バローロのラ・モッラに居を構えるレナート・コリーノ氏は、ブドウ栽培農家だった父のあとを継ぎ、1987年にワイナリーを設立した造り手です。そのスタートはたった4つのバリックと3000本の生産量からのとても困難なスタートだったそうです。長い間、彼の父の時代はワインをバルク売りしていたのでそのクオリティーは高くなく、畑も醸造所も改革しなければならないことがたくさんありました。その頃、同じラ・モッラで新しいバローロのスタイルを確立していたエリオ・アルターレ氏らバローロ・ボーイズと呼ばれる生産者がレナート・コリーノ氏に多くのアドバイスをしました。幸運なことにコリーノは高樹齢のブドウ樹を含む、素晴らしい畑を父から譲り受けていました。エリオ達の助言をもとに、収量を劇的に減らし、マセラシオンの期間を縮め、クリュ・バローロにはオークの小樽を使用するようになりました。それから、コリーノ氏のワインは海外で非常に高い評価を得て、現在はバローロを代表する生産者の一人になっています。 現在、畑はアルボリーナ、ジャッキーニ、ロッケ・デラヌンツィアータ、ロンカーリエ、ヴィニェト・ロッケ、そしてバルベーラではピエモンテ最高のレベルのヴィニャ・ポッツォという最上の綺羅星のごとし畑を所有します。しかし彼は「クリュでなくてもいいワインはたくさんあります。要は、ワインを造る人間がどれだけ頑張れるかだと思います」と言います。また、レナート・コリーノ氏はエリオ・アルターレ氏が中心となって活動している「リンシエメ」のメンバーの一人でもあります。