造り手のホンネに迫る。

THE CELLAR ワイン特集
フリードリッヒ・ベッカー - “雑草にだって役割がある”

フリードリッヒ・ベッカー - “雑草にだって役割がある”

ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 “雑草にだって役割がある” 自然と共に歩むワイン哲学が、ファルツの未来を醸す。 2024.08.01 --- writer Ito web サイト https://friedrichbecker.de/ 目次 ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 フリードリッヒ・ベッカーの歴史に学ぶ、粘り強さとは 畑と醸造の特徴|「無理をしない勇気、させない美学」 今夜はベッカーで乾杯!|ワインの楽しさを引き出すヒント まとめ|ファルツの未来とフリードリッヒ・ベッカーの影響力 ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 1. ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 ファルツ地方は、ドイツワイン好きにとって見逃せないエリアである。その理由は、地理的な特性や豊かな自然環境、そして長い歴史に根ざしたワイン文化にありそうだ。その魅力を3つのキーワードに絞って紐解いてみよう。 地理と気候:ヴォージュ山脈の麓、土の匂いと戦争の記憶が交わる場所 ▲ ベッカーさんの畑はボージュ山脈の麓に位置する ▲ ベッカー家の方が、マジノ線(独: Maginot-Linie)という場所に連れて行ってくださった。場所は国境を越えてお隣フランスへ。そこは国境を中心に構築されたフランスの対ドイツ要塞線。 歴史はワインとともに。ファルツ地方のシュヴァインゲンにあるベッカー家の畑、その70%はフランスの領土に広がっている。歴史的にはドイツとフランスの国境が度々変わり、戦争の影響を受けてきた。その名残を感じながら、ワインがどのように発展してきたかを感じ取れる土地だ。 ファルツ地方の気候は、ドイツ西部に位置する緑豊かな地域で、ヴォージュ山脈の雨陰効果は比較的温暖で乾燥した気候となり、ブドウに最適な育成条件を提供している。またドイツでも特に日照時間が長いこの地域では、リースリングをはじめとするブドウが最適な条件で育つ。ネガティブな要素は1つも見当たらない。 土壌:雑草も味方にする、ベッカー家の哲学 ▲...

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フリードリッヒ・ベッカー - “雑草にだって役割がある”

ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 “雑草にだって役割がある” 自然と共に歩むワイン哲学が、ファルツの未来を醸す。 2024.08.01 --- writer Ito web サイト https://friedrichbecker.de/ 目次 ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 フリードリッヒ・ベッカーの歴史に学ぶ、粘り強さとは 畑と醸造の特徴|「無理をしない勇気、させない美学」 今夜はベッカーで乾杯!|ワインの楽しさを引き出すヒント まとめ|ファルツの未来とフリードリッヒ・ベッカーの影響力 ドイツの小さな村、ファルツ地方に足を踏み入れた瞬間、時間がゆっくりと流れる温かな空気を感じた。ファルツはドイツ西部、フランス・アルザスとの国境沿いに位置する、ドイツ屈指のワイン産地。今回はこの魅力あふれるファルツ地方を訪れ、その魅力を探りに来た。場所はフリードリッヒ・ベッカーのワイナリー。ワイン文化とそこで生まれるワインたちの魅力、そしてファルツでの滞在を通じて感じた、ワインと共に過ごす豊かな暮らしのヒントをお届けしよう。 1. ファルツの特徴|ドイツが誇るワイン産地の秘密 ファルツ地方は、ドイツワイン好きにとって見逃せないエリアである。その理由は、地理的な特性や豊かな自然環境、そして長い歴史に根ざしたワイン文化にありそうだ。その魅力を3つのキーワードに絞って紐解いてみよう。 地理と気候:ヴォージュ山脈の麓、土の匂いと戦争の記憶が交わる場所 ▲ ベッカーさんの畑はボージュ山脈の麓に位置する ▲ ベッカー家の方が、マジノ線(独: Maginot-Linie)という場所に連れて行ってくださった。場所は国境を越えてお隣フランスへ。そこは国境を中心に構築されたフランスの対ドイツ要塞線。 歴史はワインとともに。ファルツ地方のシュヴァインゲンにあるベッカー家の畑、その70%はフランスの領土に広がっている。歴史的にはドイツとフランスの国境が度々変わり、戦争の影響を受けてきた。その名残を感じながら、ワインがどのように発展してきたかを感じ取れる土地だ。 ファルツ地方の気候は、ドイツ西部に位置する緑豊かな地域で、ヴォージュ山脈の雨陰効果は比較的温暖で乾燥した気候となり、ブドウに最適な育成条件を提供している。またドイツでも特に日照時間が長いこの地域では、リースリングをはじめとするブドウが最適な条件で育つ。ネガティブな要素は1つも見当たらない。 土壌:雑草も味方にする、ベッカー家の哲学 ▲...

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ドメーヌ・デュガ・ピィ - ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、それはまた私たちドメーヌ・デュガ・ピィのシンボル

ドメーヌ・デュガ・ピィ - ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、そ...

コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。グラン・クリュはシャンベルタン他、 ▲ 案内人:ロイック・デュガ 氏 「ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、それはまた私たちドメーヌ・デュガ・ピィのシンボルです。」ロイック・デュガ氏 2024.06.21 --- writer Kasahara web サイト http://www.dugat-py.com/ 目次 ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 マゾワイエールに自信有り! 赤の名手が造る極小量の白ワイン 1. ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。 グラン・クリュはシャンベルタン他、これまたニュイ最多となる9つのグラン・クリュを誇り、プルミエ・クリュもカズティエ、コンブ・オー・モワンヌなど人気畑が名を連ねる。ワインの味わいは土っぽく、硬いタンニンが特徴と言われており、重厚なワインが好きな方が特に好まれるアペラシオンだろう。 さてデュガ・ピィはそんなジュヴレ・シャンベルタン村の中でも長い歴史を持つ名家で、今回案内役をしてくれた現当主ロイック・デュガ氏はなんと13代目だそうだ。 2. ワイナリーの歴史 デュガ家は17世紀初頭からジュヴレ・シャンベルタンのアペラシオンでワイン造りを行ってきたまさに長い歴史を持った名門ドメーヌ。父ベルナール・デュガ氏は12代目にあたり1975年に初めてドメーヌで醸造行った。その後1979年にジョセリーヌと結婚。1994年から旧姓であるPyをデュガに加えた、現在のドメーヌの名称となる「デュガ・ピィ」とする。他にも同じ名称のデュガという名前は沢山居る為、分かるように母方の性を付けて、デュガ・ピィとしたそう。1997年から今回案内をしてくれた13代目となるロイック・デュガは父ベルナールとドメーヌで長い間仕事をしてきた。 「代々仕事を受け継いでいく事は非常に大事なので、長く父と一緒に仕事をしてきた訳です。いわば非常に長い研修みたいなものですね。」 と話すロイック氏の言葉は、まさにドメーヌの長い歴史の重みを感じるには十分なものだった。 「ヴィニュロンの仕事は農業(栽培)学、そしてワイナリー内での醸造学、熟成についての知識・経験、それに加えてドメーヌの経営学も必要で、このように異なる3つの仕事が一緒になっています。」...

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ドメーヌ・デュガ・ピィ - ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、そ...

コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。グラン・クリュはシャンベルタン他、 ▲ 案内人:ロイック・デュガ 氏 「ドメーヌの強みはほぼ全ての畑がヴィエイユ・ヴィーニュという事で、それはまた私たちドメーヌ・デュガ・ピィのシンボルです。」ロイック・デュガ氏 2024.06.21 --- writer Kasahara web サイト http://www.dugat-py.com/ 目次 ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 マゾワイエールに自信有り! 赤の名手が造る極小量の白ワイン 1. ジュヴレ・シャンベルタン村の概要 コート・ド・ニュイのアペラシオンの中でもヴォーヌ・ロマネと双璧の人気も持つ、ジュヴレ・シャンベルタン。人気もさる事ながら、畑の総面積でもコート・ド・ニュイにある村の中でも最大級、全部で約500ヘクタール以上ある。約70%がヴィラージュ、残りの30%がグラン・クリュとプルミエ・クリュという構成だ。 グラン・クリュはシャンベルタン他、これまたニュイ最多となる9つのグラン・クリュを誇り、プルミエ・クリュもカズティエ、コンブ・オー・モワンヌなど人気畑が名を連ねる。ワインの味わいは土っぽく、硬いタンニンが特徴と言われており、重厚なワインが好きな方が特に好まれるアペラシオンだろう。 さてデュガ・ピィはそんなジュヴレ・シャンベルタン村の中でも長い歴史を持つ名家で、今回案内役をしてくれた現当主ロイック・デュガ氏はなんと13代目だそうだ。 2. ワイナリーの歴史 デュガ家は17世紀初頭からジュヴレ・シャンベルタンのアペラシオンでワイン造りを行ってきたまさに長い歴史を持った名門ドメーヌ。父ベルナール・デュガ氏は12代目にあたり1975年に初めてドメーヌで醸造行った。その後1979年にジョセリーヌと結婚。1994年から旧姓であるPyをデュガに加えた、現在のドメーヌの名称となる「デュガ・ピィ」とする。他にも同じ名称のデュガという名前は沢山居る為、分かるように母方の性を付けて、デュガ・ピィとしたそう。1997年から今回案内をしてくれた13代目となるロイック・デュガは父ベルナールとドメーヌで長い間仕事をしてきた。 「代々仕事を受け継いでいく事は非常に大事なので、長く父と一緒に仕事をしてきた訳です。いわば非常に長い研修みたいなものですね。」 と話すロイック氏の言葉は、まさにドメーヌの長い歴史の重みを感じるには十分なものだった。 「ヴィニュロンの仕事は農業(栽培)学、そしてワイナリー内での醸造学、熟成についての知識・経験、それに加えてドメーヌの経営学も必要で、このように異なる3つの仕事が一緒になっています。」...

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ドメーヌ・ルフレーヴ  - トップ・ドメーヌの名声と功績を引継ぎ、 更なる変革と発展をもたらす

ドメーヌ・ルフレーヴ - トップ・ドメーヌの名声と功績を引継ぎ、 更なる変革と発展をもたらす

ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 ▲ 案内人:ブリス・ド・モランディエール 氏 トップ・ドメーヌの名声と功績をアンヌ・クロード女史から引継ぎ、更なる変革と発展をドメーヌにもたらすブリス・ド・モランディエール氏 2024.06.19 --- writer Kasahara web サイト https://www.leflaive.fr/en_US/ 目次 ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 モランディエール氏のお勧め ルフレーヴの “ マコン ” 1. ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 隣接するシャサーニュ・モンラッシェにまたがる、ル・モンラッシェとバタール・モンラッシェ、そして残りの2つはこの村のみにあるシュヴァリエ・モンラッシェとビアンヴニュ・バタール・モンラッシェがある。この村から生み出される白ワインの味わいは、張り詰めたような果実味で、力強いが、繊細でミネラル感が強いなどの特徴がある。 そして今回ご紹介するドメーヌ・ルフレーヴはこの村に存在する全てのグラン・クリュを所有しているまさにピュリニー・モンラッシェ村を代表する最も偉大な生産者の1人である事は間違いない。 2. ワイナリーの歴史 ▲ あくまでブルゴーニュにある一軒家風の建物...

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ドメーヌ・ルフレーヴ - トップ・ドメーヌの名声と功績を引継ぎ、 更なる変革と発展をもたらす

ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 ▲ 案内人:ブリス・ド・モランディエール 氏 トップ・ドメーヌの名声と功績をアンヌ・クロード女史から引継ぎ、更なる変革と発展をドメーヌにもたらすブリス・ド・モランディエール氏 2024.06.19 --- writer Kasahara web サイト https://www.leflaive.fr/en_US/ 目次 ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 モランディエール氏のお勧め ルフレーヴの “ マコン ” 1. ピュリニー・モンラッシェ村の概要 ドメーヌ・ルフレーヴの本拠地である、ピュリニー・モンラッシェ村。まずはこの村の概要から紐解いていくと、全体で約245ヘクタールある畑のうち、99.5%が白ワインの畑で、間違いなく世界的に超有名な白ワインの銘醸地だ。またその約半分がプルミエ・クリュ、グラン・クリュの畑となっており、「超有名な白ワインの銘醸地」だけではなく、「<最>高級白ワイン」を生み出すエリアでもある。グラン・クリュだけで約30ヘクタールあるが、グラン・クリュが4つあり誰もが羨む畑ばかり。 隣接するシャサーニュ・モンラッシェにまたがる、ル・モンラッシェとバタール・モンラッシェ、そして残りの2つはこの村のみにあるシュヴァリエ・モンラッシェとビアンヴニュ・バタール・モンラッシェがある。この村から生み出される白ワインの味わいは、張り詰めたような果実味で、力強いが、繊細でミネラル感が強いなどの特徴がある。 そして今回ご紹介するドメーヌ・ルフレーヴはこの村に存在する全てのグラン・クリュを所有しているまさにピュリニー・モンラッシェ村を代表する最も偉大な生産者の1人である事は間違いない。 2. ワイナリーの歴史 ▲ あくまでブルゴーニュにある一軒家風の建物...

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ドメーヌ プリューレ・ロック - テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワールの美しさを引き出す為の伴奏者でしかない

ドメーヌ プリューレ・ロック - テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワ...

恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ▲ 案内人:アントニオ・クァリ氏 「テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワールの美しさを引き出す為の伴奏者でしかない」アントニオ・クァリ氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://domaine-prieure-roch.com/ 目次 ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 新しいポートフォリオ「クロ・デ・ヴァロワル」 星付きを狙う、「Premnord」をチェック 1. ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ヴォーヌ・ロマネに接する村北側と、中央に村があり、南側に広がるのがプリューレ・ロックの本拠地となるプレモー・プリセ地区と、南北に長い。その為ワインの味わいについてもニュイ・サン・ジョルジュの南側なのか、北側なのか、で特徴が変わる為、大抵ワインの味わいを話す際には畑の区画がどこなのか、という所からスタートするのが通例だ。 一般的なイメージで言うと堅牢なタンニンと黒系の果実味、重厚な味わいで、これまた好き嫌いの分かれるエリアでもある。 2. ワイナリーの歴史 1988年、皆さまもご存じの元DRC共同経営者であるアンリ・フレデリック・ロックが創設したドメーヌ。ロック氏はドメーヌ・ルロワを運営するラルー・ビーズ・ルロワ女史の姉であるポリーヌ氏が母にあたる。コンティ公の為に建てられたシャトーの敷地内にある畑、クロ・ゴワイヨットを取得、その他の畑を含めてわずか2ヘクタールからのスタートだった。その後畑の取得を繰り返す間に、2003年にヤニック・シャン氏がドメーヌのチームに加わり、2010年からドメーヌ・プリューレ・ロックの共同経営者として運営に携わっている。今回対応をしてくれたアントニオ氏も同年からドメーヌで仕事をスタートし、現在では醸造責任者を務めている。残念な事にアンリ・フレデリック・ロック氏は2018年冬に病気で逝去したが、その後は共同経営者であるヤニック氏がドメーヌを引き継ぎ、栽培から醸造、ドメーヌの運営にあたっている。 ▲ 2013年から10年かけて作ったという新社屋、2階は直営のレストランとなっている。 ▲ 今回案内をしてくれた醸造責任者のアントニオ氏...

造り手のホンネに迫る。

ドメーヌ プリューレ・ロック - テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワ...

恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ▲ 案内人:アントニオ・クァリ氏 「テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワールの美しさを引き出す為の伴奏者でしかない」アントニオ・クァリ氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://domaine-prieure-roch.com/ 目次 ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 新しいポートフォリオ「クロ・デ・ヴァロワル」 星付きを狙う、「Premnord」をチェック 1. ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ヴォーヌ・ロマネに接する村北側と、中央に村があり、南側に広がるのがプリューレ・ロックの本拠地となるプレモー・プリセ地区と、南北に長い。その為ワインの味わいについてもニュイ・サン・ジョルジュの南側なのか、北側なのか、で特徴が変わる為、大抵ワインの味わいを話す際には畑の区画がどこなのか、という所からスタートするのが通例だ。 一般的なイメージで言うと堅牢なタンニンと黒系の果実味、重厚な味わいで、これまた好き嫌いの分かれるエリアでもある。 2. ワイナリーの歴史 1988年、皆さまもご存じの元DRC共同経営者であるアンリ・フレデリック・ロックが創設したドメーヌ。ロック氏はドメーヌ・ルロワを運営するラルー・ビーズ・ルロワ女史の姉であるポリーヌ氏が母にあたる。コンティ公の為に建てられたシャトーの敷地内にある畑、クロ・ゴワイヨットを取得、その他の畑を含めてわずか2ヘクタールからのスタートだった。その後畑の取得を繰り返す間に、2003年にヤニック・シャン氏がドメーヌのチームに加わり、2010年からドメーヌ・プリューレ・ロックの共同経営者として運営に携わっている。今回対応をしてくれたアントニオ氏も同年からドメーヌで仕事をスタートし、現在では醸造責任者を務めている。残念な事にアンリ・フレデリック・ロック氏は2018年冬に病気で逝去したが、その後は共同経営者であるヤニック氏がドメーヌを引き継ぎ、栽培から醸造、ドメーヌの運営にあたっている。 ▲ 2013年から10年かけて作ったという新社屋、2階は直営のレストランとなっている。 ▲ 今回案内をしてくれた醸造責任者のアントニオ氏...

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ドメーヌ・デュジャック - 私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。

ドメーヌ・デュジャック - 私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。

モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 ▲ 案内人:アレック・セイス氏 「私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。あとはベストなタイミングでベストな決定を下す事が重要だ。」アレック・セイス氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト http://www.dujac.com 目次 モレ・サン・ドニ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 解き明かせ、オー・コンボットの謎 1. モレ・サン・ドニ村の概要 モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。 コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 グラン・クリュとプルミエ・クリュの畑は全体の約60%にあたり、この数字自体はヴォーヌ・ロマネを凌ぐ。グラン・クリュは全部で5つあり、これだけで約40ヘクタールもある。 この村のワインの味わいの特徴は、一般的にスパイシーな香りとしっかりとした骨格と果実味を持ったワインになる。 先ほどはイマイチ人気が無いと触れましたが、(この村の)イメージとは異なり、日本でも人気のある生産者が多く本拠地としている村で、ペロ・ミノ、ポンソ、ロベール・グロフィエ…、と枚挙にいとまがない。中でもドメーヌ・デュジャックは間違いなく同村の中の生産者でもピカイチの人気生産者。ではコート・ド・ボーヌにも畑を所有しており、赤・白ともにその品質と実力を広く認められている。 2. ワイナリーの歴史 先代ジャック・セイスは、家族経営のビスケット製造会社で数年働いた後、1968年、モレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを購入し、ドメーヌ・デュジャックと改名した(ジャックが所有するエステートを意味する彼のファーストネームのダジャレだそう)。 2005年にはヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収。これにより、所有するグラン・クリュは全部で7つと増えて、コート・ド・ニュイのモレ・サン・ドニ以外の村の畑も取得し、この時点で15.5ヘクタールを所有。 セイスの息子で長男のジェレミーが1998年からドメーヌの運営に加わる。そのすぐ後となる2000年から父ジャック・セイスのサポートの元、ネゴシアンビジネスを開始。「デュジャック・フィス・エ・ペール」がリリースされる事となる。 その後2001年にはジェレミーの妻、ダイアナが、2003年には今回ドメーヌを案内してくれたアレック・セイスが参画。ドメーヌはコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの両方でワインを生産している。...

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ドメーヌ・デュジャック - 私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。

モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 ▲ 案内人:アレック・セイス氏 「私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。あとはベストなタイミングでベストな決定を下す事が重要だ。」アレック・セイス氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト http://www.dujac.com 目次 モレ・サン・ドニ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 解き明かせ、オー・コンボットの謎 1. モレ・サン・ドニ村の概要 モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。 コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 グラン・クリュとプルミエ・クリュの畑は全体の約60%にあたり、この数字自体はヴォーヌ・ロマネを凌ぐ。グラン・クリュは全部で5つあり、これだけで約40ヘクタールもある。 この村のワインの味わいの特徴は、一般的にスパイシーな香りとしっかりとした骨格と果実味を持ったワインになる。 先ほどはイマイチ人気が無いと触れましたが、(この村の)イメージとは異なり、日本でも人気のある生産者が多く本拠地としている村で、ペロ・ミノ、ポンソ、ロベール・グロフィエ…、と枚挙にいとまがない。中でもドメーヌ・デュジャックは間違いなく同村の中の生産者でもピカイチの人気生産者。ではコート・ド・ボーヌにも畑を所有しており、赤・白ともにその品質と実力を広く認められている。 2. ワイナリーの歴史 先代ジャック・セイスは、家族経営のビスケット製造会社で数年働いた後、1968年、モレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを購入し、ドメーヌ・デュジャックと改名した(ジャックが所有するエステートを意味する彼のファーストネームのダジャレだそう)。 2005年にはヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収。これにより、所有するグラン・クリュは全部で7つと増えて、コート・ド・ニュイのモレ・サン・ドニ以外の村の畑も取得し、この時点で15.5ヘクタールを所有。 セイスの息子で長男のジェレミーが1998年からドメーヌの運営に加わる。そのすぐ後となる2000年から父ジャック・セイスのサポートの元、ネゴシアンビジネスを開始。「デュジャック・フィス・エ・ペール」がリリースされる事となる。 その後2001年にはジェレミーの妻、ダイアナが、2003年には今回ドメーヌを案内してくれたアレック・セイスが参画。ドメーヌはコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの両方でワインを生産している。...

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ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール - しなやかで、凛とした力強さを持った味わい

ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール - しなやかで、凛とした力強さを持った味わい

今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 ▲ 案内人:マリー・アンドレ・ミュニュレ女史 しなやかで、凛とした力強さを持った味わいヴォーヌ・ロマネの名門を支える家族のチームワーク 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://www.mugneret-gibourg.com/ 目次 ヴォーヌ・ロマネ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年ヴィンテージのテイスティング ラ・メゾン・ド・ジャクリーヌ(ドメーヌ直営のオーベルジュ!) 1. ヴォーヌ・ロマネ村の概要 今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 著名な生産者を挙げていくにも、これまた有名かつ歴史のあるドメーヌばかりと、人気が高いのも至極当然といえるだろう。ワインの味わいについては一般的に香りが華やかで、味わいは繊細と、これまた日本人が好みのタイプ。有名畑×著名生産者×エレガントな味わい、と3拍子そろったこの村はやはりマーケティング上も非常に引きが強いわけで、価格については他のコート・ド・ニュイのどのアペラシオンよりも一般的に高い。 さてそうした中でもこのドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブールはヴォーヌ・ロマネ村でも名門一族。ミュニュレという名称が他でもよく見聞きするのは、このヴォーヌ・ロマネ村で多くいる名前だから。 2. ワイナリーの歴史 ▲ ドメーヌ入り口 ▲...

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ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール - しなやかで、凛とした力強さを持った味わい

今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 ▲ 案内人:マリー・アンドレ・ミュニュレ女史 しなやかで、凛とした力強さを持った味わいヴォーヌ・ロマネの名門を支える家族のチームワーク 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://www.mugneret-gibourg.com/ 目次 ヴォーヌ・ロマネ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年ヴィンテージのテイスティング ラ・メゾン・ド・ジャクリーヌ(ドメーヌ直営のオーベルジュ!) 1. ヴォーヌ・ロマネ村の概要 今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 著名な生産者を挙げていくにも、これまた有名かつ歴史のあるドメーヌばかりと、人気が高いのも至極当然といえるだろう。ワインの味わいについては一般的に香りが華やかで、味わいは繊細と、これまた日本人が好みのタイプ。有名畑×著名生産者×エレガントな味わい、と3拍子そろったこの村はやはりマーケティング上も非常に引きが強いわけで、価格については他のコート・ド・ニュイのどのアペラシオンよりも一般的に高い。 さてそうした中でもこのドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブールはヴォーヌ・ロマネ村でも名門一族。ミュニュレという名称が他でもよく見聞きするのは、このヴォーヌ・ロマネ村で多くいる名前だから。 2. ワイナリーの歴史 ▲ ドメーヌ入り口 ▲...

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