ワインの美味しい飲み方は?
ワインの美味しい飲み方は?

基礎知識やマナー、初心者におすすめのワインも紹介

基礎知識やマナー、初心者におすすめのワインも紹介

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Toshiyuki Tsuno

本記事では、ワインの美味しい飲み方を解説します。
ワインに関する基礎知識やマナー、おすすめのワインも紹介いたしますので、これからワインを楽しみたい、という方はぜひ参考にしてみてください。
本記事では、ワインの美味しい飲み方を解説します。
ワインに関する基礎知識やマナー、おすすめのワインも紹介いたしますので、これからワインを楽しみたい、という方はぜひ参考にしてみてください。

ワインの美味しい飲み方は?基礎知識やマナー、初心者におすすめのワインも紹介

基礎知識やマナー、初心者におすすめのワインも紹介
2024.10.03

1. ワインの美味しい飲み方は?

ワインの美味しい飲み方は?

折角のワイン、より美味しく飲むためには、いくつか抑えておくと良いポイントがあります。
主なポイントを以下に解説していきます。

ワインに適した温度で飲む

ワインの種類によって、飲み頃の温度は異なります。美味しさを最大限に引き出すためには、それぞれのワインに適した温度で飲むと良いでしょう。

一般的に、赤ワインは12~18℃あたりが飲み頃の温度と言われています。アルコール度数が15度程度と高い(一般的に13%前後のものが多い)赤ワインなどは、20~22℃くらいで飲むと渋味もまろやかでより美味しく感じられたりします。
また、気温の高い時期は、常温よりも少し冷やす(舌にのせてひんやりする程度)ことで味わいの輪郭がはっきりとして、さらに美味しさが引き立ったりします。

白ワインは、辛口・甘口などの味わいを問わず、基本的に赤ワインよりも冷やして飲むことが多いでしょう。
判断するときには酸味の質に注目すると分かりやすくなります。例えば青リンゴやレモンのように、口に含んでシュワっとするような爽やかな酸味のものは低めの温度、ヨーグルトのようにまろやかな酸味を持つものは高めの温度帯が得意なワインであると言えます。

貴腐ワインやアイスワインなど甘みの強いものは、冷やしていくとだんだん味と香りがスマートに、温度を上げていくとより甘みや果実のボリュームを豊かに感じやすくなると思います。お好みや一緒に楽しむ料理に合わせてあげると良いでしょう。

ロゼワインや、スパークリングワインも白ワインと同様に冷やして楽しむ機会は多いです。ぜひ色々と試して、ご自身のお好みの温度を見つけてみましょう。

ワインに合ったグラスで飲む

ワインを注ぐグラスの形状によって、味わいや香りは驚くほど変わります。しかし、ご家庭で楽しむ際には難しく考えすぎる必要はありません。
大抵の場合は、ボルドー型(縦長のグラス)、ブルゴーニュ型(丸い形状、バロン型、バルーン型とも)の2つの形状のグラスを大・小2種類ずつ持っておけば事足ります。

グラスを選ぶ際の考え方はこうです。酸味や渋味の強いワインは縦長のグラス。フルーティ、まろやかなワインは丸い形状のグラス。あとはワインの持っている香りの大きさに合わせてグラスの大きさを合わせてあげる。これだけです。勿論、もっと細かい考え方はあるのですが、上の基本を体感・理解してから少しずつ増やしていけばよいと思います。

これらの考え方をもとに少し例を挙げるとするなら、ブルゴーニュ地方のシャルドネ種を使ったワインはMLF(乳酸発酵)をしてまろやかな酸味がありますのでバルーン型のグラス。ドイツの辛口白ワインはフレッシュな酸味が豊かに感じられますので縦長のグラス。ボルドーの赤ワインは若いうち、渋みが多く感じられますので縦長のグラス。あとはそれぞれの香りに応じた大きさのグラスを選びます。

スパークリングワインについては小ぶりな縦長のグラスで十分対応できますが、もしスパークリングワインをよく飲む方であれば専用のグラスを揃えても良いかもしれません。
スッキリしたものやカジュアルなタイプが好みであればフルート型と呼ばれる縦に細長いもの。ふくよかな味わいや香りの豊かなタイプを好むのであればもう少しふくらみのある形状のグラスがお勧めです。

ワインと合う料理と共にいただく

ワインと一緒にどんな料理を楽しむかは重要なポイントです。食材との相性が良いほど、より料理とワインの美味しさを楽しむことができます。

これからワインを楽しもうという方におすすめなのが、ワインと同じ色合いの食材をメイン料理に選ぶ方法です。もちろん例外もあるのですが、割と理にかなったやり方でもあるので是非試していただきたいと思います。

例えば、白ワインには、鯛や平目のような白身魚や、ホワイトソースを使った料理が合いやすい。
また、赤ワインには、ジューシーな牛肉や鴨肉などの赤身肉、ブラウンソースなどを使った料理は相性が良い。
ロゼワインやスパークリングワインは相性の幅も広いので、比較的どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。

空気に触れさせる

ワインは空気に触れさせることで香りが引き出されたり、より味わいがまろやかになったりします。
購入したワインの味が思ったよりも渋くて飲みづらい場合は、空気に触れさせることで味に変化が出たりします。ワインの味が「渋いな」と感じた時にはぜひ試してみてください。

方法としてはデカンタージュ(ボトルから違う容器に移し替えることで空気との接触を促す)、スワリング(ワインの入ったグラスをぐるぐるっと回して空気との接触を促す)などが代表的なものだと思います。
ただ、長く熟成をさせたワインは味わいが繊細にバランスをとっていることが多いため、空気との接触を積極的に行うよりも、ワインのペースに人間の方が合わせてあげる方が良いように思います。

2. ワインの飲み方で注意すべきマナー

ワインの飲み方で注意すべきマナー

続いて、レストランなどでワインを飲む際のマナーをいくつか紹介いたします。
場合によって若干作法が異なることもあるので、シーンに応じて参考程度にご覧いただければと思います。

注いでもらう時はグラスを持たない

レストランでの作法のひとつに、ワインを注がれるときにグラスを持たない、というものがあります。
日本人として、注いでくれる相手に対する敬意の表れとして手を添えてくださるお気持ち、痛いほどよくわかります。
日本酒をいただく猪口など小さな器の場合、手に持って位置を少し上げていただくだけで随分と注ぎやすくなるのですが、ワイングラスの場合は少しだけ事情が違います。

ほとんどすべてのワイングラスはそのままで注ぎやすい高さもありますし、また、グラスに手がかかった状態でお客様の目線がグラスから外れていると、何かの拍子にグラスが動く可能性を感じて、サーバーが注ぎにくくなってしまうこともあるのです。
ワインを注いでもらう時は基本的にグラスを手に持たず、サーバーにお任せしてテーブルに置いておくのが一般的なマナーといえます。

注いでくれる方には、軽く会釈をするか、「ありがとう」と声をかけていただけることで感謝の気持ちを伝えるのがとてもスマートなマナーではないかな、と思います。

グラスを合わせて乾杯をしない

繊細なワイングラスが割れてしまわないように、強くグラスを合わせての乾杯はやめておきましょう。
ご自身の目の前に、少し上にグラスを掲げるようにして、同席者と軽く目を合わせながら乾杯するとスマートに感じます。最初は気障(キザ)に感じますが慣れです!

高級レストランやワイン好きの方が揃える高価なワイングラスは薄手のため、わずかな衝撃で割れてしまう場合もあり要注意です。一度割ってしまうと相手への気まずさも手伝って、後のワインはすべて美味しくなくなる危険があります。
しかしながら古くは、”酒には人の内側にある悪感情を引き出す悪魔が潜んでいる”、という発想から、「魔を祓う」意味を込め、グラスを合わせて「チンッ」と音を立てていた説もありますので、賑やかでカジュアルなお店やご家庭で楽しむ際には(破損にくれぐれも気をつけながら)軽く合わせるのは全く問題ないと個人的には思います。

周囲に気を配りながら、自分たちも食事を存分に楽しむ、というのが最高のマナーです。

持つ時は脚の部分を持つ

ワイングラスを持つ時は、「ステム」と呼ばれる、細長い脚の部分を持つようにしましょう。脚の部分を持つことで、ワインに手のぬくもりが伝わることを防ぎ、飲み頃の温度を保ちやすくなります。

昨今ではよりカジュアルなステムのないタイプのワイングラスもありますが、ワインに力を入れていたり、フォーマルなお店や場所では脚付きのグラスが置いてあるケースが多くなるでしょう。この場合はぜひステムをもってワインを楽しみましょう。

ゆっくりと飲んで味わう

喉越しも美味しいビールなどと違い、よりアルコール度数の高いワインは、ゴクゴクと一気に飲み干すには不向きといえます。
現代の生活では難しいことも多いのですが、本来であれば、ゆっくりと食事を楽しみながら、ワインも時間をかけて味わうのが理想的です。そうすることでワインの変化にも気づきやすくなります。

ワインバーなどでじっくり目の前のワインに向き合うのも良いですし、料理に合わせて香りや味わい、それぞれの組み合わせを愛でるのも良いでしょう。今までより少しだけ意識を向けることで、これまで感じられなかった印象を心に残すことができるかもしれません。

いつもとは言いませんが、時々はこんな楽しみ方もいかがでしょうか?

スワリングをする時は反時計回りで

スワリングをする時は反時計回りで

ワインの楽しみ方のひとつに「スワリング」と呼ばれる、ワイングラスを水平に円を描くように回す動作があります。
スワリングはワインが空気に触れ、香りや味わいに変化が生じるよう促す行為です。

まだ慣れない、という方は、ワイングラスをテーブルに置いたまま、行なうとやりやすいことが多いです。回す数に決まりはありませんが、好ましい新たな香りが引き出されてきたら大成功です。

ただし、熟成が進んだワインでは、ワインが求める以上の酸素を与えることになり、劣化を早めることがあるので注意してください。

大量に注ぎすぎない

ワインを注ぐ量は、多くともワイングラスの3分の1あたりまでを目安にすると良いでしょう。
ワイングラスの上部は拡がった香りを受け止める部分なので、十分なスペースを残しておくことでワインの香りとグラスの機能を充分に活かすことが期待できます。

若く活力のあるワインであれば、多くの酸素を与えることで味わいの発展が望めますから、グラスのボウル部分の下半分を見て、最も膨らんだところまで注いであげることで酸素とワインが触れ合う面を最大化することができるでしょう。
前にもお伝えしましたが、ワインの香りの大きさにワイングラスの大きさを合わせてあげることで、フィットした服に袖を通すように等身大のワインの個性を感じやすくしてあげると良いでしょう。

3. 初心者にも飲みやすいおすすめワイン3選

最後にワイン初心者の方でも飲みやすいおすすめワイン3選をご紹介いたします。

ベルクール ピノ・ノワール 2022

ベルクール ピノ・ノワール 2022

1つ目は南フランスで造られる美味しさと手頃な価格を両立した、デイリー使いしやすい赤ワインです。
熟したイチゴのような果実味としっかりとした酸味も感じられバランスの良い味わいに仕上がっています。
1,000円台で購入できるワインとは思えないほどクオリティが高く、まずはこちらを試してみるというのもおすすめです。

フランソワ・ラベ ピノ・ノワール 2022

フランソワ・ラベ ピノ・ノワール 2022

世界的銘醸地であるフランス・ブルゴーニュの赤ワインです。品種はピノ・ノワール100%です。やや軽めのミディアムボディで、コストパフォーマンスも良くブルゴーニュワインを飲んでみたい方におすすめの1本です。
アルコールは11.5%とやや控えめで、洗練されたフルーティな味わいが特徴です。
重すぎない肉料理やトマトベースの料理との相性が良いのでぜひ合わせてみてください。

メゾン・アン・ベル・リー オロール 2022

メゾン・アン・ベル・リー オロール 2022

脱サラしてワイン造りを始めた造り手さんのワインです。いわゆる自然派ワインでオーガニック認証も受けています。
果実味と酸味のバランスが良く、まるで体にしみこむような新鮮な飲み心地です。オレンジを帯びた淡いローズピンク色が美しく、おしゃれな雰囲気を演出してくれること間違いなしです。

4. まとめ

本記事ではワインの飲み方について、ワインに馴染みがない方にも今まで以上に楽しんでいただけるように解説をしてきました。美味しく飲むためのポイントを押さえてより深くワインの魅力を楽しんでいただけると嬉しいです。
ワインを飲み始めたばかりの方にもおすすめのワインをもっと知りたくなった方は以下のリンクもチェックしてみてください。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
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角 敏行

福岡県出身。
都内のフランス料理店、恵比寿「タイユバン・ロブション」、南青山「ピエール・ガニェール・ア・東京」、銀座「ベージュ・アラン・デュカス東京」でソムリエとして研鑽を積み、六本木「リューズ」、駒形「ナベノ-イズム」では支配人兼シェフ・ソムリエとして従事。
現在は自身の会社を持ち、後進の育成、レストランサービスのアドバイザー、また「Champagne Laurent Perrier」、日本酒「F1625」のブランド・アンバサダーとして活動している。

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