高級ワインの基礎知識や価格相場を解説!
高級ワインの基礎知識や価格相場を解説!

有名な銘柄やおすすめの商品も紹介

有名な銘柄やおすすめの商品も紹介

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Taku Iguro

ワインの価格は1,000円未満の手頃なものからものによっては数万、数百万単位で取引され、非常に幅広いものがあります。
もちろん安いワインでも十分に満足できますが、価格が上がるほど、ブドウの栽培や醸造方法などよりワイナリーのこだわりが反映されたワインを見つけることが出来ます。
本記事では、高級ワインの定義や高い理由、おすすめの高級ワインを紹介します。「ワインの味にこだわりたい」「大切な人にプレゼントしたい」という方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
ワインの価格は1,000円未満の手頃なものからものによっては数万、数百万単位で取引され、非常に幅広いものがあります。
もちろん安いワインでも十分に満足できますが、価格が上がるほど、ブドウの栽培や醸造方法などよりワイナリーのこだわりが反映されたワインを見つけることが出来ます。
本記事では、高級ワインの定義や高い理由、おすすめの高級ワインを紹介します。「ワインの味にこだわりたい」「大切な人にプレゼントしたい」という方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

高級ワインの基礎知識や価格相場を解説!有名な銘柄やおすすめの商品も紹介

有名な銘柄やおすすめの商品も紹介
2024.10.17

1. 高級ワインの定義

そもそも高級ワインとはどんなワインのことを指すのでしょうか。
高級ワインという言葉に明確な定義はありませんが、主に以下の項目に当てはまるワインは高級ワインの一つの指標になり得ます。

・ブランド力があるワイン
・希少性が高いワイン
・プレミアがついた本数が少ないワイン
・ワイン愛好家から人気のワイン

2. 高級ワインである理由

高級ワインである理由

以上に挙げた4点は高級ワインとしての指標でした。ではなぜそれらのワインは高額なワインとしての地位を高めていったのでしょうか。
次の項目で、高級ワインが高額な理由を解説します。

良質なブドウを育てるテロワール

まず一つにブドウを育てる環境があげられます。
良いワインを造るには良いブドウが必要で、そのためにはブドウ栽培に適した気候、土壌環境、日当たり、畑の標高等々様々な条件を満たす必要があります。しかし、そういった土地は限られているうえに地価が高いことから必然的にワインの値段も上がってしまいます。
限られた土地で大量生産も出来ず、それでもそのワインの需要が高ければ価格の上昇に繋がりますし、年によってはブドウが不作で造られるワインの本数が減ってしまい価格が上がるということもあります。

設備投資や維持費の金額

ワインを造るためには専用の設備が必要になります。
醸造において欠かせない樽もその一つで、高級ワインの熟成にはオーク樽が用いられます。樽はワインに様々な影響を与えますが、オークを樽に加工するには当然コストがかかります。
サイズにもよりますが一つの樹から樽を2つくらいしか作れません。また、フレンチオークは無駄になる部分が多いため、アメリカンオークと比べると倍以上の値段がすることも珍しくありません。

新しい醸造設備や農業機械の導入、そういった設備投資も定期的に発生するためワインの価格に影響を及ぼしています。

手間や時間がかかっている

良いブドウを栽培して収穫するためには多くの手間が必要です。
ブドウの収穫をするのに機械を使用すれば時間も人手も少なくて済みますが、機械を使うとブドウに傷がついてしまうため、ワイン用に入れることが出来ません。
当然時間も人手も必要ですが、手作業で収穫することでブドウに傷を付けないというだけでなく、熟していないブドウや病気になってしまったブドウを取り除けるというメリットもあります。

ブドウの茎や葉を取り除く機械、カメラを用いて良い/悪いブドウの振り分けをする機械など高性能な機械も増えてはいますが、高額なため導入している生産者は限られています。

時間という点では熟成というのもワインには欠かせません。
必ずしも値段と熟成期間が比例するわけではありませんが、高級ワインと呼ばれるものの多くは相応の熟成期間を経てリリースされます。
長い期間を経ることで樽の風味とワインの味わいがまとまり複雑な味わいをもたらしたり、強い渋みが穏やかになって液体に溶け込んだり、様々な影響をもたらします。
熟成させるということは造ったワインを販売できず現金化できないうえに、保管場所やその費用も必要になるため長い熟成をさせたものほど高くなる傾向があります。

3. 高級ワインの価格相場

ワインの価格はざっくり言うと「コスト」と「需要と供給のバランス」で決められます。
土壌や日照などのテロノワール、格付け、ヴィンテージ、造り手の手腕やクオリティなどが価格に反映されていくのです。
特にヴィンテージ(収穫年)は値段を左右する要素の一つとして挙げられます。
また、世界的に人気の高いワインはどうしても需要と供給のバランスが取れなくなり値上がりしてしまいます。

高級ワインと呼ばれるものは一般的に10,000円以上のものを指すことが多いですが、世界的に有名なワイナリーのワインや古いヴィンテージのワインは、数百万円以上するものもあります。

4. 高級ワインの保存方法

高級ワインの保存方法

保存方法は一般的なワインと大きく変わりません。光や振動を避けられ、温度や湿度管理ができるワインセラーでの保存がおすすめです。
最近では家庭用のワインセラーだけでなく、ワイン保管専用のレンタルセラー・倉庫も増えていますので数が多かったり、長期熟成したりする場合はそちらを利用するのも選択肢の一つとなります。

5. 高級ワインの有名な12銘柄

最後に高級ワインの銘柄を12種類紹介します。

ロマネ・コンティ

ロマネ・コンティ

ロマネ・コンティはワインをあまり知らない人でも、一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
フランス、ブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネ村にある特級畑ロマネ・コンティから造られ、現在はドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(以下DRC)が単独で畑を所有しています。

ロマネ・コンティは、1.8haの畑から年間6,000本程度のワインしか生産されませんが、世界中のワインラヴァーが憧れるだけあって入手困難を極めています。
人気の高さゆえに偽造品も多く出回っており、手に入れる際は信頼のおけるルートをよく調べることが重要です。

シャトー・ペトリュス

シャトー・ペトリュス

・シャトー・ペトリュスはフランス、ボルドーのポムロールにあるシャトーです。
・世界屈指のシャトーで、「ワインというよりも神話」「最も高値で取引されるボルドーワイン」と表現され、同じボルドーの5大シャトーよりも高い値段で取引されています。
ボルドーの5大シャトーについて知りたい方はこちらの記事もご覧になってください。

シャトー・ペトリュスは鉄分豊富な「ブルークレイ」と呼ばれる特別な土壌で栽培されたメルローから造られており、グレートヴィンテージになるとそのフィネスと長い余韻が際立ちます。

シャトー・マルゴー

シャトー・マルゴー

フランス、ボルドー5大シャトーの1つシャトー・マルゴー。パリ万博の際に行われた格付けで最高級の第一級を獲得。さらに20点満点のテイスティングでは唯一満点を獲得しています。
「女性的」と表現されることが多いワインですが、実際には繊細さと力強さを兼ね備えた、奥深い味わいが特徴的です。
若いうちは硬さに覆われていますが、熟成を経て華やかで芳醇な香りとともに、骨格のしっかりとしたエレガントな味わいが調和し、唯一無二の味わいへと昇華します。

シャトー・ラトゥール

シャトー・ラトゥール

同じくフランス、ボルドー5大シャトーの一つで、完璧とも言える品質主義から生まれた、力強くエレガントなワインです。
5大シャトーの中でも、特に力強く荘厳なスタイルで知られ、評論家のロバート・パーカー氏も「世界で最も凝縮感のある豊かで、フルボディなワインの1つ」と称賛しているほどです。

畑でのビオディナミ農法の実施や徹底した選果、緻密に計算された醸造プロセスなど至るところにこだわり、世界最高峰に君臨するワインが造られます。

オーパス・ワン

オーパス・ワン

オーパス・ワンもワインをあまり召し上がらない方でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
ボルドーメドック格付け第一級のシャトー・ムートン・ロスチャイルドの所有者・フィリップ男爵と、カリフォルニアワインの巨匠、ロバート・モンダヴィ氏が共同で造り上げた夢のワインです。

ボルドーとカリフォルニア、2つのワイン世界の頂点に立つ巨匠が、それぞれの土地の個性を融合させ、新たなワインの可能性を切り開きました。

オーパス・ワンについて知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
オーパス・ワンってどんなワイン?産地の特徴や価格・評判も徹底解説

スクリーミング・イーグル カベルネ・ソーヴィニヨン

スクリーミング・イーグル カベルネ・ソーヴィニヨン

スクリーミング・イーグルはカリフォルニアを代表するカルトワインの一つです。
ジーン・フィリップス氏とハイジ・バレット氏という2人の女性によって造られており、その卓越した品質で世界中のワイン愛好家を魅了しています。

年間生産量は約6,000本で、販売されるのはメーリングリストの登録者に限られています。メーリングリストもすぐに登録できるわけではなく、まずメーリングリストのウェイティングリストに登録しなければならず、そう簡単に入手できるワインではないのです。
そういった入手の難しさが人気に拍車をかけているのかもしれません。

モンラッシェ

モンラッシェ

世界の白ワインのトップに立つのはブルゴーニュのモンラッシェがあげられます。
高級白ワインの代名詞として知られ、「三銃士」で知られる文豪のアレクサンドル・デュマは「脱帽し、跪いて飲むべし」と称えたことで有名です。

モンラッシェと名の付くワインはいくつかありますが、「モンラッシェ・グラン・クリュ」として名乗れるのは約8ha程の畑のみです。
ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがるように位置し、その周囲にはシュヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ、クリオ・バタール・モンラッシェの4つのグラン・クリュ(特級畑)が囲んでおり、その中でもモンラッシェ・グラン・クリュだけは別格の存在として名を馳せています。

シャトー・ディケム

シャトー・ディケム

フランス、ボルドーで世界一の甘口ワインと称されるのがシャトー・ディケムです。
ボルドーの1級シャトーより上の最高位の「プルミエ・クリュ・シュペリュール」(特一級)の評価を唯一受けています。

シャトーでは通常6週間以上かけて約200人の摘み手が、ヴィンテージに応じて平均5~6回に分けて完熟したブドウのみを収穫します。
厳選されたそのブドウから造られたワインであっても、樽熟成の段階でディケムとしての基準に達しないと判断されたものは、たとえ生産量が減少しても容赦なく排除されてしまいます。そのため、ヴィンテージによっては造られないということも珍しくなく、2012年、1992年はシャトー・ディケムとしてのリリースはありませんでした。

コルトン・シャルルマーニュ

コルトン・シャルルマーニュ

ブルゴーニュでモンラッシェと並び、世界で最も評価の高い白ワインのひとつとして称賛されるグラン・クリュがコルトン・シャルルマーニュです。
かつて西ローマ帝国のカール大帝(仏語でシャルルマーニュ大帝)がこの地に畑を所有していたことにその名の由来があります。

コルトンの丘と呼ばれる丘陵地に畑はあり、畑は約56haほど。石灰岩を中心に粘土質や泥灰質の土壌が見られ、鉱物由来のミネラル感が豊かで、酸味が強く引き締まった味わいが特徴です。
リッチな果実味とミネラル感が絶妙なバランスを保ち、白ワインながら20~30年近く熟成が可能です。

ルイ・ロデレール クリスタル

ルイ・ロデレール クリスタル

ルイ・ロデレールは1776年の創業以来2世紀以上に渡り家族経営を続ける珍しいシャンパーニュメゾンです。
クリスタルはロシアのアレクサンドル2世から要望を受けて造られ、クリスタルガラスの瓶に詰められたことからクリスタルと呼ばれるようになりました。

ブドウの出来が良かった年にのみにグラン・クリュのブドウを100%使用して造られます。
イギリスの専門誌「ドリンクス・インターナショナル」が発表した「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2022」で、3年連続で第1位に選ばれるなど不動の地位を築いています。

サッシカイア

サッシカイア

サッシカイアは「元祖スーパータスカン」として知られる、世界的に有名なイタリアワインです。その名は小石が豊富な土壌で造られることが由来となっています。
1978年にイギリスで最も権威のあるワイン誌「デキャンター」が主催したブラインドテイスティングにおいて、サッシカイアは、ボルドー五大シャトーの一つであるシャトー・マルゴーをはじめとする数々の名ワインを抑え、ベスト・カベルネに選ばれました。
1994年には比類ない品質と革新的なワイン造りが評価され、ボルゲリのワインとして、初めて単独ワイナリーでDOC昇格を果たしています。

サッシカイアは非常に濃い色調でボルドーのカベルネと遜色ないほどの豊かなタンニン、しっかりとした骨格を感じられます。
パワフルながらもエレガントでフレッシュな果実味とバランスのとれた酸味が見事に調和します。

ドン・ペリニヨン

ドン・ペリニヨン

世界で最も有名なシャンパーニュ・メゾンといえばおそらくドン・ペリニヨンでしょう。修道士であるドン・ピエール・ペリニヨン氏によって設立され、シャンパーニュ造りの基礎を築きました。
シャンパーニュには欠かせない製造工程であるアッサンブラージュやガラス瓶やコルク栓の導入など多くの革新をシャンパーニュにもたらしています。

単一年に生産されたワインのみ、しかも納得のいく優良年にしか生産を行わず、規定を遥かに超えた最低8年の長期熟成などありとあらゆるところにメゾンのこだわりが詰め込まれています。

6. 【価格帯別】通販で買える!おすすめの高級ワイン6選

THE CELLAR online storeでご購入いただける、おすすめの高級ワインを価格帯別にご紹介いたします。

【1万5千円以下】シャトー・ラトゥール・ア・ポムロール 2014(ハーフ)

【1万5千円以下】シャトー・ラトゥール・ア・ポムロール 2014(ハーフ)

シャトー・ペトリュスを所有するジャン・ピエール・ムエックス社のシャトー。所有する他のシャトーと同様のプロセスで、細心の注意を払って栽培・醸造されています。

熟したプラムやなどの果実のアロマが広がり、口に含むとヴェルヴェットのような滑らかな舌触りのブラックベリーやイチジクの風味に包まれます。
タバコ葉や湿った土のようなニュアンスが加わり、複雑で奥深い味わいです。

【1万5千円~2万円】ジャン・マルク・ボワイヨ ピュリニー・モンラッシェ 2022

【1万5千円~2万円】ジャン・マルク・ボワイヨ ピュリニー・モンラッシェ 2022

除梗を行わず、空気式圧搾機でゆっくり時間をかけて搾汁することで、ワインに複雑なアロマと豊かな味わいをもたらします。また、オーク樽での熟成中に週に一度行われるバトナージュは、ワインに滑らかさと深みを与えます。
力強いボディと、産地特有のミネラル感が特徴の白ワインで、ブルゴーニュのテロワールの多様性が表現されています。

【2万円~5万円】ルー・デュモン コルトン・シャルルマーニュ 2020

【2万円~5万円】ルー・デュモン コルトン・シャルルマーニュ 2020

ブルゴーニュにおける日本人醸造家のパイオニアである仲田晃司氏が手掛けるドメーヌ。白ワイン愛好家である仲田晃司氏が手がける特級畑、コルトン・シャルルマーニュ
・M.クレイマー氏が「一口ごとに広がる味わいの小宇宙は、探り尽くすことができない。」と称賛した、まさにブルゴーニュのグラン・シャルドネの真髄ともいえる白ワイン

【2万円~5万円】シャトー・ラ・フルール・ペトリュス 2020

【2万円~5万円】シャトー・ラ・フルール・ペトリュス 2020

ジャン・ピエール・ムエックス社が所有するポムロールのシャトーの一つです。
その名の通り「花」を思わせる華やかな香りを持ち、複雑さと豊かさを兼ね備えたボルドー右岸らしいエレガントな味わいに仕上がっています。
その高い品質により、ムエックス・グループの代表的なワインの一つとしてあげられます。

【5万円~7万円】シャトー・ディケム 2007(ハーフ)

【5万円~7万円】シャトー・ディケム 2007(ハーフ)

先ほどご紹介したように世界最高峰の貴腐ワインであるシャトー・ディケム。
収穫は長期間にわたり、5回から10回もの収穫を経て最良のブドウを厳選。
新樽で発酵させた後、3年以上樽で熟成させたこのワインは、芳醇な香りや甘美な味わい、力強さ、フィネスを兼ね備えており、他を圧倒する存在感を誇る珠玉のワインになります。

【7万円~10万円】オーパス・ワン・ワイナリー オーパス・ワン 2019

【7万円~10万円】オーパス・ワン・ワイナリー オーパス・ワン 2019

カリフォルニア、ナパ・ヴァレーのトップワイナリー。
22日間マセレーション後、新樽でじっくりと19ヶ月熟成させます。
プラムやブルーベリーなどの黒い果実のアロマに、バラの香りが華やかさを添え、きめ細やかなタンニンが特徴で、ダークチョコレートのようなほろ苦さが余韻に広がります。

7. まとめ

高級ワインはある程度の品質が保証されているため、複雑で繊細な美味しいワインが多いです。
決して「高ければ美味しい」というわけではありませんが、「ワインの味にこだわりたい」「ワイン好きの友人にプレゼントしたい」という場合は大きく外れることは無いのでおすすめです。
また、価格が上がるほど、ワイナリーごとのこだわりを感じながらワインを楽しんでいただけます。

高級ワインを選びたい方はぜひTHE CELLAR online storeをご覧ください。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。

井黒 卓

ロオジエ ビバレッジ・ディレクター兼シェフソムリエ

2020年 第9回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝
総合ワインコンサル TACTICAL WINE CONSULTANT代表
一般社団法人 日本ソムリエ協会 理事

1 3

こちらの記事もよく読まれています