1. カタルーニャとワインの関係性
スペイン北東部に位置するカタルーニャ州はピレネー山脈と地中海に面しています。
その州都はスペインでも指折りの面積を誇る大都市で、地中海でもトップクラスの港を構えた『バルセロナ』。
盛んな交易とともにワイン産業も発達してきました。
ワイン造りは山岳エリアから平野に至るまで州の大半のエリアで行われており、多様なスタイルのワインが存在します。
2. カタルーニャワインの歴史
カタルーニャでは古来よりブドウの栽培が行われており、その歴史は紀元前にまでさかのぼります。
ローマ帝国の衰退とともに一時的にワイン造りは停滞しましたが、18世紀後半になると再び活発になりカタルーニャの経済を支える重要な産業の一つとなります。
そして20世紀に入るとカタルーニャのワインは固有品種から国際品種への植え替えも行われるようになり、多岐に渡り改革が見られるようになりました。
現在では、湾岸都市であるバルセロナを州都にスペインのGDPのおよそ2割を占めるほどの経済効果を生み出しているカタルーニャ。
まさにスペインを代表するワイン産地として君臨しています。
3. カタルーニャの主なワイン産地
カタルーニャの中でも、特に高級ワインの産地として名高いのが「ペネデス地方」。
スペイン内におけるバルセロナ47自治体とタラゴナ17自治体に広がるワイン産地の総称で、ワイン造りの歴史も深い地域です。
ペネデス地方は特に以下の要因からブドウ栽培に適した自然環境を備えています。
■地中海の影響を受け、夏は暑く、冬は温暖な気候をもつ
■スペイン国内でも雨が比較的多い地域
■石灰質土壌
地中海沿いと内陸の山岳地帯ではテロワールも大きく異なるため、エリアを分けて各地に適したブドウ品種を栽培しています。
4. カタルーニャが高級ワインの産地として名高い理由
地中海の影響をダイレクトに受けるカタルーニャ州はブドウ栽培に適した気候条件を持っています。
沿岸部では適度に雨が降り、内陸部はスペインならではの乾燥したエリアが広がります。
丘陵地帯や標高の高いところでは冷涼なエリアもあります。
多様な気候条件によって土壌にも多様性が見られるため、さまざまなテロワールが見られるのも特徴の一つです。
恵まれた自然環境が質の高いワイン造りを後押ししており、高級ワインの産地の一つに数えられるようになりました。
5. カタルーニャワインの特徴(ブドウ品種・味わい)
カタルーニャワインの特徴を ”ブドウ品種” や ”味わい” に着目して紹介いたします。
カタルーニャの白ワイン
カタルーニャの白ワインには、『マカベオ』、『チャレッロ』、『パレリャーダ』のような固有品種が多く用いられます。
一般的にはフルーティーな味わいが特徴ですが、各々以下のようなキャラクターも見ることができます。
■マカベオ
アロマティックなブドウ品種とブレンドすることで、あえて香りを抑えたワインを造るために使用されることもあります。
全般的に穏やかな香り。
■チャレッロ
地中海沿岸で栽培される品種なので、特に地元の魚介を使ったお料理との相性も良いです。
梨やリンゴの他にニュートラルハーブやレモンのような香りも。
■パレリャーダ
マカベオ、チャレッロと同様に、後述するスパークリングワインのカヴァ(CAVA)の原料としても重宝されているブドウ品種です。
はっきりとした酸味と花の香りが際立つ特徴を持ちます。
カタルーニャの赤ワイン
カタルーニャの赤ワインには、
『テンプラニーリョ』、『 ガルナッチャ』、『モナストレル(ムールヴェードル)』などの品種が主に用いられています。
■テンプラニーリョ
スペイン屈指の黒ブドウ品種で、スペインワイン用のブドウ栽培面積のうち全体のおよそ2割を占めています。
イキイキとした酸味と力強いアルコール度数の高さが特徴です。
■ガルナッチャ
フランスなどでは「グルナッシュ」、イタリアの一部の地域では「カンノナウ」とも呼ばれる品種。
スペインではその特徴としてドライプルーンや甘いいちじくのようなジューシーな果実味と丸みのある酸味が挙げられます。
■モナストレル(ムールヴェードル)
フランスでは「ムールヴェードル」、カリフォルニアやオーストラリアでは「マタロ」とも呼ばれています。
ポリフェノールをたっぷりと含んでいるため色合いがとても濃く、はっきりとした力強いタンニンも感じられるので、強固なワインを造るのに適しています。
6. ぺネデス地方のスパークリングワイン「カヴァ(Cava)」
世界的にも有名なスパークリングワインの「カヴァ(CAVA)」。実はカタルーニャのペネデス地方で主に製造されています。
シャンパーニュやプロセッコと並んで世界3大スパークリングワインの一つとしても数えられます。
カヴァ(Cava)の由来
カタルーニャ語の「洞窟(Cave)」がカヴァの呼称のもとになっています。
「洞窟」はワインを熟成する場所にも利用されていたため、このような由来になっています。
カヴァ(Cava)の特徴
カヴァ(CAVA)はシャンパーニュと同様に、そのガスは瓶の中で二次発酵させる伝統的な製法にて造られています。
カヴァは熟成期間や細やかな製法の違いによって区別されています。
■基本に沿ったオーソドックスな形の「ノン・ヴィンテージ」
■単一年が表記された「ヴィンテージ・カヴァ」
■36ヶ月以上の熟成期間を要する等、厳格な品質基準が設けられている「カヴァ・デ・パラへ・カリフィカード」
シャンパーニュとの大きな違いには主に「生産地」と「ブドウ品種」です。
温暖な気候で栽培されたブドウ品種で造られたカヴァは、熟した果実味と穏やかな酸味に仕上がる傾向があります。
7. カタルーニャのワインに合う郷土料理
カタルーニャ地方では、そのワイン造りが食文化へも多大な影響を与えています。
カタルーニャのワインに寄り添う地元の郷土料理を紹介いたします。
カタルーニャのパエリア「フィデウア」
一般的なパエリアはお米がベースになりますが、カタルーニャでは短くカットされた細いパスタを使用した『フィデウア』が有名です。
さらに色付けに用いられるサフランとともに、イカ墨が用いられることもしばしばあります。
濃厚な磯の風味が感じられるイカ墨を使用したフィデウアには、香り高くすっきりとした味わいで、ほんのりとヨードのようなフレーバーも持ち合わせる『チャレッロ』の白ワインが良く合います。
カタルーニャの伝統料理「フリカンド・デ・テルネラ」
トマトをベースに牛肉とキノコを煮込んだ温かい郷土料理が『フリカンド・デ・テルネラ』です。
シチューのような味わいでこれからの寒い時期に体を温める定番メニュー。
コクのあるお肉の旨味には、程よく熟成された赤ワインがピッタリと寄り添います。
8. おすすめのカタルーニャのワイン3選
それではこちらにカタルーニャのワインを3本厳選して、紹介させていただきます。
リョパール リョパール ブリュット・レセルバ 2020
近年カタルーニャでも増えている、オーガニックな栽培方法を使用。
全て手摘みの収穫を行ったブドウを用いて造られています。
ワイナリーはカヴァ(CAVA)の中でも、極めて品質の高いワインが造られていると国内外で高い評価を得ています。
きめ細やかな泡立ちと共に、とてもクリーンでフレッシュなフレーバーと酸味が特徴です。
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スパークリングワイン
リョパール リョパール ブリュット・レセルバ 2020 *
スパークリングワインスペイン/カタルーニャ通常価格3,740 円 (税込)通常価格単価 あたり残り32個
750ml、チャレッロ他、ミディアム 750ml、チャレッロ他、ミディアム
高品質なスパークリングワイン生産で知られるリョパールのスタンダード・キュヴェ
アルバロ・パラシオス カミンス・デル・プリオラート 2021
スペインの名手「アルバロ・パラシオス」が手がける、複雑なスパイスのアロマにベリー系の果実味が合わさった力強い味わいの赤ワイン。
ステンレス、セメント、木樽の3つを用いて発酵させています。
スペインワインを普段なかなか飲む機会がない方にも自信を持ってお勧めできる1本です。
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スタッフ
おすすめスタッフ
おすすめ赤ワインアルバロ・パラシオス カミンス・デル・プリオラート 2021 *
赤ワインスペイン/カタルーニャ通常価格4,400 円 (税込)通常価格単価 あたり残り31個
750ml、ガルナッチャ他、ミディアム 750ml、ガルナッチャ他、ミディアム
ベリー系果実、スパイスの複雑なアロマ、力強い味わい
カステル・サント・アントーニ ジャズ・ナトゥーレ レゼルバ NV
ピアノをイメージしたパッケージが印象的なスパークリングワイン。
バルセロナ出身で世界的にも有名なジャズバンドの「チェル・ススト&アウグスト・タラッツ・トリオ」とのコラボレーションにより誕生。
スペイン国内にとどまらず、世界的に評価されている独創的なコンセプトのユニークなワインです。
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スパークリングワイン
カステル・サント・アントーニ ジャズ・ナトゥーレ レゼルバ NV
スパークリングワインスペイン/カタルーニャ通常価格3,740 円 (税込)通常価格単価 あたり残り12個
750ml、チャレッロ他、ミディアム 750ml、チャレッロ他、ミディアム
泡が踊り、音が香りを放つ
9. まとめ
カタルーニャのワインの魅力を産地やその特徴を交えながら紹介させていただきました。
おすすめのカタルーニャのワインも紹介していますので、ぜひこの機会にお試しくださいませ!
カタルーニャのワインをもっと知りたい方は、是非THE CELLAR onlinestoreも覗いてみてください!