テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種!
テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種!

テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種!

テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種!

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Daichi Yoshikawa

スペイン産の高級赤ワインの多くはテンプラニーリョを主体として造られており、テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種といっても過言ではありません。
本記事ではテンプラニーリョの基礎知識や相性の良い料理などについて解説し、おすすめのワインも3本に厳選して紹介します。
スペイン産の高級赤ワインの多くはテンプラニーリョを主体として造られており、テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種といっても過言ではありません。
本記事ではテンプラニーリョの基礎知識や相性の良い料理などについて解説し、おすすめのワインも3本に厳選して紹介します。

テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種!基礎知識やおすすめのワインを紹介

テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種!
2024.11.05

1. テンプラニーリョはどんなブドウ品種?

テンプラニーリョはスペインを代表する赤ワイン用の黒ブドウ品種で、ワイン名にも使われることが多い品種です。スペインでは最も広く栽培されており、その名前はスペイン語の「Temporano=早生の」に由来し、同じ地域で栽培される他の品種よりも早く熟すことから名づけられました。

テンプラニーリョは果粒が小さく、果皮が厚いことが特徴です。厚い果皮により、しっかりとしたボディと深みのある味わいが生まれます。しかし、病害にはやや弱い点もあり、適切な管理が求められます。

テンプラニーリョの生育期間は比較的短く、暑い気候を好む一方で、冷涼な産地で育てた方がエレガントな味わいが引き出されるとされています。スペインの豊かな気候条件が、この品種の高品質なワインを生み出す背景になっています。

テンプラニーリョの歴史

テンプラニーリョの歴史は古代に遡ります。紀元前1100年頃、古代ローマ人やフェニキア人がイベリア半島にブドウ栽培とワイン醸造技術をもたらしました。この時期から、スペイン全土でワイン造りが行われており、テンプラニーリョもその一部としてイベリア半島で栽培され続けてきました。

スペインのワイン産業が発展する中で、テンプラニーリョは主要な品種としての地位を確立し、スペイン国内外で高い評価を得るに至っています。

テンプラニーリョの主な産地

テンプラニーリョはスペイン全土で栽培されており、リオハやリベラ・デル・ドゥエロなどの古くから栽培されてきた伝統的な産地がとくに有名です。これらの地域では、テンプラニーリョを主体にした赤ワインが多く造られています。

リオハはスペインで最も歴史のあるワイン産地であり、ローマ帝国による征服以前からワイン造りが行われていたと言われています。現在でもリオハではテンプラニーリョが高品質ワインの核となっています。

スペイン以外ではポルトガルやアルゼンチン、フランスのラングドック地方などでも盛んに栽培されており、地域ごとに異なる特性を持つワインが造られています。
ポルトガルでは「アラゴネス」や「ティンタ・ロリス」という名前でも知られており、ポルトガル産ワインにおいても重要な役割を果たしています。

テンプラニーリョの色や味わい

若いテンプラニーリョは鮮やかなルビー色で、フレッシュでフルーティーな味わいが特徴です。イチゴやチェリーといった赤い果実のアロマが感じられ、果実味豊かで爽やかな印象を与えます。
一方、テンプラニーリョは熟成にも向いている品種です。時間が経つにつれて、色は深みを増し、やがて琥珀色へと変化します。熟成したテンプラニーリョは、スパイスや革の香りが加わり、より複雑で豊かな味わいを楽しむことができます。

飲み口はミディアム〜フルボディで、しっかりとした骨格を持ちながらもまろやかなコクや程良い酸味と渋味が感じられるのが特徴です。
とくに熟成したテンプラニーリョは、深い味わいとともに長い余韻を楽しめるため、長期熟成によってそのポテンシャルが最大限に引き出されます。

2. テンプラニーリョは他品種とブレンドされることもある

テンプラニーリョは他品種とブレンドされることもある

テンプラニーリョは単一品種で造られることもありますが、他の品種とのブレンドによってさらに複雑な味わいを生み出します。なかでもガルナッチャ、マスエロ、グラシアーノといった品種とのブレンドが一般的です。

ガルナッチャをブレンドすることで、しっかりとした骨格と味わいが生まれ、マスエロは力強いタンニンと深い色合いを加えます。グラシアーノは華やかな香りや酸味を補強し、全体のバランスを整える役割を果たします。

これらのブレンドによってより奥行きのある個性豊かなワインに仕上がります。スペインのリオハ地方などでは、このようなブレンドタイプのテンプラニーリョが高く評価されています。

3. テンプラニーリョの別名

テンプラニーリョは、多くの「別名」を持つ品種としても知られています。テンプラニーリョはスペインのリオハでの呼び名で、その他スペインでは産地によって「ティント・フィノ」「ティント・デル・パイス」「ウル・デ・リェブレ」「センシベル」といった呼称があり、ポルトガルでは、「アラゴネス」や「ティンタ・ロリス」といった別名を持っています。これらの別名は、各地域の文化や歴史的背景を反映したものです。

4. テンプラニーリョがおすすめの人

テンプラニーリョは幅広いスタイルで楽しめる赤ワインであり、具体的には以下のような好みを持つ方に特におすすめです。

樽熟成した赤ワインが飲みたい人
テンプラニーリョは樽熟成によって豊かな風味やスパイスのニュアンスが引き出されることが多く、樽熟成した赤ワインを楽しみたい方にはぴったりです。
ただし、樽熟成していないテンプラニーリョもあるので、選んだワインが樽熟成しているかどうかはエチケットや説明文を見たり、店舗スタッフに確認したりするようにしてください。

バランスの良い高品質な赤ワインが飲みたい人
テンプラニーリョはしっかりとした酸味と果実味、そして程よいタンニンのバランスが特徴です。軽すぎず、重すぎないミディアムボディの赤ワインを探している方にはおすすめです。

コストパフォーマンスに優れた赤ワインが飲みたい人
テンプラニーリョはスペインワインの中でも比較的リーズナブルな価格で高品質なワインを楽しむことができます。お手頃価格で本格的なワインを楽しみたい方にはとくにおすすめです。

5. テンプラニーリョと相性の良い料理

テンプラニーリョと相性の良い料理

テンプラニーリョは豊かな果実味とバランスの良い酸味、程良いタンニンを持つため、幅広い料理と合わせられます。スペイン料理でよく使われる生ハムやチーズとも合いますし、軽めのテンプラニーリョであれば、トマトベースの料理やタパスにも合います。

また、樽熟成された重めのテンプラニーリョは、ラムのローストや牛肉、豚肉の煮込み料理と絶妙にマッチします。さらに意外な組み合わせとして、すき焼きなどの日本料理とも相性が良いとされています。

6. テンプラニーリョを使ったおすすめワイン3選

テンプラニーリョを使ったおすすめワイン3選を順番に解説していきます。

カスティーリョ・アルマド レセルバ 2017

カスティーリョ・アルマド レセルバ 2017

テンプラニーリョ85%、ガルナッチャ15%でブレンドしたフルボディの赤ワイン。熟成された赤果実のアロマに加え、アメリカンオーク樽で12ヶ月以上熟成されたことにより、バニラやスパイスのニュアンスが加わった複雑な味わいが特徴です。
リーズナブルな価格でありながら、しっかりとした味わいを楽しめるワインです。

ボデガス・プロトス プロトス ロブレ 2020

ボデガス・プロトス プロトス ロブレ 2020

リベラ・デル・ドゥエロ産のテンプラニーリョを100%使用し、樹齢25年未満のブドウを厳選し、フレンチオークとアメリカンオークの樽で6ヶ月間熟成させた赤ワイン。フレッシュな果実味に、樽熟成によるバニラやスパイスの香りが調和したなめらかなタンニンが特徴です。

ボデガス・プロトス セレクシオン・フィンカ・エル・グラホ・ビエホ 2015

ボデガス・プロトス セレクシオン・フィンカ・エル・グラホ・ビエホ 2015

テンプラニーリョを100%使用し、収量を抑えた少量生産の特別な赤ワイン。熟成した黒果実の凝縮したアロマに、フレンチオーク由来のバニラやスパイスのニュアンスが加わり、複雑で深みのある味わいが感じられます。

7. まとめ

テンプラニーリョは、スペインを代表する赤ワイン用ブドウ品種で、熟成による深い味わいや、ブレンドによる複雑な味わいが楽しめるワインです。軽やかな味わいのものから、熟成された深い味わいのものまで、幅広い種類が揃っています。
テンプラニーリョを飲み比べてみたい方はTHE CELLAR online storeを参考にしてください。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。

こちらの記事もよく読まれています