1. トスカーナワインの産地
トスカーナワインの産地であるトスカーナ州は、イタリア中部に位置し、ティレニア海に面しています。ピサの斜塔やフィレンツェ、世界遺産に登録されたシエナ歴史地区など、観光名所が豊富なエリアです。
かつてイタリア王国の首都でもあったトスカーナは、歴史あるワイン産地としても有名で、多くの著名なワイナリーが点在しています。
2. トスカーナワインのブドウ品種
トスカーナ州ではさまざまなブドウ品種が栽培されていますが、黒ブドウと白ブドウそれぞれから、とくに注目される主要な品種を紹介します。
サンジョヴェーゼ
イタリアを代表する赤ワイン、キャンティの主な品種として知られているのがサンジョヴェーゼです。世界的にも栽培される量が多く、とくにイタリアでは広範囲で栽培されています。フルーティーな味わいと豊かな酸味、程よいタンニンが特徴で、イタリア料理に合う万能な赤ワイン用の品種です。
サンジョヴェーゼについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンは世界中で栽培されている王道の黒ブドウ品種で、トスカーナでも重要な位置を占めています。
しっかりとしたタンニンと濃厚な果実味が特徴で、長期熟成にも適しているため、デイリーワインから高級ワインまで幅広く活用されています。
カベルネ・ソーヴィニヨンについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴とは?生産地ごとの味わいやおすすめワイン5選を紹介
メルロー
メルローは、柔らかな味わいと穏やかなタンニンで知られる黒ブドウの品種です。トスカーナでは、単体で使われるだけでなく、カベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドにもよく使われ、果実味とバランスの取れたワインが生まれます。メルローについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
メルローとは?ワインの基礎知識やカベルネ・ソーヴィニヨンとの違いも解説
トレッビアーノ
トレッビアーノは、トスカーナ州で古くから栽培されてきた白ブドウ品種で、「トレッビアーノ・トスカーナ」として知られています。酸味とフレッシュな香りが特徴で、「ヴィンサント」という伝統的な食前酒に使用されます。
ヴィンサントとは、陰干ししたブドウを小樽で発酵・長期熟成した高アルコール度数のワインです。
ヴェルナッチャ
トスカーナの白ワインを代表する品種の一つがヴェルナッチャです。しっかりとした酸味とさっぱりとした味わいで、とくにトスカーナ州のサン・ジミニャーノ地区で栽培されているヴェルナッチャは高い評価を得ています。
マルヴァジア・ビアンカ
マルヴァジア・ビアンカは、厚めのボディと控えめな酸味が特徴の白ブドウ品種です。柑橘系やハーブのような風味が豊かで、トスカーナをはじめとするイタリア中部で広く栽培されています。
3. トスカーナを代表する赤ワイン「キャンティ」
トスカーナを代表する赤ワインといえば、キャンティが挙げられます。キャンティは主にサンジョヴェーゼを用いて造られており、その歴史は中世にまで遡ります。キャンティはフルーティーで酸味が効いた味わいが特徴で、さまざまなイタリア料理に合わせられます。
キャンティの歴史
キャンティはイタリアのトスカーナ地方で生まれたワインで、その中心となるブドウ品種がサンジョヴェーゼです。中世から続く長い歴史を持ち、多くの醸造家たちがキャンティ造りに取り組んできました。キャンティはトスカーナ州の象徴的なワインであり、豊かな風味とバランスの取れた酸味が特徴です。
キャンティの起源は14世紀に遡り、当時から高貴なワインとして認知されていたキャンティ・クラシコは、キャンティの伝統的な地域で生産されており、現在も品質の高いワインとして世界中で愛されています。
とくに「キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」といった高品質なワインは、長期熟成が可能で、より深い味わいを楽しむことができます。果実味とタンニンのバランスがよく、親しみやすい飲み口で、「イタリアワインの顔」と言われるほど世界中で親しまれています。
キャンティの格付け
キャンティには3つの種類があり、それぞれ使用するブドウ品種や熟成期間に違いがあります。名前が長くなるほど希少価値が上がっていくと覚えておくと良いでしょう。
名称 | 品種 | 最低熟成期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
キャンティ | サンジョヴェーゼ 最低70%以上。白ブドウは10%まで、その他黒ブドウは15%まで。 | 収穫年の翌年2月末まで | 通常のキャンティワイン。軽やかでフルーティーな味わいが特徴。 |
キャンティ・ クラシコ |
サンジョヴェーゼ 最低80%以上。その他黒ブドウ。 | 収穫年の翌年9月末まで/リゼルヴァ 24ヵ月 (うち瓶内 3ヵ月) |
歴史的なキャンティ地区で造られるワイン。複雑な風味としっかりとしたタンニンが魅力。 |
キャンティ・ クラシコ・ グラン・ セレツィオーネ |
サンジョヴェーゼ 最低80%以上。その他黒ブドウ。※すべて自社畑に限る | 30ヵ月 (うち瓶内 3ヵ月) |
最高級のキャンティワイン。長期熟成により、より深い味わいが楽しめる。 |
4. トスカーナの高品質な白ワイン「ベルナッチャ・ディ・サンジャミアーノ」
トスカーナで唯一、DOCGに認定された高品質な白ワインが「ベルナッチャ・ディ・サンジャミアーノ」です。このワインはトスカーナの「白の女王」とも呼ばれ、フルーティーでミネラル感あふれる味わいが特徴です。サン・ジミニャーノ周辺で造られ、長い歴史を持つワインで、食前酒としても非常に人気があります。
ベルナッチャ・ディ・サンジャミアーノの歴史
「ベルナッチャ・ディ・サンジャミアーノ」は、1990年に世界遺産に登録された「塔の街」として知られるサンジミニャーノ周辺で造られている白ワインです。このワインは長い歴史の中で、文化人や貴族たちにも多く愛されてきました。
イタリアで初めてDOC(原産地呼称統制)認定を受けた白ワインとして、1966年にその品質が公に認められました。その後、1993年にはイタリアのワイン格付けの最高ランクであるDOCG(原産地呼称統制保証)に昇格し、トスカーナ州を代表する高品質な白ワインとなっています。
ベルナッチャ・ディ・サンジャミアーノの味わい
ベルナッチャ・ディ・サンジャミアーノは、熟成が進むと淡い麦わら色から美しい黄金色へと変化します。フルーティで植物のニュアンスを含んだリッチで繊細なアロマが特徴です。
さっぱりとして雑味のない味わいですが、熟成するにつれて強いミネラル感が際立ち、深みが増します。シンプルな味わいから長期熟成を経た複雑な風味まで楽しめるため、多くのワイン愛好家に支持されています。
5. おすすめのトスカーナワイン3選
今回はトスカーナワインに興味を持った方へ、おすすめの銘柄を3つ紹介します。
マッツェイ・フォンテルートリ セル・ラポ キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2020
キャンティ・クラシコの中でもクラシックな味わいを求める方におすすめです。清涼な果実感と豊かなタンニンが調和し、フレッシュで優雅な味わいが広がります。
サンジョヴェーゼらしい清涼な果実感と豊かなタンニンが重なり、森を思わせるアロマを感じられます。
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赤ワイン
マッツェイ・フォンテルートリ セル・ラポ キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2020 *
赤ワインイタリア/トスカーナ州通常価格4,950 円 (税込)通常価格単価 あたり残り23個
750ml、サンジョヴェーゼ他、ミディアム 750ml、サンジョヴェーゼ他、ミディアム
クラシックなスタイルに仕上げられており、力強い構成とリッチさ、フレッシュ感のあるワイン
カステッロ・デイ・ランポッラ キアンティ・クラッシコ 2020
サンジョヴェーゼならではの酸味を適度に抑えることで、果実感とバランス良く調和したキャンティ・クラシコ。
きめ細かなタンニンと凝縮された味わいが特徴で、ビオディナミ農法による伝統的な製法で造られたフルボディです。
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赤ワイン
カステッロ・デイ・ランポッラ キアンティ・クラッシコ 2020 *
赤ワインイタリア/トスカーナ州通常価格6,160 円 (税込)通常価格単価 あたり残り5個
750ml、サンジョヴェーゼ他、フルボディ 750ml、サンジョヴェーゼ他、フルボディ
果実味と酸のバランスが美しいワイン
モンテニードリ フィオーレ ヴェルッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2022
洗練された味わいと、ピュアな風味のヴェルナッチャ。ほんのりとハーブやナッツのような香りも感じられ、熟した白桃・アンズ・リンゴのフルーティさが際立ちます。果実のまろやかさと、フレッシュな酸味が両立したミディアムボディに仕上がっています。
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白ワイン
モンテニードリ フィオーレ ヴェルッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2022
白ワインイタリア/トスカーナ州通常価格7,480 円 (税込)通常価格単価 あたり残り11個
ヴェルナッチャ、ミディアム ヴェルナッチャ、ミディアム
今日的洗練と華麗さを誇るピュアなヴェルナッチャ
6. まとめ
トスカーナワインは、イタリアを代表するワインであり、その産地やブドウ品種、ワインの特徴について解説しました。豊富な品種とスタイルを持つトスカーナワインは、さまざまな料理に合わせて楽しむことができます。ぜひ、今回紹介したおすすめのトスカーナワインを試してみてください。トスカーナワインの魅力をもっと知りたい方は、THE CELLAR online storeを参考にしてください。