造り手のホンネに迫る。
THE CELLAR ワイン特集
シャトー・ベレール・モナンジュ - サン・テミリオン随一のエレガンス
サン・テミリオン地区の標高88メートルの石灰岩の台地にある、サン・テミリオン地区格付け第1特別級シャトー。シャトー・マグドレーヌ、シャトー・ベレール、クロ・ラ・マドレーヌを1つに統合して出来た新しいワイナリー。 2008年にシャトー・ベレールをジャン・ピエール・ムエックスが買収した際に、シャトーの名称をシャトー・ベレール・モナンジュに変更した。当時ボルドーやポムロールの至る所には124の異なる「ベレール」というシャトーが存在した事がこの名称変更の理由だ。 サン・テミリオン随一のエレガンス 2024.06.26 --- writer Kasahara web サイト https://www.belairmonange.com/ 目次 シャトー・ベレール・モナンジュの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2018年のベレール・モナンジュのテイスティング 1. シャトー・ベレール・モナンジュの概要 サン・テミリオン地区の標高88メートルの石灰岩の台地にある、サン・テミリオン地区格付け第1特別級シャトー。シャトー・マグドレーヌ、シャトー・ベレール、クロ・ラ・マドレーヌを1つに統合して出来た新しいワイナリー。 2008年にシャトー・ベレールをジャン・ピエール・ムエックスが買収した際に、シャトーの名称をシャトー・ベレール・モナンジュに変更した。当時ボルドーやポムロールの至る所には124の異なる「ベレール」というシャトーが存在した事がこの名称変更の理由だ。 現在シャトー・ベレール・モナンジュで生産するワインは以下の3つがある。 ・シャトー・ベレール・モナンジュ ・アノンス・ド・ベレール・モナンジュ ・オー・ロック・ブランカン 2. ワイナリーの歴史 1952年にジャン・ピエール・ムエックスがサン・テミリオン格付け第1特別級で12ヘクタールある歴史的なシャトーだったシャトー・マグドレーヌを買収。その後2008年同じく隣接していたシャトー・ベレールを買収。同年にシャトー・ベレール・モナンジュと改名した。この名前はムエックス家にとって歴史的な意味合いがある。家族で初めて女の子(アデレール・ムエックス)が生まれた事に由来してジャン・ピエール(ムエックス)が名付けた。モナンジュは「私の天使」という意味だ。 その後2011年まではそれぞれのシャトーの名称でワインがリリースされたが、2012年にINAOによる格付け改定が行われた際に、シャトー・マグドレーヌとシャトー・ベレール・モナンジュを1つのシャトー名に統合する事が承認された。 更に2017年9月にシャトー・クロ・マドレーヌがジャン・ピエール・ムエックスにより買収される。2021年までシャトー・クロ・マドレーヌとしてワインがリリースされたが、2022年の格付け改定の際に、シャトー・ベレール・モナンジュに同じく統合される事となった。 2015年にワイナリーの建築計画がスタートし、クリスチャンとエドワード・ムエックスが付き合いのあったスイス人建築家ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンの2人に依頼。「石灰岩質土壌への賛辞を表現したい」というオーダーのもと、サン・テミリオンの特徴的な石灰岩を表現した真っ白の外壁が特徴の美しいワイナリーが完成したのは8年後の2023年でした。周辺のサン・テミリオンのシャトーとは明らかに異なり瀟洒なデザインは遠目から見てもかなり目立つ。...
シャトー・ベレール・モナンジュ - サン・テミリオン随一のエレガンス
サン・テミリオン地区の標高88メートルの石灰岩の台地にある、サン・テミリオン地区格付け第1特別級シャトー。シャトー・マグドレーヌ、シャトー・ベレール、クロ・ラ・マドレーヌを1つに統合して出来た新しいワイナリー。 2008年にシャトー・ベレールをジャン・ピエール・ムエックスが買収した際に、シャトーの名称をシャトー・ベレール・モナンジュに変更した。当時ボルドーやポムロールの至る所には124の異なる「ベレール」というシャトーが存在した事がこの名称変更の理由だ。 サン・テミリオン随一のエレガンス 2024.06.26 --- writer Kasahara web サイト https://www.belairmonange.com/ 目次 シャトー・ベレール・モナンジュの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2018年のベレール・モナンジュのテイスティング 1. シャトー・ベレール・モナンジュの概要 サン・テミリオン地区の標高88メートルの石灰岩の台地にある、サン・テミリオン地区格付け第1特別級シャトー。シャトー・マグドレーヌ、シャトー・ベレール、クロ・ラ・マドレーヌを1つに統合して出来た新しいワイナリー。 2008年にシャトー・ベレールをジャン・ピエール・ムエックスが買収した際に、シャトーの名称をシャトー・ベレール・モナンジュに変更した。当時ボルドーやポムロールの至る所には124の異なる「ベレール」というシャトーが存在した事がこの名称変更の理由だ。 現在シャトー・ベレール・モナンジュで生産するワインは以下の3つがある。 ・シャトー・ベレール・モナンジュ ・アノンス・ド・ベレール・モナンジュ ・オー・ロック・ブランカン 2. ワイナリーの歴史 1952年にジャン・ピエール・ムエックスがサン・テミリオン格付け第1特別級で12ヘクタールある歴史的なシャトーだったシャトー・マグドレーヌを買収。その後2008年同じく隣接していたシャトー・ベレールを買収。同年にシャトー・ベレール・モナンジュと改名した。この名前はムエックス家にとって歴史的な意味合いがある。家族で初めて女の子(アデレール・ムエックス)が生まれた事に由来してジャン・ピエール(ムエックス)が名付けた。モナンジュは「私の天使」という意味だ。 その後2011年まではそれぞれのシャトーの名称でワインがリリースされたが、2012年にINAOによる格付け改定が行われた際に、シャトー・マグドレーヌとシャトー・ベレール・モナンジュを1つのシャトー名に統合する事が承認された。 更に2017年9月にシャトー・クロ・マドレーヌがジャン・ピエール・ムエックスにより買収される。2021年までシャトー・クロ・マドレーヌとしてワインがリリースされたが、2022年の格付け改定の際に、シャトー・ベレール・モナンジュに同じく統合される事となった。 2015年にワイナリーの建築計画がスタートし、クリスチャンとエドワード・ムエックスが付き合いのあったスイス人建築家ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンの2人に依頼。「石灰岩質土壌への賛辞を表現したい」というオーダーのもと、サン・テミリオンの特徴的な石灰岩を表現した真っ白の外壁が特徴の美しいワイナリーが完成したのは8年後の2023年でした。周辺のサン・テミリオンのシャトーとは明らかに異なり瀟洒なデザインは遠目から見てもかなり目立つ。...

シャトー・アンジェリュス - 鐘がモチーフ、サン・テミリオンの名シャトー
ボルドーのサン・テミリオン地区に長い歴史を持つド・ブアール・ド・ラフォレ家が所有で、右岸を代表するシャトーの1つ。1985年にユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ氏が事業を引き継ぐと、1988年に名称を「シャトー・アンジェリュス」に変更し、栽培・醸造に至るまで様々な改革に着手。 鐘がモチーフ、サン・テミリオンの名シャトー 2024.06.25 --- writer Kasahara web サイト https://www.angelus.com/ 目次 シャトー・アンジェリュスの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2014年のシャトー・アンジェリュスのテイスティング 1. シャトー・アンジェリュスの概要 ボルドーのサン・テミリオン地区に長い歴史を持つド・ブアール・ド・ラフォレ家が所有で、右岸を代表するシャトーの1つ。1985年にユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ氏が事業を引き継ぐと、1988年に名称を「シャトー・アンジェリュス」に変更し、栽培・醸造に至るまで様々な改革に着手。 1996年にはサン・テミリオン格付けの第1級特別級Bに昇格を果たし、その後2012年には念願であった(当時の格付けでシャトー・オーゾンヌやシュヴァル・ブランと同位となる)第1級特別級Aに昇格を果たし、スターダムに名声を得ていった。 2012年にはユベール氏の娘で、ド・ブアール家8代目となるステファニー女史がシャトーの代表に就任。2013年にはサン・テミリオン地区にある老舗レストランの1つである「ロジ・ド・ラ・カデーヌ」を買収、その後ガストロノミー分野にも力を入れて事業展開している。 2022年のサン・テミリオン地区の格付けの際には、シャトー・オーゾンヌ、シャトー・シュヴァル・ブランと同様に、(第1特別級Aへの)申請を行っておらず、現在は格付けリストから姿を消している。 現在シャトー・アンジェリュスが生産するワインは以下の4つがある ・シャトー・アンジェリュス ・シャトー・アンジェリュス・オマージュ・エリザベス・ブシェ(2016年初リリース、2016カベルネ・フランの良年度のみ生産。) ・ル・カリヨン・ダンジェリュス(1987年より生産) ・ヌメル・トロワ・ダンジェリュス(2007年より生産) ▲ 改装前の木造建築時代の梁をそのまま活かした、ワイナリーのレセプションホール。 2....
シャトー・アンジェリュス - 鐘がモチーフ、サン・テミリオンの名シャトー
ボルドーのサン・テミリオン地区に長い歴史を持つド・ブアール・ド・ラフォレ家が所有で、右岸を代表するシャトーの1つ。1985年にユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ氏が事業を引き継ぐと、1988年に名称を「シャトー・アンジェリュス」に変更し、栽培・醸造に至るまで様々な改革に着手。 鐘がモチーフ、サン・テミリオンの名シャトー 2024.06.25 --- writer Kasahara web サイト https://www.angelus.com/ 目次 シャトー・アンジェリュスの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2014年のシャトー・アンジェリュスのテイスティング 1. シャトー・アンジェリュスの概要 ボルドーのサン・テミリオン地区に長い歴史を持つド・ブアール・ド・ラフォレ家が所有で、右岸を代表するシャトーの1つ。1985年にユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ氏が事業を引き継ぐと、1988年に名称を「シャトー・アンジェリュス」に変更し、栽培・醸造に至るまで様々な改革に着手。 1996年にはサン・テミリオン格付けの第1級特別級Bに昇格を果たし、その後2012年には念願であった(当時の格付けでシャトー・オーゾンヌやシュヴァル・ブランと同位となる)第1級特別級Aに昇格を果たし、スターダムに名声を得ていった。 2012年にはユベール氏の娘で、ド・ブアール家8代目となるステファニー女史がシャトーの代表に就任。2013年にはサン・テミリオン地区にある老舗レストランの1つである「ロジ・ド・ラ・カデーヌ」を買収、その後ガストロノミー分野にも力を入れて事業展開している。 2022年のサン・テミリオン地区の格付けの際には、シャトー・オーゾンヌ、シャトー・シュヴァル・ブランと同様に、(第1特別級Aへの)申請を行っておらず、現在は格付けリストから姿を消している。 現在シャトー・アンジェリュスが生産するワインは以下の4つがある ・シャトー・アンジェリュス ・シャトー・アンジェリュス・オマージュ・エリザベス・ブシェ(2016年初リリース、2016カベルネ・フランの良年度のみ生産。) ・ル・カリヨン・ダンジェリュス(1987年より生産) ・ヌメル・トロワ・ダンジェリュス(2007年より生産) ▲ 改装前の木造建築時代の梁をそのまま活かした、ワイナリーのレセプションホール。 2....

シャトー・ムートン・ロートシルト - メドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー
メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第2級、その後1973年にメドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー。この時の事を「我1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」(PREMIER JE SUIS, SECOND JE FUS, MOUTON NE CHANGE)と表現した、フィリップ・ド・ロートシルト男爵の名言を残す。 メドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://www.chateau-mouton-rothschild.com/ 目次 シャトー・ムートン・ロートシルトの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2015年シャトー・ムートン・ロートシルトのテイスティング 1. シャトー・ムートン・ロートシルトの概要 メドック地区ポイヤック村 メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第2級、その後1973年にメドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー。この時の事を「我1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」(PREMIER JE SUIS, SECOND...
シャトー・ムートン・ロートシルト - メドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー
メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第2級、その後1973年にメドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー。この時の事を「我1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」(PREMIER JE SUIS, SECOND JE FUS, MOUTON NE CHANGE)と表現した、フィリップ・ド・ロートシルト男爵の名言を残す。 メドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://www.chateau-mouton-rothschild.com/ 目次 シャトー・ムートン・ロートシルトの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2015年シャトー・ムートン・ロートシルトのテイスティング 1. シャトー・ムートン・ロートシルトの概要 メドック地区ポイヤック村 メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第2級、その後1973年にメドック格付けで唯一第1級へ昇格が許されたシャトー。この時の事を「我1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」(PREMIER JE SUIS, SECOND...

シャトー・ラトゥール - プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー -
メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://www.chateau-latour.com/en/ 目次 シャトー・ラトゥールの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 017年シャトー・ラトゥールのテイスティング 秘密の部屋には秘蔵の大容量ボトル! 1. シャトー・ラトゥールの概要 メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 1999年から2003年にかけて、シャトーの全体の施設をフルリノベーションする。 2012年には、その年(2011年ヴィンテージ)を最後にボルドーの商習慣であるプリムール・システムからの脱却を表明。以後はシャトーが飲み頃と判断した時期に販売を行うようになった。 現在シャトー・ラトゥールが生産するワインは以下の3つがある ・シャトー・ラトゥール ・レ・フォール・ド・ラトゥール ・ポイヤック(1989年より、元々はレストラン向けワインとして生産) 2. ワイナリーの歴史 シャトー・ラトゥールの名前が歴史に登場したのは1331年。シャトーの名前の由来となっている「ラ・トゥール(塔)」は、もともとポイヤック村とサン・ジュリアン村の中間に位置するサン・ランベール地区を防衛する為の要塞の役割を果たしていた。...
シャトー・ラトゥール - プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー -
メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 プリムールから離脱した、唯一無二の1級シャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://www.chateau-latour.com/en/ 目次 シャトー・ラトゥールの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 017年シャトー・ラトゥールのテイスティング 秘密の部屋には秘蔵の大容量ボトル! 1. シャトー・ラトゥールの概要 メドック地区ポイヤック村にあり、パリ万博の際に作成された1855年メドック格付けの第1級シャトー。1993年からグッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下に持つケリング・グループの会長フランソワ・ピノ―氏によって買収。 1995年にLintas、Mars&Co等の経営コンサルタント会社に勤務していたフレデリック・アンジェラ氏を招聘。その後、彼は1998年にシャトー・ラトゥールの支配人に就任。 1999年から2003年にかけて、シャトーの全体の施設をフルリノベーションする。 2012年には、その年(2011年ヴィンテージ)を最後にボルドーの商習慣であるプリムール・システムからの脱却を表明。以後はシャトーが飲み頃と判断した時期に販売を行うようになった。 現在シャトー・ラトゥールが生産するワインは以下の3つがある ・シャトー・ラトゥール ・レ・フォール・ド・ラトゥール ・ポイヤック(1989年より、元々はレストラン向けワインとして生産) 2. ワイナリーの歴史 シャトー・ラトゥールの名前が歴史に登場したのは1331年。シャトーの名前の由来となっている「ラ・トゥール(塔)」は、もともとポイヤック村とサン・ジュリアン村の中間に位置するサン・ランベール地区を防衛する為の要塞の役割を果たしていた。...

シャトー・ラ・フルール・ペトリュス - ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー
ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラフルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー 2024.06.26 --- writer Kasahara web サイト https://www.moueix.com/en/pomerol/lafleur-petrus 目次 シャトー・ラ・フルール・ペトリュスの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2019年のシャトー・ラ・フルール・ペトリュスのテイスティング 1. シャトー・ラ・フルール・ペトリュスの概要 ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラフルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に取得。現在は3ブロックに分かれて畑があり、全部で18.7ヘクタールある。 1990年代に入って、ジャン・ピエール・ムエックス氏の息子である2代目のクリスチャン・ムエックス氏が品質向上に努めた。現在はムエックス家の3代目にあたるエドゥアール氏も加わり、2012年時にシャトー・ル・パンの隣にあったシャトー・ギヨが所有していた畑を同氏が中心となって取得した。 2. ワイナリーの歴史 ペトリュスから道路を隔てた向かい側、ラフルールに隣接するこのシャトーは、ポムロールでも歴史あるシャトーのひとつである。 1950年 ー 1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が買収した最初のポムロールのシャトーで、その後ムエックス家は同シャトーの近隣にある、シャトー・トロタノワを1953年に、シャトー・セルタン・ジロー(現在のシャトー・オザンナ)を1999年にそれぞれ取得している。 1994年 1994年に隣接するシャトー・ル・ゲイの古木からなる区画を新たに取得。 2005年...
シャトー・ラ・フルール・ペトリュス - ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー
ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラフルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に ムエックス流を体現するポムロールの隠れた名シャトー 2024.06.26 --- writer Kasahara web サイト https://www.moueix.com/en/pomerol/lafleur-petrus 目次 シャトー・ラ・フルール・ペトリュスの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2019年のシャトー・ラ・フルール・ペトリュスのテイスティング 1. シャトー・ラ・フルール・ペトリュスの概要 ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスとシャトー・ラフルールの間に位置することから名づけられたシャトー・ラ・フルール・ペトリュスは、18世紀からの歴史を持っている。1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が最初に取得したポムロールのシャトー。 当初は僅か9ヘクタール程だったが、その後周辺のブドウ畑を段階的に取得。現在は3ブロックに分かれて畑があり、全部で18.7ヘクタールある。 1990年代に入って、ジャン・ピエール・ムエックス氏の息子である2代目のクリスチャン・ムエックス氏が品質向上に努めた。現在はムエックス家の3代目にあたるエドゥアール氏も加わり、2012年時にシャトー・ル・パンの隣にあったシャトー・ギヨが所有していた畑を同氏が中心となって取得した。 2. ワイナリーの歴史 ペトリュスから道路を隔てた向かい側、ラフルールに隣接するこのシャトーは、ポムロールでも歴史あるシャトーのひとつである。 1950年 ー 1950年にジャン・ピエール・ムエックス氏が買収した最初のポムロールのシャトーで、その後ムエックス家は同シャトーの近隣にある、シャトー・トロタノワを1953年に、シャトー・セルタン・ジロー(現在のシャトー・オザンナ)を1999年にそれぞれ取得している。 1994年 1994年に隣接するシャトー・ル・ゲイの古木からなる区画を新たに取得。 2005年...

シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー
ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://francois-thienpont.com/vin/le-pin/ 目次 シャトー・ル・パンの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年のテイスティング (おまけ)2007年ヴィンテージ 1. シャトー・ル・パンの概要 ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) ▲ シャトーの由来となった象徴的な松の木、今でもワイナリーの前に現存 ▲ 非常にミニマムながら印象的なデザインはベルギーの建築家ポール・ロブレによるもの 1982年のヴィンテージをリリースした際に、世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたのがこのシャトー・ル・パンである。ワイン評論家ロバート・パーカー氏のテイスティングで満点の100点を獲得したからだ。年間生産量は僅かに6,000本程度という事もあり、市場で見かける事も少ない。セパージュは100%メルロだが、畑では混植でカベルネ・フランも少量ある。(シャトー・ル・パンには使用されない。) ベルギーの建築家であるポール・ロブレヒトによってデザインされた現在のワイナリーは2011年9月に落成した。 2. ワイナリーの歴史 1979年 ヴュー・シャトー・セルタンの共同経営者であるジャック・ティエンポン氏は、ヴュー・シャトー・セルタンの隣にある小さな区画の畑を手に入れた。これがシャトー・ル・パンの始まりである。 この区画は前オーナーのマダム・ロービー氏時代は、ワイン造りの為ラランド・ド・ポムロールのワインメーカーと契約をしていた。1979年当時、セラー設備は何も無く、1基のステンレスタンクとワイン造りに必要な数のフレンチオークのみを取り揃えてのスタートだった。始めた当時の数年は、資金を節約するためにヴュー・シャトー・セルタンで使用した樽をシャトー・ル・パンで使用。この事が偶然にも樽の中でマロラクティック発酵を行う、という醸造方法へとつながり、シャトー・ル・パンはこの技術を行った最初のシャトーとして有名となる。...
シャトー・ル・パン - 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー
ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) 世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたシャトー 2024.06.24 --- writer Kasahara web サイト https://francois-thienpont.com/vin/le-pin/ 目次 シャトー・ル・パンの概要 ワイナリーの歴史 畑の特徴 醸造の特徴 2023年のテイスティング (おまけ)2007年ヴィンテージ 1. シャトー・ル・パンの概要 ヴュー・シャトー・セルタンを所有しているティエンポン家のジャック・ティエンポンが前オーナーのマダム・ロービー氏より1979年に1.5ヘクタールの畑を買い取った事から始まる。(その後隣の畑を購入した事により、現在は2.7ヘクタールある。)シャトーの名称は現在もワイナリーの前に植わる、「松の木」に由来。(フランス語で松は「ル・パン」) ▲ シャトーの由来となった象徴的な松の木、今でもワイナリーの前に現存 ▲ 非常にミニマムながら印象的なデザインはベルギーの建築家ポール・ロブレによるもの 1982年のヴィンテージをリリースした際に、世界中にポムロールというワイン産地を一躍有名にしたのがこのシャトー・ル・パンである。ワイン評論家ロバート・パーカー氏のテイスティングで満点の100点を獲得したからだ。年間生産量は僅かに6,000本程度という事もあり、市場で見かける事も少ない。セパージュは100%メルロだが、畑では混植でカベルネ・フランも少量ある。(シャトー・ル・パンには使用されない。) ベルギーの建築家であるポール・ロブレヒトによってデザインされた現在のワイナリーは2011年9月に落成した。 2. ワイナリーの歴史 1979年 ヴュー・シャトー・セルタンの共同経営者であるジャック・ティエンポン氏は、ヴュー・シャトー・セルタンの隣にある小さな区画の畑を手に入れた。これがシャトー・ル・パンの始まりである。 この区画は前オーナーのマダム・ロービー氏時代は、ワイン造りの為ラランド・ド・ポムロールのワインメーカーと契約をしていた。1979年当時、セラー設備は何も無く、1基のステンレスタンクとワイン造りに必要な数のフレンチオークのみを取り揃えてのスタートだった。始めた当時の数年は、資金を節約するためにヴュー・シャトー・セルタンで使用した樽をシャトー・ル・パンで使用。この事が偶然にも樽の中でマロラクティック発酵を行う、という醸造方法へとつながり、シャトー・ル・パンはこの技術を行った最初のシャトーとして有名となる。...