オーブ県コート・デ・バールの中で最もレコルタン・マニピュランの多い村、セル・シュール・ウルス村。昔からブドウ造りが盛んだった“セル・シュール・ウルス村最初のレコルタン・シャンパーニュ”がタッサンです。 1900年生まれのマルセル・タッサン氏は、ブドウ売買の仲買業者でしたが、1980年代に友人たちと共に自らの畑からシャンパーニュ造りを始め、ドメーヌを興しました。80歳という人生終盤での挑戦。セル・シュール・ウルス村初の“レコルタン・マニピュラン”誕生に、村の人々はマルセル氏を「シャンパーニュの父」として誉めそやしました。 1990年代、孫娘のマリーがドメーヌを継承。当時としては珍しい女性醸造家であり、シャンパーニュ地区で早くから環境保全を考慮した自然な栽培に取り組み、この土地の伝統的品種も復活させました。樹齢60年超の「ピノ・ブラン・ヴレ」の古木から上質なシャンパーニュを産み出し、地元メディアでも注目されてきました。現在は息子のアーチュールがドメーヌに戻り、母と二人三脚でワイン造りを行っています。 アーチュールも2015年から除草剤、除虫剤を一切廃止。化学肥料やボルドー液（硫酸銅）を使用する代わりに、「ティザン」（ハーブを煎じた液体）を畑に撒いて代用する等、シャンパーニュ全体でも有機栽培認証の畑はまだ2％程度ですが、2025年迄に完全なBIO栽培ができるよう取り組んでいます。「VDC／シャンパーニュにおける持続可能な栽培（Viticulture Durableen Champagne）」、「HVE／高基準環境価値（Haute Valeur Environnementale）の認証を取得。「HVE」は＜レベル1＞から＜レベル3＞まで段階的に昇格する必要がありますが、タッサンは＜レベル3＞を2016年に既に取得しています。