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ブルゴーニュワインの基礎知識を解説!

ブルゴーニュワインの基礎知識を解説!
ブルゴーニュワインの基礎知識を解説!

ブドウ品種やボルドーワインとの違いも紹介

ブドウ品種やボルドーワインとの違いも紹介

THE CELLAR JOURNAL --- writer : Daichi Yoshikawa

フランスワインの二大産地として知られているのが「ボルドー」と「ブルゴーニュ」です。ボルドーはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを中心とした複数の品種をブレンドするタイプが多いですが、ブルゴーニュのワインのほとんどは単一品種のみで造られます。

白はシャルドネ、赤はピノ・ノワール(ボジョレー地区ではガメイ)を使用するのが特徴です。同じブドウを使っていても、村や畑、造り手によって味わいや風味に大きく差が出るのがブルゴーニュならではの特徴といえます。

今回はブルゴーニュワインについて、基礎知識や使われるブドウの品種、おすすめのワインなどを解説していきます。
フランスワインの二大産地として知られているのが「ボルドー」と「ブルゴーニュ」です。ボルドーはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを中心とした複数の品種をブレンドするタイプが多いですが、ブルゴーニュのワインのほとんどは単一品種のみで造られます。

白はシャルドネ、赤はピノ・ノワール(ボジョレー地区ではガメイ)を使用するのが特徴です。同じブドウを使っていても、村や畑、造り手によって味わいや風味に大きく差が出るのがブルゴーニュならではの特徴といえます。

今回はブルゴーニュワインについて、基礎知識や使われるブドウの品種、おすすめのワインなどを解説していきます。

ブルゴーニュワインの基礎知識を解説!製法やボルドーワインとの違いも解説

ブドウ品種やボルドーワインとの違いも紹介
2024.12.25

1. ブルゴーニュワインの基礎知識

ブルゴーニュワインの基礎知識

フランスのブルゴーニュ地方で造られたワインは、特に畑ごとに味わいの違いが表れるのが特徴です。それは土壌や気候条件、造り手の哲学などに起因しています。
ここではブルゴーニュワインを語るうえで知っておきたい基礎知識を解説していきます。

フランス・ブルゴーニュ地方の地理と気候

ブルゴーニュはフランス東部の地域で、冷涼な気候と大陸性気候の性質を持っています。北はシャブリ地区、南はボジョレー地区まで名高いワインが数多くあり、南北に280kmある長い地域です。
土壌はジュラ紀由来の粘土石灰質が多く、ボジョレー地区は北部が花崗岩質、南部が粘土石灰質となっています。

ブルゴーニュワインの特徴

ブルゴーニュのワインは、単一ブドウを使用するにも関わらず、味わいの奥深さや多様性、繊細さが表れるのが魅力の一つです。
単一品種でここまで余韻が長く、味わいの多様性が出るのは、ブルゴーニュならではの土地の個性(テロワール)が色濃く出ることに起因しています。

ブルゴーニュワインの製法

ブルゴーニュのワインは単一の品種のブドウで造られることが多く、ほとんどは赤はピノ・ノワール100%、白はシャルドネ100%で造られています(ボジョレー地区を除く)。

単一品種での醸造は、その品種の特徴をワインに反映させやすく、土地のテロワールやヴィンテージ生産者の哲学を表しやすいというメリットがあります。
なかでもブルゴーニュのワインは繊細で余韻が長く、官能的な味わいが特徴です。

2. ブルゴーニュワインの代表的なブドウ品種

ブルゴーニュワインの代表的なブドウ品種

ブルゴーニュで作られるブドウは、黒ブドウはピノ・ノワールとガメイ、白ブドウはシャルドネとアリゴテです。なかでも主要なブドウ品種は、ピノ・ノワールとシャルドネ。ボジョレー地区を除くと、この2つの品種が合計で栽培面積の90%を占めています。
ここではブルゴーニュの代表的な品種について、味や香りも含めて解説していきます。

ピノ・ノワール

ブルゴーニュを代表するブドウ品種で、タンニンが少なく、程よい酸味があり、バランスの取れた口当たりの良い赤ワインが生まれます。長期熟成にも向いており、熟成するにつれて丸み、複雑さ、豊潤さが出てくる特徴があります。赤果実のアロマを持ち、気品のある味わいに仕上がります。

ブルゴーニュのピノ・ノワールは特に味わいの繊細さや奥行きの深さが唯一無二で、世界中のワイン愛好家を魅了しています。
ピノ・ノワールについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

ガメイ

ガメイはボジョレーヌーヴォーに使われる品種で、早期に発芽し成熟するポテンシャルを持っています。フレッシュな果実味と酸味が特徴で、フルーティに仕上がり、イチゴやラズベリーなどの甘酸っぱい果実を思わせる香りがあります。アルコール度数は低めで、程よい酸味を持つワインになるため、ライトな飲み口で親しみやすい仕上がりになります。

シャルドネ

シャルドネは世界中で最も栽培されている白ワインを代表する品種です。
産地や醸造フローによって味わいやアロマが大きく変わる品種で、ブルゴーニュにおいては北部のシャブリではキレのあるシャープな酸味とミネラルを感じられ、南部のマコンでは凝縮した果実味が感じられるといった特徴があります。

なかでもブルゴーニュの中心地であるコート・ドール県の南部、コート・ド・ボーヌの「モンラッシェ」は、世界屈指のシャルドネの銘醸地であり、世界的にも高い評価を受けています。
シャルドネについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

アリゴテ

アリゴテはブルゴーニュで古くから根付く品種で、病害虫に強く、丈夫で育てやすいのが特徴です。シャルドネ以外で唯一ブルゴーニュの村でA.O.Cが認められている品種でもあります。

酸味の強いすっきりとした味わいがあり、一昔前は酸っぱさだけが際立つなどのイメージがありましたが、近年では酸と果実味のバランスが取れた辛口白ワインが多く生産されています。

3. ブルゴーニュワインの格付け

ブルゴーニュワインには、畑による個性の違いが顕著で、大きく分けて以下4つの格付けが設けられています。下にいくほどブドウの生産地が限定されるため、希少価値が上がり、ハイグレードな扱いになります。

地域名:レジョナル ブルゴーニュ地方全体をカバーしている広域のA.O.C.
村名:コミュナル 村をカバーしている村名のA.O.C.
1級畑:プルミエ・クリュ コミュナルの中に含まれている1級畑(プルミエ・クリュ)をカバーする1級のA.O.C.
特級畑:グラン・クリュ コミュナルの中に含まれている特級畑(グラン・クリュ)をカバーする特級のA.O.C.

地方名「レジョナル」Regionales

ブルゴーニュ地方内であればどの地域のブドウを使ってもよく、ひとつの畑でとれたブドウにこだわらず、複数の畑のブドウをブレンドして造られたワインも該当します。
使用できるブドウの範囲が広く、ブルゴーニュワイン全体のおよそ半分を占めるため、希少性の観点からも比較的親しみやすいグレードといえます。
レジョナルグレードでは「ブルゴーニュ」表記が多いですが、略して「ACブルゴーニュ」と称されることもあります。

村名「コミュナル」Communales

地方の中にある「村」に限定したブドウ品種を用いており、ブルゴーニュワイン全体の3割ほどを占めています。場合によっては「ヴィラージュ(Villages)」と称されることもあります。レジョナル専用で栽培している畑のブドウは、コミュナルに使えません。

1級畑「プルミエ・クリュ」Premieres Crus

コミュナル内に存在する一級畑のみで栽培されたブドウを用いており、ブルゴーニュの生産量の約1割と希少性が高いのがプルミエ・クリュです。まれにラベルの表記では畑の名前が明記されていないものも存在するので注意が必要です。

特級畑「グラン・クリュ」Grandes Crus

グラン・クリュはコミュナル内に存在する特級畑のみで栽培されたブドウを用いており、ブルゴーニュワインの中でもわずか数パーセントほどと、極わずかな量しか存在しないため、希少価値が極めて高いです。

レジョナルの場合は、他のグレードのブドウをブレンドしても変わらず名乗ることができますが、グラン・クリュは特級畑のブドウが他の畑のブドウとブレンドされることはほとんどないため、単一畑でつくられる傾向にあります。

4. ボルドーワインとの違い

ボルドーワインとの違い

ブルゴーニュワインとともに、フランスの二大生産地として名高いのが「ボルドーワイン」です。ここではブルゴーニュとボルドーのワインの違いについて解説していきます。

ブドウ品種

ボルドーの赤ワインに使われるブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローがメインで、いずれも濃い赤紫の色合いで、渋みに富んだ味わいが特徴です。

一方のブルゴーニュの赤ワインでは、ピノ・ノワールやガメイが使われます。ボルドー品種よりもタンニンが控えめで、飲み口もミディアムボディになります。
ガメイは日本ではすっかりお馴染みのボジョレー・ヌーヴォーに使われる品種なので、日本ではとりわけ馴染み深い品種といえます。

味わい

ブルゴーニュワインは基本的には単一品種を使っているため、柔らかな渋みと爽快な酸味が特徴です。色合いも透き通るように淡く、若い状態でも十分に楽しめます。

ボルドーワインは複数のブドウ品種をブレンドして造られることから、より複雑で奥行きのある味わいを表現できます。
重厚感があり、パワフルな味わいが特徴で、ブルゴーニュワインに比べて、より濃厚さが際立つため、ボトルの形状にも違いがあります。
ボトルの形状については以下で解説します。

ボトルの形状

ワインボトルの形状は、ブルゴーニュワインは「なで型」、ボルドーワインは「いかり肩」と違いがあります。

ボルドーワインは濃厚なものが多いことから澱が溜まりやすい特徴があるため、グラスに注ぐ際、溜まった澱が浮かび上がってグラスに入らないように肩の部分で澱が止まりやすくなるようなデザインになっています。

生産者の呼び名

ブルゴーニュでは、生産者を「ドメーヌ(Domaine)」と呼び、ボルドーでは、「シャトー(Chateau)」と表現します。どちらも自社畑所有の生産者のことを指しますが、ドメーヌは小規模な生産者が多いです。
シャトーはフランス語で「城」という意味で、まるで大きい城のような醸造所で造られていたことに由来しています。

ボルドーワインの一覧は🍇こちら 〉〉

5. おすすめのブルゴーニュワイン6選

ブルゴーニュワインを楽しんでみたい方におすすめのワインを6本に厳選して紹介します。スパークリング、白、赤とそれぞれセレクトしたのでぜひ参考にしてみてください。

エヴィダンス by LVHB クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン・ド・ブラン NV

エヴィダンス by LVHB クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン・ド・ブラン NV

シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン仕立て。リンゴや柑橘類を思わせるほのかに甘く香ばしいアロマがあり、豊富なミネラルと爽やかな果実感が味わえます。品の良い辛口で幅広い料理に合わせられます。ちょっと贅沢したい日にもぴったりのクレマンです。

ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ・ピノ・ノワール ラ・ヴィニェ 2021

ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ・ピノ・ノワール ラ・ヴィニェ 2021

コストパフォーマンスに優れたミディアムボディの赤ワインで、手頃でおいしいブルゴーニュのピノ・ノワールを楽しみたいときにおすすめの1本です。フルーティーなストロベリーの果実味と、強すぎないタンニン、スパイスの風味が感じられ、バランスの取れた赤ワインです。

ウィリアム・フェーヴル サン・ブリ 2020

ウィリアム・フェーヴル サン・ブリ 2020

ブルゴーニュで唯一のソーヴィニヨン・ブランの産地であるサン・ブリの白ワインです。フレッシュなハーブの香りで口当たりは軽くなめらかなので、魚料理や前菜との相性が良いです。
一部にビオディナミ農法を取り入れたビオロジック農法を採用し、オーガニックワインとしても高い評価を得ているワイナリーです。

ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン マコン・ヴィラージュ テヴネ・カンテーヌ 2021

ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン マコン・ヴィラージュ テヴネ・カンテーヌ 2021

ビオロジック農法で栽培され、手収穫されたドメーヌのブドウだけを使って造られています。
レモンのはちみつ漬けやハーブの香りが感じられ、まろやかでクセがなく飲みやすいのが特徴。ブルゴーニュの南の地域らしい味わいと、豊かな果実味を感じられる1本です。

ピエール・ダモワ ブルゴーニュ・ルージュ 2012

ピエール・ダモワ ブルゴーニュ・ルージュ 2012

ダークベリーの華やかな果実味に豊かなボリュームと長い余韻が感じられます。ブルゴーニュらしい上品なやわらかい酸とタンニンを感じられる1本です。軽やかさの中にも奥行きのある味わいが楽しめます。

ジャン・マルク・ボワイヨ ピュリニー・モンラッシェ 2022

ジャン・マルク・ボワイヨ ピュリニー・モンラッシェ 2022

ヴォルネイの父とピュリニーの母のもと、素晴らしい条件の畑を所有した生産者のもとで造られた珠玉のワインです。
ボリューム溢れる味わいをベースに、しっかりとした果実の旨味が感じられるミディアムボディのワインです。

6. まとめ

ブルゴーニュは世界的にも高品質ワインが生まれる名産地の一つで、地区によって味わいが大きく変わるのが魅力です。ブルゴーニュワインを飲み比べてみたい方や、他にもおすすめのブルゴーニュワインが知りたい方は、ぜひTHE CELLAR online storeをご覧ください。

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吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。

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