メルローとは?
メルローとは?

ワインの基礎知識やカベルネ・ソーヴィニヨンとの違いも解説

ワインの基礎知識やカベルネ・ソーヴィニヨンとの違いも解説

THE CELLAR JOURNAL Nov.2023 --- writer : Daichi Yoshikawa

赤ワインを選ぶ際に品種をチェックする人は多いと思いますが、メルローは世界的にもカベルネ・ソーヴィニヨンと並んで有名な品種の一つです。メルローは原産地であるボルドー地方で使用されていることが多いですが、病気に強い品種なので、世界中で栽培されています。今回はメルローに関する基本知識やメルローを使ったおすすめの赤ワインを紹介していきます。
赤ワインを選ぶ際に品種をチェックする人は多いと思いますが、メルローは世界的にもカベルネ・ソーヴィニヨンと並んで有名な品種の一つです。メルローは原産地であるボルドー地方で使用されていることが多いですが、病気に強い品種なので、世界中で栽培されています。今回はメルローに関する基本知識やメルローを使ったおすすめの赤ワインを紹介していきます。

メルローとは?ワインの基礎知識やカベルネ・ソーヴィニヨンとの違いも解説

ワインの基礎知識やカベルネ・ソーヴィニヨンとの違いも解説
2024.05.17

1. メルローとは

メルローはフランスのボルドー地方が原産の赤ワイン用ブドウ品種で、きめ細やかなタンニンと、まろやかで口当たりの良い仕上がりになるのが特徴です。また、赤ワインに求められる構成要素がバランスよく含まれており、早熟で糖が上がりやすいだけでなく、病気にも強いといった点から世界各地で栽培されています。以下でメルローの特徴や産地といった基本的な知識を解説していきます。

メルローの特徴

メルローは肉厚な果肉を持つ濃い色の果実や甘いスパイスの香りがあり、柔らかなタンニンや包み込むようなまろやかな果実味などが特徴です。果実味たっぷりで舌触りが滑らかなので、親しみやすい味わいに仕上がることが多いです。そのため、赤ワインを飲み慣れていない方でも飲みやすく、ワインエントリークラスの人にも人気がある品種です。

メルロー単一で造られる場合は早飲みタイプが多いですが、ボルドースタイルのブレンドなど、ブレンドで造られる場合は長期熟成させることによって深みと複雑味のある高級ワインにもなります。

メルローの歴史と名前の由来

メルローはフランスのボルドー地方原産の「カベルネ・フラン」とボルドー地方の土着品種である「マドレーヌ・ノワール・デ・シャラント」の交配種と言われており、ツグミ(フランス語でメルル)の大好物なのでメルローという名前になったとされています。 また、メルロはカベルネ・ソーヴィニヨンやカルメネール、マルベックとは片親違いの兄弟になります。

メルローの産地

メルローの原産地はフランスのボルドー地方で、現在でもフランスのボルドー地方で最も広く栽培されています。なかでも特にサン・テミリオンやポムロールなどの右岸地区で造られるワインが有名です。一方で、病害に強く環境適応力の高いブドウなので、世界各地で栽培されています。アメリカやスペインで盛んに栽培されていますが、近年では日本でも広く栽培されていています。なかでも長野県の塩尻市周辺がメルローの名産地として知られています。

2.メルローの醸造法

メルローの醸造

醸造法は他の品種同様、産地によって異なります。ボルドー地方は複数のブドウ品種をブレンドするのが一般的です。例えばボルドー・ポムロール地区にあるシャトー・ペトリュスの場合、約95%がメルロー、約5%がカベルネ・フランという比率で造られます。メルローを使って造られるワインは、あまり期間を置かずに飲むいわゆる「早飲み」のタイプが多いですが、シャトー・ペトリュスで造られるメルロー主体のワインは、数十年の長期熟成を経て他のメルローとは一線を画す高品質で高級なワインになります。

3.メルローと他の赤ワイン用ブドウ品種との違いは?

赤ワイン用ブドウ品種の代表格であるカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールと比べて見ると、酸味や風味、ボディのイメージがつきやすくなります。以下に簡単に特徴をまとめます。

ピノ・ノワール メルロ― カベルネ・ソーヴィニョン
酸味 やや強い 柔らかい 強い
風味 繊細な果実味 果実味がありジューシー 濃厚で力強い
タイプ ライト〜 ミディアムボディ ミディアム〜 フルボディ ミディアム〜 フルボディ

<ピノ・ノワール> エレガントかつチャーミングなアロマ。控えめなタンニンと心地よい酸味があり、渋みが苦手な方にもおすすめ。ピノ・ノワールについてはこちらの記事も参考にしてください。
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<メルロー> 重すぎず、軽すぎず、程よい飲みごたえと果実味たっぷりで滑らかな口当たりが魅力で、比較的早飲みタイプのワインが多いです。

<カベルネ・ ソーヴィニヨン> 赤ワインの中でも代表的なブドウ品種。果実味と渋みどちらもしっかりと感じられるパワフルでフルボディなワインです。ビーフステーキや煮込みハンバーグなどのボリューミーな肉料理に合わせるのにおすすめです。 カベルネ・ ソーヴィニヨンついてはこちらの記事も参考にしてください。
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4.メルローのワインはどんな料理に合う?

メルローを使用したワインの口当たりはやわらかく、まるみを帯びたふくよかな味わいが特徴なので、合わせる料理もまろやかな味付けのものがおすすめです。たとえばミートボールやハンバーグ、ビーフシチューといったソースがまろやかな肉料理はとても相性が良いです。ほかにも、筑前煮やジンギスカン、ラムなど、肉を使いつつも味わいがやわらかいものをセレクトするのがおすすめです。

5.メルローを使用している赤ワイン3選

メルローを使用している赤ワインを3本に厳選してご紹介します。どれも各産地のメルローの特徴がよく表れているので、ぜひ参考にしてみてください。

シャトー・フォングラーヴ ボルドー・ルージュ 2017

シャトー・フォングラーヴ ボルドー・ルージュ 2017

みずみずしい果実味と、滋味深い旨味が凝縮しているメルロー主体のブレンド。濃厚で力強いタンニンを持つ正統派ボルドーワインながら、バランスの取れた味わいに仕上がっています。飲みやすいミディアムボディなので、飲み慣れていないワイン初心者の方にもおすすめです。価格帯も2000円以下で購入できるのも嬉しいポイント。

赤ワイン
シャトー・フォングラーヴ ボルドー・ルージュ 2017

原産国 フランス / ボルドー
品種 メルロ、カベルネ・フラン
度数 14.5%

トロワ・ド・ヴァランドロー 2013

トロワ・ド・ヴァランドロー 2013

メルローのまろやかさに、カベルネ・フランの青いニュアンスが混ざりあい、複雑性を感じる味わいがあります。新樽100%使用で樽由来の甘やかな香りがあり、高級感のあるエレガントな仕上がりになっています。トマトベースの煮込み料理やボリューミーなステーキなどに合わせたいフルボディの赤ワインです。

赤ワイン
トロワ・ド・ヴァランドロー 2013

原産国 フランス / ボルドー
品種 メルロ65%、カベルネ・フラン30%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%
度数 13%

ソル・ベニ 3-4-3 2016

ソル・ベニ 3-4-3 2016

元サッカー日本代表監督、フィリップ・トルシエが手がけている赤ワイン。メルローらしい心地よい果実味と豊かな風味が味わえます。ワインのキャップシールはサッカー日本代表テーマカラーの「ブルー」をイメージしており、サッカー好きの方へのプレゼントにも最適なワインです。

赤ワイン
ソル・ベニ 3-4-3 2016

原産国 フランス / ボルドー
品種 メルロ90%、カベルネ・フラン10%
度数 14%

9. まとめ

メルローはフランスのボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種で、やわらかくてまるみを帯びたふくよかな味わいが特徴で、赤ワインが苦手な方や初心者の方にも人気です。ボルドーワインはメルローだけでなく、複数のブドウをブレンドしているので、組み合わせやブレンド比率によって味わいが異なります。メルローを使ったワインをいろいろ試してみたい方は、ぜひカーヴ・ド・リラックスのサイトをのぞいてみてください。

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吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。

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