1. コニャックとは?
コニャックとはフランスのボルドー地方北部にある、コニャック地方で造られるお酒です。
ブドウやリンゴといったフルーツを発酵させた後に蒸留させるお酒がブランデーですが、その一種がコニャックです。
2. そもそもブランデーとは?
ブランデーという飲み物はそもそも前述したように、ブドウなどのフルーツから造る蒸留酒です。原料と酵母を使いアルコール発酵させ、その醸造酒を加熱し蒸留して造るお酒が『蒸留酒』と呼ばれます。
蒸留後は、樽などに詰めて熟成させてから瓶詰めされます。
主にブランデーに使用されるフルーツはブドウのほかに、リンゴや洋梨、プラム、さくらんぼなど様々な種類があります。
世界三大ブランデー
世界を代表する3つのブランデーは以下のとおりです。
・コニャック
・アルマニャック
・カルヴァドス
コニャックとアルマニャックは共にブドウを原料として造られる『ブランデー』ですが、そのお酒が造られる【産地】に違いがあります。カルヴァドスは、リンゴを原料としており、フランスのノルマンディー地方で造られるものを指します。
ウィスキーとの違い
コニャックなどをはじめとするブランデーは琥珀色で見た目がウィスキーに似ています。
ブランデーとウィスキーは同じ蒸留酒ですが、全く異なるお酒です。ブランデーとウィスキーの主な違いは以下となります。
■原料
ブランデーの原料はブドウやリンゴといったフルーツを原料としていますが、ウィスキーに関しては大麦やライ麦といった穀物を原料しています。
■製造方法
またコニャックやアルマニャックはワインを蒸留して造られますが、ウィスキーはデンプンを糖化(原料となる穀物とお湯を入れてお粥状態にする)してアルコール発酵を促すなど製造方法が異なります。
ブランデーの場合は原料となるフルーツに十分な糖分が含まれているため、糖化の作業は必要ありません。
■味わい
ブランデーはフルーツ由来の果実の味わいや香りがしっかりと感じられるのに対して、ウィスキーにおいては燻製した香りや樽の香りなどが味わいの特徴となってきます。
3. コニャックに使われるブドウ品種
コニャックを名乗るためのルールとしては産地以外にも使用されるブドウにも規定があり、以下の品種のみが使用を許可されています。
■ユニ・ブラン
■フォル・ブランシュ
■コロンバール
■モンティル
■セミヨン
4. コニャックの生産地や味わいの違い
コニャックの産地は、フランスのボルドー地方北部にあります。
コニャック地方の中でもブドウが栽培されるエリアに関しては大きく6つに分類され、それぞれのエリアでは土地の特徴も異なり、最終的に製造されるコニャックの違いにも繋がってきます。
グランド・シャンパーニュ
グランド・シャンパーニュは最高品質のコニャックを生み出す産地です。コニャック地方中央部に位置しています。
石灰岩土壌が特徴であり、品質の高いブドウ栽培に適した地質を持っています。
グランド・シャンパーニュにて製造されるコニャックは非常にデリケートな香りを持ち、エレガントなコニャックとして人気です。
プティット・シャンパーニュ
グランド・シャンパーニュを南西から囲むように広がるエリアです。土壌はグランド・シャンパーニュに似た、ミネラル豊富な石灰質土壌が広がります。
このエリアでは主に香り豊かな味わい深いコニャックが製造されます。
ボルドリー
グランド・シャンパーニュの西北に位置するエリアです。珪土を含む粘土質土壌が特徴です。
6つあるコニャックのエリアのうち最も面積が小さく、狭いエリアです。
特徴としてはスミレに似た香りを伴う、フローラルな芳香が特徴のコニャックが製造されています。
ファン・ボワ
グランド・シャンパーニュの北にあるエリアです。6つあるコニャックのエリアのうち、最大の栽培面積を持っています。
珪土を含んだ石灰質の土壌が特徴です。
軽やかな味わいが楽しめる、口当たりの良いコニャックがこのエリアの特徴となります。
ボン・ボワ
ファン・ボワを取り囲むエリアです。砂質の土壌が特徴となります。
穏やかな香りを持ち、カジュアルでリーズナブルなコニャックを製造しています。
ボワ・ゾルディネール
コニャック地方西部に位置する大西洋に面したエリアです。砂質が中心となる地質を持ち、本来はブドウの栽培にはあまり向いていないエリアです。
やや刺激の強い、ワイルドなコニャックが造られています。また、主にブレンド用のコニャックを製造しています。
5. 等級による分類
コニャックは熟成年数による分類があるのも大きな特徴の1つです。
コニャックをはじめとするブランデーには「コント」と呼ばれる「熟成年数」を表す単位が存在します。収穫翌年の4月1日を「コント0」としてカウントし、それ以降、1年ごとにコント数が増えていきます。
以下では、コニャックのボトルに記されている「XO」や「VSOP」と呼ばれる等級について解説いたします。
VSOP
「VSOP」とは「Very Special Old Pale」の略です。
そしてVSOPは、コント4以上のランクに指定されたコニャックとなります。原料となるブドウが収穫されてから5年目、最低貯蔵期間4年を意味しており、平均熟成年数は4~7年程度になります。
XO
「XO」は「Extra Old」の略です。
コント10以上のランクに指定されたコニャックです。
最低貯蔵年数は10年であり、平均熟成年数になると20~25年にも及びます。
6. コニャックの5大ブランド
それでは以下にコニャックを代表する5つのブランドを紹介いたします。
ヘネシー
コニャックの中でも世界的に最も人気があるブランドの1つです。1765年、アイルランド人のリチャード・ヘネシーによって蒸留所が開設されました。
厳選したブドウだけを使用し、樹齢100年以上の楢の木を使用したオーク樽にて熟成を重ね、数百種類もの原酒をブレンドして製造されるこだわりのコニャックが多くのファンから支持されています。
レミー・マルタン
1724年創業の老舗コニャックメーカーです。ケンタウロスのロゴが印象的で、創業者であるレミー・マルタン氏の名をそのまま冠しています。
コニャックにおけるトップブランドの1つで、グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュからのブドウのみを使用しています。
マーテル
1715年創業と古い歴史を持つブランドです。ボルドリー地区のブドウをメインに使用しています。
伝統的な製造方法を遵守し、香り高いコニャックが特徴。「飲む香水」とも評価される偉大なコニャックメーカーです。
クルボアジエ
1809年設立。あのナポレオンが愛したブランドとして知られています。「ル・コニャック・ド・ナポレオン」とも呼ばれ、ナポレオンをモチーフとしたロゴが象徴的です。
高い品質が評価されており、「Prestige de la France」を授与された唯一のブランドでもあります。
絹のような柔らかい口当たりと優美な味わいが特徴的なコニャックです。
カミュ
1863年創業で家族経営にこだわる老舗ブランドの1つです。三つ葉の十字架のロゴを使用しています。
グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュの最上位品種のブドウのみを厳選して使用しています。
芳醇な香りが楽しめ、エレガントに仕上げられたコニャックが人気です。
7. おすすめのフランス産ブランデー2選
コニャックはフランスのコニャック地方で造られるブランデーの一種ですが、ここでは他のタイプのフランス産のブランデーを2つ紹介させていただきます。
シャトー・ド・ラ・ヴェル マール・ド・ブルゴーニュ 2008(500ml)
フランス ブルゴーニュ産のブランデーです。
赤ワインの製造過程で出てくる、ピノ・ノワールの圧搾した後のブドウの皮などから造られています。
圧搾の度合いも非常に軽やかに行われるため、圧搾した後の滓にもたくさんのアロマとワインが残っており、それを蒸留して造られます。華やかな香りが特徴的です。
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シャトー・ド・ラ・ヴェル マール・ド・ブルゴーニュ 2008(500ml )
フランス/ブルゴーニュ通常価格13,200 円 (税込)通常価格単価 あたり残り2個
500ml、ピノ・ノワール、ミディアム 500ml、ピノ・ノワール、ミディアム
シャトー・ド・ラ・ヴェルの貴重なマール
クロード・デュガ オー・ド・ヴィー・ド・マール
ブルゴーニュ・ルージュ以外のヴィラージュクラス、一級、特級クラスのブドウの搾りかすを蒸留したブランデーです。
2012年(1999年ヴィンテージ)から販売をはじめた、ブルゴーニュを代表するマールです。
アプリコットやナッツのニュアンスがあり、強いアルコールにまろやかな味わいが調和します。
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マール
クロード・デュガ オー・ド・ヴィー・ド・マール
マールフランス/ブルゴーニュ通常価格41,800 円 (税込)通常価格単価 あたり残り1個
700ml、ピノ・ノワール 700ml、ピノ・ノワール
「見かけたら買い」のクロード・デュガのマール
8. まとめ
コニャックはフランスのボルドー地方北部に位置するコニャック地方でのみ製造される、フランスを代表する偉大なブランデーの一種です。
フランスにはコニャックをはじめとしたブランデーが数多く造られています。
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