴーニュ (AOC Bourgogne)は、原産地がブランスのブルゴーニュ地方であることを指すワインで、ブルゴーニュ産のワインのなかでも、特別な基準を満たした確かな品質と特徴を持つワインのみが「ACブルゴーニュ (AOC Bourgogne)」を名乗れます。 ACブルゴーニュについては以下の項目ごとに詳細を解説していきます。 2. 「AOC」について フランスのワインには、産地の個性を守るために、「AOC」という「原産地統制呼称制度」が設けられているおり、AOCとは「Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)」の略称です。 AOCとはワイン醸造地の品質を保証し価値を守るための法規制で、地域外からむやみに権利を侵害できないよう配慮するためのものです。 AOCは1935年にフランスで定められた制度で、INAO(国立原産地名称研究所)の名のもとに管理されていることでAOC制度の保護のもと生産されている品質を保証されたワインこそが「(ACブルゴーニュ(AOC Bourgogne)」ということになります。 「AOC」の位置づけ 産地の個性を守る「AOC」は、フランスワインの品質を分類する3つのカテゴリの中で最上位に位置します。 下記のようにフランスワインは、以下3つに分類されており、違いが明確化されています。 最上位カテゴリ「A.O.C.」:原産地呼称が保護されたワイン 中央カテゴリ「I.G.P」:地理的表示が保護されたワイン 最下位カテゴリ「Vin...

    ワインの豆知識
  • 広島・三次ワイナリー

    広島・三次ワイナリー

    日本ワインコラム |広島三次ワイナリー 「三次」と書いて「みよし」と読む。広島県の北部、中国地方の中心部に位置し、江の川、馬洗川、西城川の3本の大きな川が巴状に合流する盆地である。ブドウ栽培が始まったのは1955年頃からと言われており、今では“黒い真珠”と称されるピオーネの一大産地として有名な場所だ。 1994年に広島県初のワイナリーとしてこの地に誕生したのが、今回の訪問先である広島三次ワイナリー。今年創業30周年を迎える歴史のあるワイナリーだ。第三セクターとして誕生したという背景もあり、当初は観光ワイナリー的な位置づけで捉えられていたが、昨今は国内外から高く評価される本格的なワインで名を馳せ、多くのファンを魅了する。 ▲ 広島三次ワイナリーの外観。赤い屋根と高い塔が印象的で、外観からも広々した場所なのが分かる。沢山の方が訪れる場所で、到着した日も駐車場はほぼ満車! 質の高いワインを造り出す秘密はどこにあるのか?生粋の三次っ子だという製造課マネージャーの沖田さんに色々とお話を伺った。 ▲ 安心感のある語り口の沖田さん。広島三次ワイナリー栽培・醸造チームのインスタに“好青年を装った毒舌男”と紹介されていたのが気になる…笑。我々には“好青年“としか思えなかったです!! 観光ワイナリーからの脱却 広島三次ワイナリーは三次市やJAひろしま等が出資する第三セクターとして誕生。生食用ブドウを栽培する過程で出る大量の規格外のブドウを活用するという目的から創設された経緯もあり、設立当時は観光ワインとしての色合いが強いものだった。ワイナリーには観光客向けの施設も充実しており、集客も業績も安定していたが、日本ワインブームの到来と共に、土地の個性を活かした本格的なワインに注目が集まり、観光ワインが淘汰されつつあるという現実も目の当たりにする。 ▲ ワインショップの前には白い椅子が沢山並び、ゆったり過ごせるスペースも。 ▲ ワインショップの中の様子。ワインがずらり並ぶ! このままでは生き残れない…という危機感が募り、経営陣は1つの大きな決断をする。これまでの観光ワイナリーとして位置付けから経営方針をシフトし、原料から見直したのだ。2007年に自社圃場を確保しブドウ栽培を開始、2008年には三次産ブドウ100%で造るTOMOEシリーズをスタートした。 更に、2つ目の大きな決断となったのが、2013年に後にワイナリー長となる太田直幸氏を迎え入れたことだ。 ▲ 広島三次ワイナリーのHPより。優しい笑顔が素敵な太田氏。 太田氏はニュージーランドのリンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造の勉強をし、現地の農園やワイナリーで長く働いた経験を持つ。沖田さん曰く、太田氏は「ブドウのいいところを最大限に引き出す」という考えをお持ちで、これまでとは異なるアプローチで、質を重視した栽培や醸造を徹底したそう。その結果、ワインの質が向上し味わいも本格的に。国内外の数々のコンクールで受賞するまでになったのだ。 経営方針を180度変え、一から新しい文化を作り上げた広島三次ワイナリー。強いリーダーシップなしには成しえなかったと思うが、三次という場所の優位性、栽培家や醸造家一人一人の情熱も忘れてはいけない。まずは畑から見ていこう。 恵まれた畑の環境 盆地ならではの優位性 ワイナリーから車で程近く、山間部を切り開いた場所に畑がある。標高350m前後、一番高いTOMOEシリーズ「シャルドネ新月」の畑は標高400mに位置する。どの畑も開けた場所にあるので、日の出から日の入りまでしっかりと太陽が当たる。また、盆地ならではの気候で、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウがゆっくり熟す環境にある。山肌を通る風も吹くので、比較的病気になりにくい環境なのも嬉しいところだ。 ▲ さーっと視界が開けた場所にあるブドウ畑。太陽の恵みを感じながら、心地よい風も吹き抜ける。 恵まれた環境とは言え、温暖化の影響はある。「シャルドネ新月」は、新月の夜に収穫するナイトハーベストを行っていたことから命名されたワインだが、昨今は夜間も気温が高い日が多く、夜に収穫するメリットが下がってきていることと、夜間の作業は摘み残しも起こりやすいことから、昼間に収穫した後、ブドウをしっかり冷蔵し酸化や腐敗を防ぐという手法に切り替えたそう。 ▲ 棚栽培されている「シャルドネ新月」の畑。棚の高さは奥に進むほど低くなっているそうで、「手前は問題ないのだけど、奥に行くほど中腰で辛くなる…けど、すごくいい農家さんが手入れしてくれて、素晴らしいブドウができている」と、沖田さん。 日本で珍しい貴腐ブドウが育つ場所...

    日本ワインコラム

    広島・三次ワイナリー

    日本ワインコラム |広島三次ワイナリー 「三次」と書いて「みよし」と読む。広島県の北部、中国地方の中心部に位置し、江の川、馬洗川、西城川の3本の大きな川が巴状に合流する盆地である。ブドウ栽培が始まったのは1955年頃からと言われており、今では“黒い真珠”と称されるピオーネの一大産地として有名な場所だ。 1994年に広島県初のワイナリーとしてこの地に誕生したのが、今回の訪問先である広島三次ワイナリー。今年創業30周年を迎える歴史のあるワイナリーだ。第三セクターとして誕生したという背景もあり、当初は観光ワイナリー的な位置づけで捉えられていたが、昨今は国内外から高く評価される本格的なワインで名を馳せ、多くのファンを魅了する。 ▲ 広島三次ワイナリーの外観。赤い屋根と高い塔が印象的で、外観からも広々した場所なのが分かる。沢山の方が訪れる場所で、到着した日も駐車場はほぼ満車! 質の高いワインを造り出す秘密はどこにあるのか?生粋の三次っ子だという製造課マネージャーの沖田さんに色々とお話を伺った。 ▲ 安心感のある語り口の沖田さん。広島三次ワイナリー栽培・醸造チームのインスタに“好青年を装った毒舌男”と紹介されていたのが気になる…笑。我々には“好青年“としか思えなかったです!! 観光ワイナリーからの脱却 広島三次ワイナリーは三次市やJAひろしま等が出資する第三セクターとして誕生。生食用ブドウを栽培する過程で出る大量の規格外のブドウを活用するという目的から創設された経緯もあり、設立当時は観光ワインとしての色合いが強いものだった。ワイナリーには観光客向けの施設も充実しており、集客も業績も安定していたが、日本ワインブームの到来と共に、土地の個性を活かした本格的なワインに注目が集まり、観光ワインが淘汰されつつあるという現実も目の当たりにする。 ▲ ワインショップの前には白い椅子が沢山並び、ゆったり過ごせるスペースも。 ▲ ワインショップの中の様子。ワインがずらり並ぶ! このままでは生き残れない…という危機感が募り、経営陣は1つの大きな決断をする。これまでの観光ワイナリーとして位置付けから経営方針をシフトし、原料から見直したのだ。2007年に自社圃場を確保しブドウ栽培を開始、2008年には三次産ブドウ100%で造るTOMOEシリーズをスタートした。 更に、2つ目の大きな決断となったのが、2013年に後にワイナリー長となる太田直幸氏を迎え入れたことだ。 ▲ 広島三次ワイナリーのHPより。優しい笑顔が素敵な太田氏。 太田氏はニュージーランドのリンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造の勉強をし、現地の農園やワイナリーで長く働いた経験を持つ。沖田さん曰く、太田氏は「ブドウのいいところを最大限に引き出す」という考えをお持ちで、これまでとは異なるアプローチで、質を重視した栽培や醸造を徹底したそう。その結果、ワインの質が向上し味わいも本格的に。国内外の数々のコンクールで受賞するまでになったのだ。 経営方針を180度変え、一から新しい文化を作り上げた広島三次ワイナリー。強いリーダーシップなしには成しえなかったと思うが、三次という場所の優位性、栽培家や醸造家一人一人の情熱も忘れてはいけない。まずは畑から見ていこう。 恵まれた畑の環境 盆地ならではの優位性 ワイナリーから車で程近く、山間部を切り開いた場所に畑がある。標高350m前後、一番高いTOMOEシリーズ「シャルドネ新月」の畑は標高400mに位置する。どの畑も開けた場所にあるので、日の出から日の入りまでしっかりと太陽が当たる。また、盆地ならではの気候で、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウがゆっくり熟す環境にある。山肌を通る風も吹くので、比較的病気になりにくい環境なのも嬉しいところだ。 ▲ さーっと視界が開けた場所にあるブドウ畑。太陽の恵みを感じながら、心地よい風も吹き抜ける。 恵まれた環境とは言え、温暖化の影響はある。「シャルドネ新月」は、新月の夜に収穫するナイトハーベストを行っていたことから命名されたワインだが、昨今は夜間も気温が高い日が多く、夜に収穫するメリットが下がってきていることと、夜間の作業は摘み残しも起こりやすいことから、昼間に収穫した後、ブドウをしっかり冷蔵し酸化や腐敗を防ぐという手法に切り替えたそう。 ▲ 棚栽培されている「シャルドネ新月」の畑。棚の高さは奥に進むほど低くなっているそうで、「手前は問題ないのだけど、奥に行くほど中腰で辛くなる…けど、すごくいい農家さんが手入れしてくれて、素晴らしいブドウができている」と、沖田さん。 日本で珍しい貴腐ブドウが育つ場所...

    日本ワインコラム
  • ラリュー ブルゴーニュ・アリゴテ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

    ラリュー ブルゴーニュ・アリゴテ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

    Go to slide 1 Go to slide 2 Go to slide 3 Go to slide 4 小山田 わいじょりーな 吉川 本名 いとう 山本 人見 時田 菅原 吉永 CASE 01 秋晴れのお天気に誘われて・・・ Cave...

    Staff Blog ~僕の、私の、ワインのある暮らし

    ラリュー ブルゴーニュ・アリゴテ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

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    Staff Blog ~僕の、私の、ワインのある暮らし
  • シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー

    シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー

    世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://francois-thienpont.com/vin/le-pin/ 目次 シャトー・ル・パンの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年のテイスティング (おまけ)2007年ヴィンテージ 1. シャトー・ル・パンの概要 ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) ▲ シャトーの由来となった象徴的な松の木、今でもワイナリーの前に現存 ▲ 非常にミニマムながら印象的なデザインはベルギーの建築家ポール・ロブレによるもの 1982年のヴィンテージをリリースした際に、世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたのがこのシャトー・ル・パンである。ワイン評論家ロバート・パーカー氏のテイスティングで満点の100点を獲得したからだ。年間生産量は僅かに6,000本程度という事もあり、市場で見かける事も少ない。セパージュは100%メルロだが、畑では混植でカベルネ・フランも少量ある。(シャトー・ル・パンには使用されない。) ベルギーの建築家であるポール・ロブレヒトによってデザインされた現在のワイナリーは2011年9月に落成した。 2. ワイナリーの歴史 1979年 ヴュー・シャトー・セルタンの共同経営者であるジャック・ティエンポン氏は、ヴュー・シャトー・セルタンの隣にある小さな区画の畑を手に入れた。これがシャトー・ル・パンの始まりである。 この区画は前オーナーのマダム・ロービー氏時代は、ワイン造りの為ラランド・ド・ポムロールのワインメーカーと契約をしていた。1979年当時、セラー設備は何も無く、1基のステンレスタンクとワイン造りに必要な数のフレンチオークのみを取り揃えてのスタートだった。始めた当時の数年は、資金を節約するためにヴュー・シャトー・セルタンで使用した樽をシャトー・ル・パンで使用。この事が偶然にも樽の中でマロラクティック発酵を行う、という醸造方法へとつながり、シャトー・ル・パンはこの技術を行った最初のシャトーとして有名となる。 土地のかなりの部分を新しいメルロのクローンに植え替え、ブドウの木を仕立て直した。...

    造り手のホンネに迫る。

    シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー

    世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://francois-thienpont.com/vin/le-pin/ 目次 シャトー・ル・パンの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年のテイスティング (おまけ)2007年ヴィンテージ 1. シャトー・ル・パンの概要 ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) ▲ シャトーの由来となった象徴的な松の木、今でもワイナリーの前に現存 ▲ 非常にミニマムながら印象的なデザインはベルギーの建築家ポール・ロブレによるもの 1982年のヴィンテージをリリースした際に、世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたのがこのシャトー・ル・パンである。ワイン評論家ロバート・パーカー氏のテイスティングで満点の100点を獲得したからだ。年間生産量は僅かに6,000本程度という事もあり、市場で見かける事も少ない。セパージュは100%メルロだが、畑では混植でカベルネ・フランも少量ある。(シャトー・ル・パンには使用されない。) ベルギーの建築家であるポール・ロブレヒトによってデザインされた現在のワイナリーは2011年9月に落成した。 2. ワイナリーの歴史 1979年 ヴュー・シャトー・セルタンの共同経営者であるジャック・ティエンポン氏は、ヴュー・シャトー・セルタンの隣にある小さな区画の畑を手に入れた。これがシャトー・ル・パンの始まりである。 この区画は前オーナーのマダム・ロービー氏時代は、ワイン造りの為ラランド・ド・ポムロールのワインメーカーと契約をしていた。1979年当時、セラー設備は何も無く、1基のステンレスタンクとワイン造りに必要な数のフレンチオークのみを取り揃えてのスタートだった。始めた当時の数年は、資金を節約するためにヴュー・シャトー・セルタンで使用した樽をシャトー・ル・パンで使用。この事が偶然にも樽の中でマロラクティック発酵を行う、という醸造方法へとつながり、シャトー・ル・パンはこの技術を行った最初のシャトーとして有名となる。 土地のかなりの部分を新しいメルロのクローンに植え替え、ブドウの木を仕立て直した。...

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