造り手のホンネに迫る。
THE CELLAR ワイン特集ドメーヌ プリューレ・ロック - テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワ...
恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ▲ 案内人:アントニオ・クァリ氏 「テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワールの美しさを引き出す為の伴奏者でしかない」アントニオ・クァリ氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://domaine-prieure-roch.com/ 目次 ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 新しいポートフォリオ「クロ・デ・ヴァロワル」 星付きを狙う、「Premnord」をチェック 1. ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ヴォーヌ・ロマネに接する村北側と、中央に村があり、南側に広がるのがプリューレ・ロックの本拠地となるプレモー・プリセ地区と、南北に長い。その為ワインの味わいについてもニュイ・サン・ジョルジュの南側なのか、北側なのか、で特徴が変わる為、大抵ワインの味わいを話す際には畑の区画がどこなのか、という所からスタートするのが通例だ。 一般的なイメージで言うと堅牢なタンニンと黒系の果実味、重厚な味わいで、これまた好き嫌いの分かれるエリアでもある。 2. ワイナリーの歴史 1988年、皆さまもご存じの元DRC共同経営者であるアンリ・フレデリック・ロックが創設したドメーヌ。ロック氏はドメーヌ・ルロワを運営するラルー・ビーズ・ルロワ女史の姉であるポリーヌ氏が母にあたる。コンティ公の為に建てられたシャトーの敷地内にある畑、クロ・ゴワイヨットを取得、その他の畑を含めてわずか2ヘクタールからのスタートだった。その後畑の取得を繰り返す間に、2003年にヤニック・シャン氏がドメーヌのチームに加わり、2010年からドメーヌ・プリューレ・ロックの共同経営者として運営に携わっている。今回対応をしてくれたアントニオ氏も同年からドメーヌで仕事をスタートし、現在では醸造責任者を務めている。残念な事にアンリ・フレデリック・ロック氏は2018年冬に病気で逝去したが、その後は共同経営者であるヤニック氏がドメーヌを引き継ぎ、栽培から醸造、ドメーヌの運営にあたっている。 ▲ 2013年から10年かけて作ったという新社屋、2階は直営のレストランとなっている。 ▲ 今回案内をしてくれた醸造責任者のアントニオ氏...
ドメーヌ プリューレ・ロック - テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワ...
恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ▲ 案内人:アントニオ・クァリ氏 「テロワールを最大限に引き出してワインを造る事、私たちはテロワールの美しさを引き出す為の伴奏者でしかない」アントニオ・クァリ氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://domaine-prieure-roch.com/ 目次 ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 新しいポートフォリオ「クロ・デ・ヴァロワル」 星付きを狙う、「Premnord」をチェック 1. ニュイ・サン・ジョルジュ村の概要 恐らく村の規模(人口)からいうとコート・ド・ニュイで一番大きいのではないだろうか。さてそのニュイ・サン・ジョルジュ村の畑は、他のニュイのアペラシオン同様、赤の畑がほとんどだ。全体では約310ヘクタールあるが、そのうち約97%にあたる約300ヘクタールが赤ワインの畑だ。ほぼ毎年話題になっている、グラン・クリュへの昇格についての話題に付随する話だが、現状はグラン・クリュが無いアペラシオンとなっている。ただしプルミエ・クリュの数は約40近くあり、これはどこよりも多い。 ヴォーヌ・ロマネに接する村北側と、中央に村があり、南側に広がるのがプリューレ・ロックの本拠地となるプレモー・プリセ地区と、南北に長い。その為ワインの味わいについてもニュイ・サン・ジョルジュの南側なのか、北側なのか、で特徴が変わる為、大抵ワインの味わいを話す際には畑の区画がどこなのか、という所からスタートするのが通例だ。 一般的なイメージで言うと堅牢なタンニンと黒系の果実味、重厚な味わいで、これまた好き嫌いの分かれるエリアでもある。 2. ワイナリーの歴史 1988年、皆さまもご存じの元DRC共同経営者であるアンリ・フレデリック・ロックが創設したドメーヌ。ロック氏はドメーヌ・ルロワを運営するラルー・ビーズ・ルロワ女史の姉であるポリーヌ氏が母にあたる。コンティ公の為に建てられたシャトーの敷地内にある畑、クロ・ゴワイヨットを取得、その他の畑を含めてわずか2ヘクタールからのスタートだった。その後畑の取得を繰り返す間に、2003年にヤニック・シャン氏がドメーヌのチームに加わり、2010年からドメーヌ・プリューレ・ロックの共同経営者として運営に携わっている。今回対応をしてくれたアントニオ氏も同年からドメーヌで仕事をスタートし、現在では醸造責任者を務めている。残念な事にアンリ・フレデリック・ロック氏は2018年冬に病気で逝去したが、その後は共同経営者であるヤニック氏がドメーヌを引き継ぎ、栽培から醸造、ドメーヌの運営にあたっている。 ▲ 2013年から10年かけて作ったという新社屋、2階は直営のレストランとなっている。 ▲ 今回案内をしてくれた醸造責任者のアントニオ氏...
ドメーヌ・デュジャック - 私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。
モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 ▲ 案内人:アレック・セイス氏 「私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。あとはベストなタイミングでベストな決定を下す事が重要だ。」アレック・セイス氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト http://www.dujac.com 目次 モレ・サン・ドニ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 解き明かせ、オー・コンボットの謎 1. モレ・サン・ドニ村の概要 モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。 コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 グラン・クリュとプルミエ・クリュの畑は全体の約60%にあたり、この数字自体はヴォーヌ・ロマネを凌ぐ。グラン・クリュは全部で5つあり、これだけで約40ヘクタールもある。 この村のワインの味わいの特徴は、一般的にスパイシーな香りとしっかりとした骨格と果実味を持ったワインになる。 先ほどはイマイチ人気が無いと触れましたが、(この村の)イメージとは異なり、日本でも人気のある生産者が多く本拠地としている村で、ペロ・ミノ、ポンソ、ロベール・グロフィエ…、と枚挙にいとまがない。中でもドメーヌ・デュジャックは間違いなく同村の中の生産者でもピカイチの人気生産者。ではコート・ド・ボーヌにも畑を所有しており、赤・白ともにその品質と実力を広く認められている。 2. ワイナリーの歴史 先代ジャック・セイスは、家族経営のビスケット製造会社で数年働いた後、1968年、モレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを購入し、ドメーヌ・デュジャックと改名した(ジャックが所有するエステートを意味する彼のファーストネームのダジャレだそう)。 2005年にはヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収。これにより、所有するグラン・クリュは全部で7つと増えて、コート・ド・ニュイのモレ・サン・ドニ以外の村の畑も取得し、この時点で15.5ヘクタールを所有。 セイスの息子で長男のジェレミーが1998年からドメーヌの運営に加わる。そのすぐ後となる2000年から父ジャック・セイスのサポートの元、ネゴシアンビジネスを開始。「デュジャック・フィス・エ・ペール」がリリースされる事となる。 その後2001年にはジェレミーの妻、ダイアナが、2003年には今回ドメーヌを案内してくれたアレック・セイスが参画。ドメーヌはコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの両方でワインを生産している。...
ドメーヌ・デュジャック - 私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。
モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 ▲ 案内人:アレック・セイス氏 「私たちは特別な事は何もしていないよ。ひたすら畑で作業をするだけだ。あとはベストなタイミングでベストな決定を下す事が重要だ。」アレック・セイス氏 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト http://www.dujac.com 目次 モレ・サン・ドニ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 解き明かせ、オー・コンボットの謎 1. モレ・サン・ドニ村の概要 モレ・サン・ドニ村は全部で約135ヘクタールの畑があり、そのうち白ワインの畑は4%弱しかなく、輩出されるワインのほとんどは赤ワインという事になる。 コート・ド・ニュイには日本のワイン愛好家にも人気のある、ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーそしてジュヴレ・シャンベルタンと人気且つ有名なアペラシオンが名を連ねているが、その中では特段人気が高いとは言い難い。ただしこの村の畑を見てみると、意外な事実が分かる。 グラン・クリュとプルミエ・クリュの畑は全体の約60%にあたり、この数字自体はヴォーヌ・ロマネを凌ぐ。グラン・クリュは全部で5つあり、これだけで約40ヘクタールもある。 この村のワインの味わいの特徴は、一般的にスパイシーな香りとしっかりとした骨格と果実味を持ったワインになる。 先ほどはイマイチ人気が無いと触れましたが、(この村の)イメージとは異なり、日本でも人気のある生産者が多く本拠地としている村で、ペロ・ミノ、ポンソ、ロベール・グロフィエ…、と枚挙にいとまがない。中でもドメーヌ・デュジャックは間違いなく同村の中の生産者でもピカイチの人気生産者。ではコート・ド・ボーヌにも畑を所有しており、赤・白ともにその品質と実力を広く認められている。 2. ワイナリーの歴史 先代ジャック・セイスは、家族経営のビスケット製造会社で数年働いた後、1968年、モレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを購入し、ドメーヌ・デュジャックと改名した(ジャックが所有するエステートを意味する彼のファーストネームのダジャレだそう)。 2005年にはヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収。これにより、所有するグラン・クリュは全部で7つと増えて、コート・ド・ニュイのモレ・サン・ドニ以外の村の畑も取得し、この時点で15.5ヘクタールを所有。 セイスの息子で長男のジェレミーが1998年からドメーヌの運営に加わる。そのすぐ後となる2000年から父ジャック・セイスのサポートの元、ネゴシアンビジネスを開始。「デュジャック・フィス・エ・ペール」がリリースされる事となる。 その後2001年にはジェレミーの妻、ダイアナが、2003年には今回ドメーヌを案内してくれたアレック・セイスが参画。ドメーヌはコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの両方でワインを生産している。...
ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール - しなやかで、凛とした力強さを持った味わい
今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 ▲ 案内人:マリー・アンドレ・ミュニュレ女史 しなやかで、凛とした力強さを持った味わいヴォーヌ・ロマネの名門を支える家族のチームワーク 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://www.mugneret-gibourg.com/ 目次 ヴォーヌ・ロマネ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年ヴィンテージのテイスティング ラ・メゾン・ド・ジャクリーヌ(ドメーヌ直営のオーベルジュ!) 1. ヴォーヌ・ロマネ村の概要 今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 著名な生産者を挙げていくにも、これまた有名かつ歴史のあるドメーヌばかりと、人気が高いのも至極当然といえるだろう。ワインの味わいについては一般的に香りが華やかで、味わいは繊細と、これまた日本人が好みのタイプ。有名畑×著名生産者×エレガントな味わい、と3拍子そろったこの村はやはりマーケティング上も非常に引きが強いわけで、価格については他のコート・ド・ニュイのどのアペラシオンよりも一般的に高い。 さてそうした中でもこのドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブールはヴォーヌ・ロマネ村でも名門一族。ミュニュレという名称が他でもよく見聞きするのは、このヴォーヌ・ロマネ村で多くいる名前だから。 2. ワイナリーの歴史 ▲ ドメーヌ入り口 ▲...
ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール - しなやかで、凛とした力強さを持った味わい
今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 ▲ 案内人:マリー・アンドレ・ミュニュレ女史 しなやかで、凛とした力強さを持った味わいヴォーヌ・ロマネの名門を支える家族のチームワーク 2024.06.20 --- writer Kasahara web サイト https://www.mugneret-gibourg.com/ 目次 ヴォーヌ・ロマネ村の概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年ヴィンテージのテイスティング ラ・メゾン・ド・ジャクリーヌ(ドメーヌ直営のオーベルジュ!) 1. ヴォーヌ・ロマネ村の概要 今更改めて説明する必要もないと思われますが、念のため…。 世界で引く手数多の高級赤ワインを造り出す、ヴォーヌ・ロマネ村。村全体では約180ヘクタールの畑があり、その半分強がヴィラージュ・ワインを造りだし、残りの約半分がプルミエ・クリュとグラン・クリュとなっている。グラン・クリュがブルゴーニュ及び世界中のワインの頂点に立つであろう、ロマネ・コンティを含めて6つ。プルミエ・クリュにもクロ・パラントゥーやマルコンソールなど有名な畑ばかりがずらりと並ぶ。 著名な生産者を挙げていくにも、これまた有名かつ歴史のあるドメーヌばかりと、人気が高いのも至極当然といえるだろう。ワインの味わいについては一般的に香りが華やかで、味わいは繊細と、これまた日本人が好みのタイプ。有名畑×著名生産者×エレガントな味わい、と3拍子そろったこの村はやはりマーケティング上も非常に引きが強いわけで、価格については他のコート・ド・ニュイのどのアペラシオンよりも一般的に高い。 さてそうした中でもこのドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブールはヴォーヌ・ロマネ村でも名門一族。ミュニュレという名称が他でもよく見聞きするのは、このヴォーヌ・ロマネ村で多くいる名前だから。 2. ワイナリーの歴史 ▲ ドメーヌ入り口 ▲...
チェレット - アルバを熟知するファミリーが造る味わい
イタリア北西部に位置するピエモンテ州にあるアルバ。白トリュフを始めとする美食の街として有名であると同時に、街の西側に「ワインの王」や「王のワイン」と称されるバローロが、東側には「ワインの女王」や「バローロの弟分」と称されるバルバレスコがあるなど、ワインの銘醸地として名を馳せる場所でもある。 アルバのテロワールを知り尽くすファミリーだからこそ可能な最上のワイン。そして今はワインを越えてアルバ文化全体の継承者となりつつある… 2024.02.15 --- writer Yamamoto web サイト https://www.ceretto.com/ 目次 ピエモンテの特徴 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 ワインだけじゃない! 1. ピエモンテの特徴 イタリア北西部に位置するピエモンテ州にあるアルバ。白トリュフを始めとする美食の街として有名であると同時に、街の西側に「ワインの王」や「王のワイン」と称されるバローロが、東側には「ワインの女王」や「バローロの弟分」と称されるバルバレスコがあるなど、ワインの銘醸地として名を馳せる場所でもある。 ▲ 石畳が映える夜の旧市街。どこを切り取っても美しい。 ▲ 運よく、白トリュフが解禁となったタイミングでアルバを訪問。白トリュフで飾られたショーウィンドウも美しい。 ピエモンテ州は、「山の足(麓)」という意味の名が示す通り、北側と西側をアルプス山脈に、南東側をアペニン山脈に囲まれている。東側はパダーノ平野で開けているが、平地が少ない山岳地帯だ。尚、ワイン用のブドウは、主に丘陵地帯で栽培されている。北側にアルプス山脈があることで、冷たい北風から守られてはいるが、イタリアの中では涼しい地域で、夏は暑く冬は寒い大陸性気候。アルプス山脈はきれいな雪解け水をもたらし、イタリアの中では水に恵まれた産地でもある。 ▲ もちろん、日中の街並みも美しい。現代的なアートが古い街並みに溶け込んでいる。 2. ワイナリーの歴史 今回お話を伺ったのは、チェレットの3世代目の一人であるフェデリコ氏。 ▲ 言葉に小気味いいリズムとアクセントがあって、オペラを聴いているような錯覚に陥る。コロコロ変わる豊かな表情に、体全体を使う大きなジェスチャー。話が止まらない(笑)。チャーミングでユーモアのセンスも秀逸。服もオシャレ。あ~、イタリアに来たな~と思わせてくれる方だ。...
チェレット - アルバを熟知するファミリーが造る味わい
イタリア北西部に位置するピエモンテ州にあるアルバ。白トリュフを始めとする美食の街として有名であると同時に、街の西側に「ワインの王」や「王のワイン」と称されるバローロが、東側には「ワインの女王」や「バローロの弟分」と称されるバルバレスコがあるなど、ワインの銘醸地として名を馳せる場所でもある。 アルバのテロワールを知り尽くすファミリーだからこそ可能な最上のワイン。そして今はワインを越えてアルバ文化全体の継承者となりつつある… 2024.02.15 --- writer Yamamoto web サイト https://www.ceretto.com/ 目次 ピエモンテの特徴 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 ワインだけじゃない! 1. ピエモンテの特徴 イタリア北西部に位置するピエモンテ州にあるアルバ。白トリュフを始めとする美食の街として有名であると同時に、街の西側に「ワインの王」や「王のワイン」と称されるバローロが、東側には「ワインの女王」や「バローロの弟分」と称されるバルバレスコがあるなど、ワインの銘醸地として名を馳せる場所でもある。 ▲ 石畳が映える夜の旧市街。どこを切り取っても美しい。 ▲ 運よく、白トリュフが解禁となったタイミングでアルバを訪問。白トリュフで飾られたショーウィンドウも美しい。 ピエモンテ州は、「山の足(麓)」という意味の名が示す通り、北側と西側をアルプス山脈に、南東側をアペニン山脈に囲まれている。東側はパダーノ平野で開けているが、平地が少ない山岳地帯だ。尚、ワイン用のブドウは、主に丘陵地帯で栽培されている。北側にアルプス山脈があることで、冷たい北風から守られてはいるが、イタリアの中では涼しい地域で、夏は暑く冬は寒い大陸性気候。アルプス山脈はきれいな雪解け水をもたらし、イタリアの中では水に恵まれた産地でもある。 ▲ もちろん、日中の街並みも美しい。現代的なアートが古い街並みに溶け込んでいる。 2. ワイナリーの歴史 今回お話を伺ったのは、チェレットの3世代目の一人であるフェデリコ氏。 ▲ 言葉に小気味いいリズムとアクセントがあって、オペラを聴いているような錯覚に陥る。コロコロ変わる豊かな表情に、体全体を使う大きなジェスチャー。話が止まらない(笑)。チャーミングでユーモアのセンスも秀逸。服もオシャレ。あ~、イタリアに来たな~と思わせてくれる方だ。...
ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス - 圧巻の地下セラーをじっくり拝見!
1731年創業のドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス(以下、ブシャール)。コート・ドールにグラン・クリュを12ha、プルミエ・クリュを74ha、総面積130haの自社畑を所有するコート・ドール最大級のドメーヌで、その名前を聞いたことのある方も多いだろう。 圧巻の地下セラーをじっくり拝見! 2024.02.15 --- writer Yamamoto web サイト https://www.bouchard-pereetfils.com/ 目次 15世紀の要塞の地下に広がる貯蔵庫 歴史にタラレバはないが ナンバリングの妙 古いものだからこそのリコルク ぜひ見てみてほしい 1731年創業のドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス(以下、ブシャール)。コート・ドールにグラン・クリュを12ha、プルミエ・クリュを74ha、総面積130haの自社畑を所有するコート・ドール最大級のドメーヌで、その名前を聞いたことのある方も多いだろう。 ▲ ボーヌの中心街近くにあるドメーヌ。ボーヌの駅からもすぐ近くだ。 歴史や畑、醸造の特徴については、前回の記事(→こちら)に纏めてあるので、ぜひチェックして頂きたい。今回は、ブシャールExport Manager Japanの西山雅巳さんに圧巻の地下セラーをご紹介頂いたので、その様子をお届けしたい。 ▲ 博識で柔らかな口調の西山さん。ブルゴーニュ愛に溢れている。 1. 15世紀の要塞の地下に広がる貯蔵庫 ブシャールの社屋として使われているシャトーは、15世紀にルイ11世が要塞として築いたもので、1820年にブシャール家が購入したものだ。地上階は社屋として利用されているが、その地下は熟成庫として今も使われている。因みに、15世紀は日本では室町時代、足利家治世の時である。いやぁ、時代を感じる… 要塞として利用されていただけあり、城壁は5-6mと非常に厚い。また、地下10m程に位置するので、外からの影響が遮断されている。換気口はあるものの空調設備は一切なしで適温が保たれ、地下水の影響もあり、湿度も保たれ、抜群の貯蔵庫となっている。 ▲ 厚い城壁に囲まれているのが分かるだろう。 この場所に眠るワインの数は、なんと300万本!これまでの選りすぐりのワイン達だ。こちらには、毎年、生産量の1%が貯蔵される仕組みになっているそうで、その他のすぐ飲む用のワインは醸造施設の近くに貯蔵されているそうだ。...
ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス - 圧巻の地下セラーをじっくり拝見!
1731年創業のドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス(以下、ブシャール)。コート・ドールにグラン・クリュを12ha、プルミエ・クリュを74ha、総面積130haの自社畑を所有するコート・ドール最大級のドメーヌで、その名前を聞いたことのある方も多いだろう。 圧巻の地下セラーをじっくり拝見! 2024.02.15 --- writer Yamamoto web サイト https://www.bouchard-pereetfils.com/ 目次 15世紀の要塞の地下に広がる貯蔵庫 歴史にタラレバはないが ナンバリングの妙 古いものだからこそのリコルク ぜひ見てみてほしい 1731年創業のドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス(以下、ブシャール)。コート・ドールにグラン・クリュを12ha、プルミエ・クリュを74ha、総面積130haの自社畑を所有するコート・ドール最大級のドメーヌで、その名前を聞いたことのある方も多いだろう。 ▲ ボーヌの中心街近くにあるドメーヌ。ボーヌの駅からもすぐ近くだ。 歴史や畑、醸造の特徴については、前回の記事(→こちら)に纏めてあるので、ぜひチェックして頂きたい。今回は、ブシャールExport Manager Japanの西山雅巳さんに圧巻の地下セラーをご紹介頂いたので、その様子をお届けしたい。 ▲ 博識で柔らかな口調の西山さん。ブルゴーニュ愛に溢れている。 1. 15世紀の要塞の地下に広がる貯蔵庫 ブシャールの社屋として使われているシャトーは、15世紀にルイ11世が要塞として築いたもので、1820年にブシャール家が購入したものだ。地上階は社屋として利用されているが、その地下は熟成庫として今も使われている。因みに、15世紀は日本では室町時代、足利家治世の時である。いやぁ、時代を感じる… 要塞として利用されていただけあり、城壁は5-6mと非常に厚い。また、地下10m程に位置するので、外からの影響が遮断されている。換気口はあるものの空調設備は一切なしで適温が保たれ、地下水の影響もあり、湿度も保たれ、抜群の貯蔵庫となっている。 ▲ 厚い城壁に囲まれているのが分かるだろう。 この場所に眠るワインの数は、なんと300万本!これまでの選りすぐりのワイン達だ。こちらには、毎年、生産量の1%が貯蔵される仕組みになっているそうで、その他のすぐ飲む用のワインは醸造施設の近くに貯蔵されているそうだ。...
ドメーヌ・ローラン・ファヨール良質な畑と革新的な醸造所から高品質ワインを産み出す老舗のドメーヌ
ローヌ地方北部に位置するクローズ・エルミタージュ。北ローヌ地方は穏やかな大陸性気候で、冬は寒く夏は暖かい。エルミタージュの丘を囲むように広がるクローズ・エルミタージュは、南北合わせたコート・デュ・ローヌ地方全体でシャトーヌフ・デュ・パプに次ぐ2番目の広さで、北ローヌでは最大の面積を誇る。 良質な畑と革新的な醸造所から高品質ワインを産み出す老舗のドメーヌ 2024.01.30 --- writer Yamamoto web サイト https://www.fayolle-filsetfille.fr/ 目次 クローズ・エルミタージュの特徴 ドメーヌの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 ワイナリーだからこそできる、贅沢な労働飯! 1. クローズ・エルミタージュの特徴 ローヌ地方北部に位置するクローズ・エルミタージュ。北ローヌ地方は穏やかな大陸性気候で、冬は寒く夏は暖かい。エルミタージュの丘を囲むように広がるクローズ・エルミタージュは、南北合わせたコート・デュ・ローヌ地方全体でシャトーヌフ・デュ・パプに次ぐ2番目の広さで、北ローヌでは最大の面積を誇る。 1937年にAOC認定を受けたのは、クローズ・エルミタージュの北部地区で比較的急な斜面に広がる畑だ。その後、1956年に南方のより平坦な畑もAOC認定を受けることになり、現在の広大なAOCに広がっている。 ▲ シャトーヌフ・デュ・パプから陸路で北上してクローズ・エルミタージュへ。小高い山や斜面にある街並みが美しい。 2. ドメーヌの歴史 今回お邪魔したローラン・ファヨールの歴史は長く、1870年まで遡る老舗のドメーヌだ。 1959年に4代目が当時として先鋭的なドメーヌ元詰めを開始したかと思えば、5代目の時代には機械化が困難な畑を敢えて拡大することで、品質重視の姿勢を明確に。良質なテロワールを維持し、伝統を重んじる姿勢を残しつつ、常に革新へのチャレンジを恐れない精神を持ち合わせているドメーヌと言えるだろう。 ▲ 小さな街にあるドメーヌ。オレンジ色の屋根瓦も含め、ドメーヌの佇まいが素朴でほっとする。 現在、ドメーヌの舵を取るのは6代目の姉セリーヌ女史と弟ローラン氏。国家醸造資格を有するローラン氏がブドウ栽培&ワイン醸造を担当し、セリーヌ女史が営業担当を務めており、生産からマーケティングまでを一貫して行う体制を整えている。今回訪問時は主に、ローラン氏に話を伺った。 3. 畑の特徴...
ドメーヌ・ローラン・ファヨール良質な畑と革新的な醸造所から高品質ワインを産み出す老舗のドメーヌ
ローヌ地方北部に位置するクローズ・エルミタージュ。北ローヌ地方は穏やかな大陸性気候で、冬は寒く夏は暖かい。エルミタージュの丘を囲むように広がるクローズ・エルミタージュは、南北合わせたコート・デュ・ローヌ地方全体でシャトーヌフ・デュ・パプに次ぐ2番目の広さで、北ローヌでは最大の面積を誇る。 良質な畑と革新的な醸造所から高品質ワインを産み出す老舗のドメーヌ 2024.01.30 --- writer Yamamoto web サイト https://www.fayolle-filsetfille.fr/ 目次 クローズ・エルミタージュの特徴 ドメーヌの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 ワイナリーだからこそできる、贅沢な労働飯! 1. クローズ・エルミタージュの特徴 ローヌ地方北部に位置するクローズ・エルミタージュ。北ローヌ地方は穏やかな大陸性気候で、冬は寒く夏は暖かい。エルミタージュの丘を囲むように広がるクローズ・エルミタージュは、南北合わせたコート・デュ・ローヌ地方全体でシャトーヌフ・デュ・パプに次ぐ2番目の広さで、北ローヌでは最大の面積を誇る。 1937年にAOC認定を受けたのは、クローズ・エルミタージュの北部地区で比較的急な斜面に広がる畑だ。その後、1956年に南方のより平坦な畑もAOC認定を受けることになり、現在の広大なAOCに広がっている。 ▲ シャトーヌフ・デュ・パプから陸路で北上してクローズ・エルミタージュへ。小高い山や斜面にある街並みが美しい。 2. ドメーヌの歴史 今回お邪魔したローラン・ファヨールの歴史は長く、1870年まで遡る老舗のドメーヌだ。 1959年に4代目が当時として先鋭的なドメーヌ元詰めを開始したかと思えば、5代目の時代には機械化が困難な畑を敢えて拡大することで、品質重視の姿勢を明確に。良質なテロワールを維持し、伝統を重んじる姿勢を残しつつ、常に革新へのチャレンジを恐れない精神を持ち合わせているドメーヌと言えるだろう。 ▲ 小さな街にあるドメーヌ。オレンジ色の屋根瓦も含め、ドメーヌの佇まいが素朴でほっとする。 現在、ドメーヌの舵を取るのは6代目の姉セリーヌ女史と弟ローラン氏。国家醸造資格を有するローラン氏がブドウ栽培&ワイン醸造を担当し、セリーヌ女史が営業担当を務めており、生産からマーケティングまでを一貫して行う体制を整えている。今回訪問時は主に、ローラン氏に話を伺った。 3. 畑の特徴...