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チリのワインはどんな特徴がある?生産地やブドウ品種、おすすめ商品も紹介

チリのワインはどんな特徴がある?
チリのワインはどんな特徴がある?

生産地やブドウ品種、おすすめ商品も紹介

生産地やブドウ品種、おすすめ商品も紹介

THE CELLAR JOURNAL --- writer : WATARU IWATA

普段ワインを楽しまれている皆様の中に、チリ産のワインにはどんな特徴があるのかを詳しく知っている方はそこまで多くはおられないでしょう。

本記事では、チリ産のワインが持つ魅力を深掘りしながら皆様に解説させていただきます。
厳選したおすすめのチリ産のワインも紹介させていただきますので、ぜひワイン選びの参考にしていただければと思います!
普段ワインを楽しまれている皆様の中に、チリ産のワインにはどんな特徴があるのかを詳しく知っている方はそこまで多くはおられないでしょう。

本記事では、チリ産のワインが持つ魅力を深掘りしながら皆様に解説させていただきます。
厳選したおすすめのチリ産のワインも紹介させていただきますので、ぜひワイン選びの参考にしていただければと思います!

チリのワインはどんな特徴がある?生産地やブドウ品種、おすすめ商品も紹介

生産地やブドウ品種、おすすめ商品も紹介
2024.12.27

1. チリワインの歴史

チリのワインの歴史は16世紀の半ばに、スペインの宣教師の手によって持ち込まれたところから始まります。

チリは、西海岸を流れる冷たいフンボルト海流や広大なアンデス山脈、アタカマ砂漠や南部の氷河など独自の自然環境を保つことで、ユニークなテロワールが詰まったワインが造られる他、かつてヨーロッパに多大なダメージを与えた害虫の「フィロキセラ」の影響も免れた土地でもあります。

1990年代半ばに日本で起こった赤ワインブームでは、リーズナブルながらも確かな品質を誇るチリのワインは多くの人気を得ました。
コストパフォーマンスが高く、日本ではコンビニやスーパーでも手軽に購入することができるため、多くの消費者にとって、身近に楽しむことができるワインとして愛されています。

2. チリワインの代表的な産地

チリワインの代表的な産地

南北に細長く伸びる珍しい地形が特徴のチリは、山脈や砂漠、氷河に冷たい海流など数多くの自然の恩恵を受けており、ブドウ造りの天敵でもある害虫も避けやすい環境になります。

チリには以下のようなワイン産地があり、それぞれがユニークな特徴を持ちます。

コキンボ地方

コキンボ地方には、「エルキ・ヴァレ―」「リマリ・ヴァレ―」「チョアバ・ヴァレ―」の3つの産地があります。
チリ北部に位置する産地です。

元々は安価なワインの産地として知られておりましたが、近年では冷涼な気候に注目した生産者がリマリ・ヴァレーを中心に、質の高い白ワイン用ブドウの生産にも力を入れています。

アコンカグア地方

アコンカグア地方には、「アコンカグア・ヴァレ―」「カサブランカ・ヴァレ―」の2つの産地があります。

「カサブランカ・ヴァレー」は海に近いエリアとその冷涼な気候を活かし、質の高いシャルドネやピノ・ノワールの産地としてもチリ国内で特に有名です。
白ワインの「アメリア」などが世界的に知られています。

セントラル・ヴァレ―地方

セントラル・ヴァレ―地方は「マイポ・ヴァレ―」「ラペル・ヴァレ―」「クリコ・ヴァレ―」「マウレ・ヴァレ―」が名を連ねる、世界でも指折りのワイン産地です。

太平洋側から吹き込む冷涼な海風と、アンデス山脈から吹き下ろされる風の影響、そして豊富な雪解け水があることで、高品質なブドウ栽培を可能にしています。

また標高も高いことで、寒暖差のある乾燥した地中海性気候が特徴となり、「マイポ・ヴァレー」では砂利質の土壌の恩恵も受けて、質の高いカベルネ・ソーヴィニヨンが盛んに栽培されています。

日照量に恵まれた「ラペル・ヴァレー」はブドウが完熟しやすい環境であり、メルロやカルメネールの栽培に打ってつけの産地となります。

南部地方(サウス、スール)

南部地方(サウス、スール)は、「イタタ・ヴァレ―」「ビオ・ビオ・ヴァレ―」などをはじめとする、チリ南部にある広大な産地です。

降水量がチリ国内でも非常に多く、湿潤な気候を持っています。
フレッシュなタイプのシャルドネやアロマティック系のブドウ品種の栽培なども盛んに行われています。

3. チリワインで有名なブドウ品種

チリワインで有名なブドウ品種

それではチリワインに用いられる、有名なブドウ品種を以下に紹介させていただきます。

カベルネ・ソーヴィニヨン

チリでは乾燥した温暖な気候である地中海性気候の特徴を活かして、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が活発に行われています。

チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンで造られたワインは、そのコストパフォーマンスの高さから消費者の間で「チリカベ」と称されており、日本でも幅広く親しまれています。
健康志向から、ポリフェノールを多く含むカベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインは特に注目されました。

「カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴とは?生産地ごとの味わいやおすすめワイン5選を紹介」

カルメネール

元々はフランスのボルドー地方を原産とするブドウ品種でしたが、フィロキセラ以降、ボルドーでの栽培はほとんど行われなくなりました。
そのため、現在では「カルメネール」はチリを代表する品種としてとても重宝されています。

セントラル・ヴァレーを中心に豊富な日照量を誇るチリでは、ブドウの果実をしっかりと完熟させることができるため、カルメネールが持つフレーバーの魅力を存分に開花させることができます。

シャルドネ

世界でもメジャーなブドウ品種の一つですが、チリの場合も産地によって様々な特徴を持つ品質の高いワインが造られています。

地域によって味わいの違いがあり、南部地方で造られるシャルドネはほんのりと鉱物的なミネラル感が感じられるものが多いです。
カジュアルでリーズナブルなワインの中で、定番として知られている「アルパカ」の白ワインにもチリ産のシャルドネが使用されているキュヴェもあります。

「シャルドネはどんなワイン?特徴や魅力、一緒に楽しみたいおすすめの料理も紹介」

ソーヴィニヨン・ブラン

チリの中でも特に栽培面積が広いブドウ品種です。
チリのソーヴィニヨン・ブランは温暖な気候と豊かな太陽光の恵を受けて、パッションフルーツのような香りが特徴として挙げられます。

チリの中でも特に冷涼な産地である「レイダ・ヴァレー」は、チリ屈指のソーヴィニヨン・ブランの産地として名高く、フレッシュな味わいのワイン造りが行われています。

「ソーヴィニヨン・ブランの魅力を解説!特徴や生産地ごとのおすすめのワインも紹介」

ピノ・ノワール

世界トップクラスの高級ワインであるフランス/ブルゴーニュの「ロマネ・コンティ」にも使用される、世界中にたくさんの愛好家がいるブドウ品種です。

優雅で芳醇な味と香りが熱烈なファンを生み出しています。
チリの中でも特にカサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーで栽培されるものはとても品質が高く、注目されています。

「ピノ・ノワールとは?エレガントな雰囲気の赤ワイン!特徴やおすすめのワインも紹介」

4. チリの赤ワインおすすめ3選

それではこちらにおすすめのチリ産ワインを3本紹介させていただきます。

ベティッグ ヴィーノ・デ・リージョン ピノ・ノワール 2023

ベティッグ ヴィーノ・デ・リージョン ピノ・ノワール 2023

「真のブルゴーニュ愛好家に贈る」をテーマに掲げ、満足感を追求したデイリーワイン。
赤系フルーツのフレッシュな味わいにスイートスパイスのフレーバーを兼ね備えたミディアムボディな味わいです。
酸も滑らかで、繊細なタンニンと相まって上品さが際立ちます。

ロス・ヴァスコス カベルネ・ソーヴィニヨン 2022

ロス・ヴァスコス カベルネ・ソーヴィニヨン 2022

赤黒系の果実のフレーバーに、木樽からもたらされるスパイスが調和します。
タンニンはしっかりと熟しており、力強い味わいが魅力的なワインです。

ラポストール キュヴェ・アレクサンドル カベルネ・ソーヴィニヨン 2021

ラポストール キュヴェ・アレクサンドル カベルネ・ソーヴィニヨン 2021

フランスでのワイン造りのノウハウを活かした、バランスの良い、緻密な味わいを持ちます。
スイートスパイスの香りとともに、黒系フルーツの熟した甘美なフレーバーが上品に調和します。
カベルネ・ソーヴィニヨン特有のタンニンの力強さもしっかりと感じられますので、特にお肉料理全般とよく合います。

5. チリの白ワインおすすめ3選

次におすすめのチリ産の白ワインを3本紹介いたします。

ロス・ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン 2023

ロス・ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン 2023

チリでも指折りの名産地から厳選したブドウを使用して造られています。
フレッシュなライムやハーブ、そしてジューシーでみずみずしいトロピカルフルーツのフレーバーが印象的です。
鉱物的なミネラル感もあり、長い余韻を楽しむことができます。

エミリアーナ ノヴァス グラン・レゼルヴァ ソーヴィニヨン・ブラン 2021

エミリアーナ ノヴァス グラン・レゼルヴァ ソーヴィニヨン・ブラン 2021

酸味と果実味のバランスがよく、そこへフレッシュハーブの爽やかな香りがアクセントとして加わります。
華やかな香りにイキイキとした味わいが特徴となります。
口当たりもなめらかで、ほのかな塩味が食欲をそそります。

エコ・バランス オーガニック・ゲヴュルツトラミネール ヴァレ・デル・ラペル 2021

エコ・バランス オーガニック・ゲヴュルツトラミネール ヴァレ・デル・ラペル 2021

イギリスの国際ヴィーガン認証期間が認定した白ワインです。
明るい黄色の色調に、華やかなアロマティックで芳醇な香りが特徴となります。
ほんのりと甘さも感じられますので、ナッツやドライフルーツ、クセの少ないチーズやハムをあてにしながら楽しむのがおすすめです。

6. まとめ

本記事では、チリのワインの魅力を、産地や特徴をまじえながら紹介させていただきました。
おすすめするチリのワインもいくつか紹介しておりますので、是非この機会にお試しください!
チリのワインをもっと知りたいなら、以下のリンクもご覧くださいませ!

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
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岩田渉 氏

THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエ

1989年愛知県生まれ。同志社大学に在学中、留学先のニュージーランドでワインに魅了され、4年間ワインの勉強に没頭する。
2019年に現職、THE THOUSAND KYOTOシェフ・ソムリエに就任。

◆主な受賞歴
2017年 「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。
2023年「第17回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール」へ日本代表として出場しセミファイナリストに選出(第5位)

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