ナチュラルチーズとは?
ナチュラルチーズとは?

種類やプロセスチーズとの違い、よく合うワインも厳選して紹介

種類やプロセスチーズとの違い、よく合うワインも厳選して紹介

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Daichi Yoshikawa

チーズは大きく分けて「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに分類されます。本記事ではナチュラルチーズの特徴やその種類について詳しく解説し、プロセスチーズとの違いについても触れながら、それぞれの魅力を紹介します。

さらに今回はナチュラルチーズに合わせやすいおすすめのワインも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
チーズは大きく分けて「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに分類されます。本記事ではナチュラルチーズの特徴やその種類について詳しく解説し、プロセスチーズとの違いについても触れながら、それぞれの魅力を紹介します。

さらに今回はナチュラルチーズに合わせやすいおすすめのワインも紹介しますのでぜひ参考にしてください。

ナチュラルチーズとは?種類やプロセスチーズとの違い、よく合うワインも厳選して紹介

種類やプロセスチーズとの違い、よく合うワインも厳選して紹介
2025.01.27

ナチュラルチーズの定義

ナチュラルチーズとは、自然な状態を保ちながら作られるチーズのことです。生乳を乳酸菌や酵素の力で凝固させ、発酵させた後に乳清(ホエイ)の一部を取り除いて固めたものを指します。このプロセスにより、チーズの中には乳酸菌や酵母が生きたまま残り、熟成が進むにつれて風味や食感が変化していくのが特徴です。
また、ナチュラルチーズは、大きく「熟成タイプ」と「非熟成タイプ」に分けられます。熟成タイプでは時間の経過とともに味わいが深まり、より複雑な香りやコクを楽しむことができます。
一方、非熟成タイプは、作りたてのフレッシュな風味と軽やかな食感が特徴です。これらの多様な特性により、ナチュラルチーズは世界中で1,000種類以上存在すると言われています。


プロセスチーズとの違い

プロセスチーズとの違い

プロセスチーズは、ナチュラルチーズをベースにして作られるチーズです。
ナチュラルチーズを細かく砕き、乳化剤を加えて高温で加熱・溶解し、再び成形して作られます。この製造工程の中で、高温処理によって乳酸菌や酵母は死滅し、熟成は進まなくなります。
この違いにより、プロセスチーズは保存性に優れ、風味が安定しているのが特徴です。一方で、ナチュラルチーズは時間の経過とともに熟成が進み、味わいや香りが変化していくため、作り手や産地による個性を楽しむことができます。
このように、ナチュラルチーズとプロセスチーズは製造工程だけでなく、風味や保存性にも大きな違いがあります。


ナチュラルチーズの主な種類

ナチュラルチーズにはさまざまな種類があり、それぞれ独自の製法や味わいがあります。以下に、代表的な6つの種類を詳しく解説します。

フレッシュチーズ(モッツァレラチーズなど)

フレッシュチーズは非熟成タイプのナチュラルチーズで、瑞々しさと新鮮な風味が特徴です。クリームチーズ、カッテージチーズ、マスカルポーネ、モッツァレラなどがこのカテゴリーに含まれます。
これらのチーズは、乳酸菌や酵素で凝固させた後に、乳清(ホエイ)を完全に取り除かずに作られます。そのため、柔らかな食感とみずみずしいフレッシュな味わいを楽しむことができます。

ウォッシュチーズ

ウォッシュチーズは、熟成過程でチーズの表面を塩水や地酒で洗いながら作られる熟成タイプのチーズです。この工程により、独特の香りと濃厚な味わいが生まれます。
代表的な種類にはエポワス、マンステール、タレッジョなどがあります。外皮は香りが強い一方で、中身はクリーミーでコクがあり、口の中でなめらかに広がります。

シェーブルチーズ

シェーブルチーズは山羊の乳を使って作られる熟成タイプのチーズです。牛乳から作られるチーズに比べて、真っ白な外観と野性味のある風味が特徴です。
代表的な銘柄にはヴァランセ、サント・モールド・トゥーレーヌ、クロタン・ド・シャヴィニョルがあり、軽やかな酸味と独特の風味が楽しめます。

ハード・セミハードチーズ

ハード・セミハードチーズは保存性に優れた熟成タイプのチーズで、熟成期間が長いほど風味が濃厚になります。ハードチーズはさらに圧搾と高温加熱を行い、セミハードよりも水分が少なく、より固い食感が特徴です。
代表的な種類にはゴーダ、カンタル、テット・ド・モワンヌがあります。

白カビチーズ

白カビチーズは表面を覆う白カビが特徴的な熟成タイプのチーズです。熟成が進むにつれて、クリーミーな食感と豊かな香りが増します。
カマンベール・ド・ノルマンディやブリ・ド・モー、シャウルスなどが代表的で、初心者にも親しみやすいチーズです。

青カビチーズ

青カビチーズは内部に青カビを繁殖させて熟成させるタイプのチーズです。世界三大ブルーチーズとして知られるゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンは、その濃厚で複雑な味わいから、多くの愛好家に支持されています。
風味が非常に強いため、初めて試す場合にはクリームチーズやバターと混ぜて食べるのもおすすめです。


【種類別】ナチュラルチーズに合うおすすめワイン

【種類別】ナチュラルチーズに合うおすすめワイン

ナチュラルチーズとワインのペアリングは、双方の味わいを引き立て合う素晴らしい楽しみ方です。ここでは、チーズの種類ごとにおすすめのワインをご紹介します。

【フレッシュチーズ】E.ギガル タヴェル ロゼ 2021

【フレッシュチーズ】E.ギガル タヴェル ロゼ 2021

フレッシュチーズによく合う、パワフルな味わいのロゼワイン。フランス3大ロゼのひとつに掲げられる、ゴージャスな風味が魅力です。
モッツァレラチーズとトマトをカプレーゼにして一緒に楽しむと、ついついグラスが進んでしまいます。オリーブオイルをたっぷりかけて合わせてみてください。

【ウォッシュチーズ】ベルクール ピノ・ノワール 2022

【ウォッシュチーズ】ベルクール ピノ・ノワール 2022

チーズの表面を包む塩味と、クリーミーな中身が特徴のウォッシュチーズには、果実味豊かな赤ワインがマッチします。成熟した赤いイチゴのフルーティさに、なめらかな口当たりが心地よいピノ・ノワールと合わせてみてください。
1,000円台というコストパフォーマンスのよさにも注目の一本です。

【シェーブルチーズ】ノゼ サンセール・ブラン 2022

【シェーブルチーズ】ノゼ サンセール・ブラン 2022

すっきりとした味わいに、酸味がしっかり感じられる白ワインは、シェーブルチーズの独特な風味によく合います。
青りんごを思わせる新鮮な香りに、さりげないハーブのアクセントが特徴で、グレープフルーツやジューシーな白桃の味が広がり、上質な酸味が後味を引き締めます。シェーブルの酸味を引き立たせる味わいを楽しんでください。

【ハード・セミハードチーズ】ベティッグ ヴィーノ・デ・リージョン ピノ・ノワール 2023

【ハード・セミハードチーズ】ベティッグ ヴィーノ・デ・リージョン ピノ・ノワール 2023

ハード・セミハードチーズのなかでも、熟成期間の長く旨みの強いタイプには、赤ワインがおすすめです。質の高いデイリーワインとして愛好家に親しまれているミディアムな味わいのワインです。
クリアな果実感と適度な酸味が、価格以上の質の高さを演出しているコスパの高い一本。

【白カビチーズ】ラリュー クレマン・ド・ブルゴーニュ NV

【白カビチーズ】ラリュー クレマン・ド・ブルゴーニュ NV

カマンベールのような白カビチーズと相性抜群の、シャルドネを用いたスパークリングワイン。白カビチーズのクリーミーな食感に、繊細な泡と爽やかな果実味が合わさります。 きめが細かく繊細な泡が長続きするため、チーズを楽しみながらゆっくりと味わえるのもうれしいポイントです。

【青カビチーズ】ミュンツェンリーダー ノイジードラーゼー トロッケンベーレンアウスレーゼ 2021(ハーフ)

【青カビチーズ】ミュンツェンリーダー ノイジードラーゼー トロッケンベーレンアウスレーゼ 2021(ハーフ)

塩気の強い青カビチーズにハチミツをかけると、甘口のワインとの相性が抜群に良いです。まるで蜜のような濃厚な甘みは、風味の強い青カビチーズと合わせることで、互いのよさを引き立て合います。 ハーフボトルなので、チーズと一緒に少量を楽しみたい方にもぴったりのワインです。

まとめ

ナチュラルチーズは、その自然な製法と豊かな風味から、多くの人々に愛されています。本記事ではナチュラルチーズの特徴や種類、プロセスチーズとの違いについて詳しく解説しました。さらに種類ごとのおすすめワインも紹介していますので、ぜひチーズとワインのペアリングを楽しんでみてください。
さらにナチュラルチーズに合うワインを探したい方は、THE CELLAR online storeを参考にしてください。

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吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。

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