2024.05.02

赤ワインの効能を詳しく解説!適量や健康との関係性、ポリフェノール豊富な商品も紹介

 

赤ワインは健康に良いと言われていますが、本当に体に良いのか理由を知りたい人も多いかと思います。この記事では、赤ワインが健康に良い理由や具体的な効能、ポリフェノールが豊富に含まれている赤ワイン3選を紹介します。

赤ワインにはポリフェノールが豊富に含まれている

そもそもポリフェノールとは、植物が紫外線の酸化ダメージから種子を守るために、葉や皮、果肉に含まれる色素成分のことを言います。赤ワインに使われる黒ブドウ品種は、果皮や種子、果梗にタンニンや色素を豊富に含んでいるため、醸しの工程がある場合はポリフェノールが液体にたくさん溶け込みます。食品100gあたりのポリフェノール含有量は、赤ワインが230mgあり、他の食品に比べても非常に高いことがわかります。

食品名(100gあたり)

ポリフェノール含有量(g)

赤ワイン

230

 

コーヒー

200

緑茶

115

紅茶

96

ココア

62

ごぼう

49

ほうれん草

42

フレンチ・パラドックスとは?

ポリフェノールは、ほとんど全ての植物が持っている苦味や渋味、色素の成分を指します。かつてはポリフェノールは果物や野菜を変色させる原因や渋みの原因だったので、あまり歓迎されるものではありませんでした。しかし、「フレンチ・パラドックス」と呼ばれる現象がポリフェノールに対する関心を高めました。
フレンチ・パラドックスとは、フランス人が肉類や乳脂肪を多く摂取しているにも関わらず、心臓病の発症率が低いという不思議な現象のことです。この現象の原因として、赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用が挙げられました。赤ワインは、ブドウの皮や種子に多くのポリフェノールを含んでおり、その皮や種子を取り除かずに発酵させます。1990年に発表されたこの説が、健康志向ブームに乗り、ワインの消費量を急増させる原因になりました。

赤ワインを飲むことで期待できる主な効能とは?

次に、赤ワインを飲むことで期待できる主な効能を解説していきますが、いずれも効果には個人差があり、誰にでも効果があるとは限らない点に注意してください。

動脈硬化を予防する

動脈硬化の原因の多くは、血液中に悪玉コレステロールが増え過ぎることが原因です。赤ワインに含まれるポリフェノールには、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑える働きがあるため、動脈硬化の予防効果が期待できると言われています。

認知症を予防する

認知症を予防するには、活性酸素の過剰発生を防ぐことが重要です。赤ワインに多く含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があり、認知機能低下の抑制や脳梗塞予防に効果が期待できると言われています。

血圧を下げる

赤ワインに含まれるポリフェノールには、血管をしなやかにし、血液が流れやすい状態に整える作用があります。血管の老化が進行すると、血液が流れにくくなり血圧が上がるため、ポリフェノールを摂取することで、ポリフェノールがもつ強力な抗酸化作用により、血圧を下げる効果が期待できると言われています。

視力を回復させる

赤ワインに含まれるアントシアニンは、網膜に存在するロドプシンというタンパク質の再合成を促すため、視力の改善が期待されると言われています。

1日に飲む赤ワインの適量

赤ワインに含まれるポリフェノールは健康に良いとされていますが、アルコールである以上、やはり飲み過ぎは良くありません。適量は1日にワイングラス12杯程度(100300ml)が適量であり、女性は特に乳がんなどのリスクがあるため、100ml程度が適量とされています。飲みすぎないように十分気をつけましょう。

ポリフェノールが特に多いブドウ品種とは?

赤ワインの中でも、特にポリフェノールが多く含まれているブドウ品種はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ネッビオーロ、サグランティーノ、タナなどが挙げられます。

これらのブドウ品種は特にポリフェノール含有量が多く、渋みを強く感じる場合もありますが、なかでもメルローは、なめらかなタンニンが特徴で口当たりがよく飲みやすいです。また、ネッビオーロに含まれるポリフェノールの量は、ピノ・ノワールの約6倍とも言われています。タナは品種名そのものが「タンニン」に由来していることもあり、非常に渋みがしっかりしている品種です。

赤ワインの保存方法

赤ワインは、保存方法に気を付けることで自宅でも美味しく飲むことができます。以下でワインの保存方法について解説していきます。

未開封ワインの保存方法

未開封ワインの保存する際、以下の3点に気をつけましょう。

①ワインを保存するときの適温は1015℃に設定すること。(ワインセラーがない場合は、冷蔵庫の野菜室でもOK

②光対策・臭い対策として、ボトルのままではなく、新聞紙やビニール袋で包むこと。

③コルクを乾燥させないこと。コルクはラップをしておくのがおすすめ。

開封後のワインの保存方法

ワインは抜栓したら酸化が進むため、飲み残したワインはできるだけ空気に触れない状態で保存するのがポイントです。開封後のワインの保存方法と、保存可能な日数の目安は以下の表を参考にしてください。

コルクやスクリューキャップで再栓

2~3

ワインストッパー

4~5

アンチ・オックス

5~10

コラヴァン

数か月の長期保存が可能

ポリフェノールが多い赤ワイン3選を紹介

ここではポリフェノールが多く含まれる赤ワイン3選を紹介します。ワインを選ぶ際参考にしてください。

マルキ・ド・ボーラン メルロー 2022

ポリフェノールを多く含むブドウ品種であるメルローを100%使用した赤ワインです。完熟したメルローの特徴である豊かな果実味が感じられる味わいに仕上がっています。味わいは濃厚である一方、穏やかな口当たりが心地よい、バランスのよい一本です。

ノストラーダ シルバー・ラベル・レゼルヴァ 2016

ポリフェノールを多く含むブドウ品種の一つ、カベルネ・ソーヴィニヨンと樹齢40年超のグルナッシュをブレンドした赤ワインです。フレンチオークの小樽で36ヶ月熟成後、大樽で長期間の熟成を経たレゼルバ・ワインです。スパイシーさと清涼感が感じられるエレガントな味わいに仕上がっています。

ロス・ヴァスコス カベルネ・ソーヴィニヨン 2021

ポリフェノールを多く含むブドウ品種の一つ、カベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られた赤ワインです。ラフィットのエレガンスとコルチャグア・ヴァレーの特長の両方が楽しめる、バランスのよいワインです。赤い果実の香りやドライフルーツのニュアンス、黒胡椒、ナツメグのスパイス、エレガントなタンニンが感じられます。

まとめ

赤ワインは適度な摂取量であれば動脈硬化の予防、認知症の予防、血圧の低下、視力の回復などが挙げられます。ポリフェノールが豊富に含まれていることが、これらの効果に寄与しています。とはいえ、ポリフェノールは赤ワインだけでなく、お茶やリンゴ、チョコレートなどの食品にも多く含まれているので、さまざまな食品からバランスよく摂取するのがおすすめです。
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この記事を書いた人

吉川 大智

吉川 大智

JSA認定 ソムリエ

バーテンダー、ワインバーのマネージャーを経てワインのPRライターに。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問した経験あり。